企業を支える真のプラットフォームを創り日本・世界・社会の発展に貢献したい
- 福岡
- 株式会社ディーノシステム 代表取締役 中島一明氏
自分の力で何かを創造すべく、起業家を志す
中島さんは、もともと起業に興味があったのでしょうか?
はい、中学生くらいから、起業家になりたいと考えていました。父が読書家だったため自宅に本がたくさんある環境で育ち、私自身はビジネス書や哲学書をよく読んでいました。また、とても努力家の姉のおかげで、努力することの大切さを身近で感じていました。そうして、自分の力で何かを創っていくような生き方がしたい、つまり事業をしたいと思うようになったのです。
中学生で起業家を志したというのは、かなり早いですね。
そのためには早く社会に出て働こうと考え、高校を中退した後、土木会社や飛び込み営業、引越業者などを経験しました。そして、ソフトバンクの孫正義社長は大学時代に1日1個特許のアイデアを考え、その特許を大きな会社に売って起業の軍資金にしたと知り、憧れました。私も何かに挑戦したいと思い、19歳で仕事をやめ、見聞を広めるために世界一周30か国の旅に出たのです。そして、1日1枚ビジネスプランを書くことを自分に課し、200枚ほどたまったところで帰国。パスポートを盗まれるなど大変な目にも遭いましたが、世界遺産を見て回り、様々な文化にふれる貴重な経験ができて、いろいろ考える機会になりました。そして21歳の時、3人で当社を設立しました。
個人的に始めた経営者への取材が、仕事に発展
初めはどんな事業を手がけたのですか?
起業直後はITコンテンツ事業という方向性で、数えきれないほどの事業をやってみましたが、どれもうまくいきませんでした。200ものビジネスプランがあるものの、思ったようにいかず、暗中模索の日々。その状況を突破すべく考えたのが、実際に経営をしている先輩方から話を聞き、経営のノウハウや成功の秘訣を勉強させてもらおうということ。経営者の集まりに顔を出し、話を聞かせてくださいとお願いしました。今思えば、若さが武器だったと思います。まだ21、22歳でしたから、おかげさまで社長さんたちによくしていただきました。
とにかく学びたいという中島さんの熱意に、社長たちが応えてくれたのですね。
本当にありがたかったですね。会社の規模や業界を問わず、いろんな社長さんからお話を伺いました。そのうち、自分だけで話を聞くのはもったいないと感じ、カメラを回して動画を撮り始めました。当時はこれがビジネスになるとは全く思っておらず、100社ほど無料で撮りました。そして、その動画を集めて公開したのが「福岡の社長.com」という媒体でした。すると、「お金を払うので取材してほしい」「撮影してほしい」というお声をいただくようになり、ビジネスへと発展していきました。それが現在、当社の主軸事業となっている「日本の社長.tv」です。
「日本の社長.tv」にかける想いを教えてください。
数百人にのぼる経営者を取材する中で、地域にはこんなに素晴らしい中小企業がたくさんあるにも関わらず、学生やメディア、企業などに存在や想いを知られていないことを非常に残念に感じました。 「日本の社