WEB・モバイル2014.04.02

「九州の香りを届ける」新サイトも始動 次世代に残るものを-

福岡
ビズ・リファイン株式会社 代表取締役 中村孝浩氏
システム開発やコンサルティング、Web、デザインなど多方面の事業を展開するビズ・リファイン株式会社。 この春オープンした「九州うまか野菜」のお話を中心に、事業に込められた思いなどについて、代表取締役の中村孝浩さんにお伺いしました。

次世代の人たちへ 働く場とシステムを用意してあげたい

ビズ・リファイン起業のきっかけについて教えてください。

私はこの4月に48歳になります。ビズ・リファインは2年目になりますが、あと5年早かったらもっといろんなことができるのに、と思いますね(笑)。 実は15年前に一度、病院向けのシステムを売る会社の設立に取締役として関わったことがあるのですが、その会社は2年ほどで離れてしまい、その後システム関係の会社で営業をやっていました。 ビズ・リファイン開業のきっかけについてですが…。いち社員の立場では、何かをやりたいと思っても自分で責任が取れないんですよ。つまり、自分でGOを出せない。会社としてもノウハウがなくリスクのある事業には当然なかなかGOを出せないので、やろうと思ったことを自分で責任もってやるためには自分でやるしかないよね、という結論に至ったんですね。

やりたいことをやるための起業、ということでしょうか?

そうですね。それと「雇用創造」でしょうか。 実は、私はこれまで結構な回数転職して、いろんな会社でご飯を食べさせてもらってきました。先人が会社を作って事業をやってるからこそ、私もそこで働くことができるわけじゃないですか。私もこの年になって、何かをやろうとする際に「下の世代に雇用(働くフィールド)を作りたい」という気持ちが強くなったんです。 一度懲りているので、経営はもういいかなっていう思いもあったんですが(笑)。 そんないろいろな思いがあって、ビズ・リファインの設立に至りました。

起業にあたり、成功するという自信はありましたか?

私は子どもの頃から、「人のやってることは自分にもできる」という考えを持っています。要は人間のやっていることですから、努力の仕方や目のつけどころ、考え方など変えていけば人間不可能なことは無いと。100m走を10秒で走れと言われても不可能かもしれませんが、仕事という括りでいうとできないことはないと思っています。もちろん、どんな業種でもズバ抜けてできるトップの人っていますよね。そういう人はまた特別ですが、私自身は、どんな業界・業種でも「平均よりちょっと上」くらいの仕事だったらどんな仕事でもできるという自信を持っています。根拠はありませんが…(笑)。

それは、起業前のご経験から得た自信でしょうか?

そうですね。私は大学を卒業してからずっと営業一筋なんです。 まず新卒で損保の営業に就いて、2年目からは歩合制の会社に入りました。営業のイロハはここで学びましたね。会議の場では悔しくて泣いたこともあります。直接的な仕事の方法だけではなく当時は「仕事に対する考え方」みたいなものをしっかり教えてもらえましたね。 いろんな会社でいろんなことを経験してきましたが、これまでの仕事で無駄と思うことは一つとしてなかったですね。

4本の柱を基本事業に

ビズ・リファインの事業について教えてください。

まず、ひとつの事業だけで収益を作ろうとしても、社内の原因だけではなく、外的要因でコケてしまうこともあるじゃないですか。そういうときに、自分についてきてくれる社員や私自身の生活も含めて「しょうがないよね」では済まされない。だから、事業の柱は4本必要だと考えています。 ビジネスの事業モデルって、成長曲線を描く中で、いい時代もあれば悪い時代もある。極端な話、事業自体が成立しなくなっていくものもありますから。

御社における4本の事業の柱とは?

現在は、「システム開発」「IT教育」「Web制作運営」「広告・デザイン制作」ですね。

まずはシステムの開発。現在一生懸命、技術者の育成をしているところです。新卒や経験の浅い技術者を積極的に採用して、開発の現場て経験を積ませています。

IT教育事業では、講師の派遣などを行っています。 もともと私が病院向けのシステムを売っていた頃に、営業のコンサル会社を作りたいと思っていたんですよね。営業マンの教育をやりたい、と。私自身、人前に出ることはすごく苦手だったのですが、そんな私でもしっかりと営業の仕事で結果を残してきました。私の思う営業マン教育というのは、底上げです。トップセールスマンを作ろう、というものではなく。給料泥棒なんていわれているような営業マンの実力を、少なくとも平均に持ってくる。それだけでも会社にとってはすごくプラスになる。営業マン本人にも、嫌々仕事をするのではなく営業の楽しさや喜びを知ってもらいたい、伝えたい。そういう気持ちがあったもので、その後スクール運営の会社に入社し、スクール運営のノウハウを身につけました。 そこでの経験や、前職(システム開発/技術者養成)での人脈などを活かして、現在は新入社員研修や技術研修を手がけています。営業マン育成教育は、今後着手する予定です。

野菜と一緒に九州の香りを届けたい

「Web制作運営」「広告・デザイン制作」の事業に分類されるかもしれませんが、野菜販売のサイト『九州うまか野菜』を始められたそうですね。

私の実家が農業をやっているんです。農業も、後継者やTPPの問題などで変革の時期にあります。年配の方は変わることに対する抵抗もあるようですが、若い世代は「変わらなきゃ」という意識が高い。販路を拡大したいと思っている農家の方って、実は多いんですよ。でも独自ルートはなかなか見つからない。 私も農業で育っていて、私にできることでなにか恩返ししたいと思っていまして。そこで“九州の野菜を売るHP”というものをはじめようと思いました。

この春オープンしたばかりですが、既に出品農家さんなどもたくさん集まっているようですね。

そうですね。先日も鹿児島の農家さんから問合せをいただいて、近いうちに鹿児島出張の予定があります。他にも大分に5町(1町=約1万㎡)の畑を持っている農家さんが協力してくださったりと、すでにいろいろと反響をいただいている状況ですね。

やはり若い世代からの反響が大きいのですか?

女性からの反響が大きいですね。農家さんたちも当然、販路の問題についてはいろいろ考えていらっしゃって、例えば道の駅などで農家さんが自分で値段をつけて販売をしています。しかし道の駅は、少なくとも車でその場所に来てもらわないと買えないんですよ。 このサイトは、そういった品物を首都圏や日本全国で買えるようにする仕組みです。「九州産直」というコンセプトもあってか農家さんたちの反応ももいいんです。それだけ、販路を探している農家さんが多いということだと思っています。 生産者ですから、モノは作る。しかし販路が現在のままだと、決まった金額でしか買ってもらえない。そういう状況がありますからね。

「野菜の通販」について、課題などはありますか?

野菜は単価が安いんですよ。送料のほうが高かったりする。 農家さんたちはそんなに何十種類も作っているわけではなくて、限られたものをたくさん作っているわけですよね。普通に通販しても、例えばニンジンを50本箱詰めで一般家庭に売ることって、なかなかできないじゃないですか。さらに、傷みやすい商品でもあって、これまではなかなかネットでの購入はハードルが高かったわけです。しかし、十何種類かの野菜をそれぞれ必要なぶんだけ箱詰めする作業がうまく間に入れば、ネットでの野菜定期購入の仕組みができる。 既に、大手野菜通販会社をはじめネットで野菜を売っている会社はいくつかあるんですが、私たちは他にない独自のエッセンスを加えて運営していきます。

独自のエッセンスとは?

言えないです(笑)。

言える範囲でお願いします(笑)。

単に野菜を届けるのではなく、「九州の香り」を届ける仕組みにします。 当初、震災後に首都圏の人へ安心安全で美味しい野菜を楽しんでいただく、というところに事業の発端があったのですが、それ以外にも、例えば九州出身の方が現在首都圏で生活していても、地元の味が恋しくなることってあるじゃないですか。そこにレシピと素材を届けることができたら、九州の懐かしい味が再現されて…という。 もちろん、九州出身以外の方たちにも、是非味わっていただきたいですね。

純粋な仕事の時間/準備の時間

この記事を読んでくれているクリエイターの方へメッセージをお願いします。

「時間をかければできる」というのはアマチュアの仕事で、いかに時間をかけずに同質のものを届けるかがプロの仕事だと考えています。その意識をもって仕事に臨むか否かで、2年後3年後に差がつくのだと思います。もちろん現場に入れば厳しく言われるんでしょうけどね。 うちは基本的に残業禁止の会社なので、そういった時間と仕事のバランスには特に気を配っています。 でも、私はなかなかキツく言えないので、遅れ気味のプロジェクトも…(苦笑)。

最初にイメージをしっかり持って仕事を始めないと、仕事っていつまで経っても終わらないんですよね。ラフイメージというか設計というか。営業の仕事も同じなんですけど、「こう言って、こうやって」というシミュレーションがしっかりできて初めて客先でちゃんとお話ができるんです。経験を積んでいくと、自分の中に引き出しがたくさんできてきて臨機応変に対応できるようになるのですが、最初はそれがないじゃないですか。そこでどうするかというと、仕事前にいっっっぱいシミュレーションするんですよ。それの繰り返しだと思います。 作業に入る前に、その仕事について自分の中でしっかりと考えて作業に入れば無駄な作業がない。シミュレーションの時点で疑問点や不安点を上司なりクライアントなりに聞くなどして解決していると仕事の質や効率はぐっと上がります。

これは私の持論なんですが、仕事をする際には「仕事の時間」と「仕事の準備時間」があります。営業マンだったら、純粋な仕事の時間はお客さんとの面談の時間。面談前の、資料を作ったり計画練ったり日報書いたりは準備の時間。これを意識せず、準備ばかりに時間をかけていると、面談時間や面談件数が削られてコンスタントな数字は取れませんしね。 一生懸命仕事をしていたら引き出しは自ずと増えていきますから、準備の効率も上がり、結果も出せるようになるのではないでしょうか。

●運営サイト「九州うまか野菜」 http://www.umaka-yasai.com

●九州うまか野菜Facebookページ https://www.facebook.com/umaka.yasai

取材日:2014年3月20日

ビズ・リファイン株式会社

  • 代表取締役:中村孝浩
  • 設立年月:2013年2月
  • 事業内容:
    • システム開発
    • WEBサイト運営
    • WEBサイト制作
    • WEBシステム開発
    • デザイン制作
    • 業務コンサルティング
  • 所在地:〒810-0001 福岡県福岡市中央区天神4丁目5-10-906
  • TEL:092-791-4664/FAX:092-791-4663
  • URL:http://bizrefine.co.jp/
  • お問い合わせ先:上記HPの「お問い合わせ」より
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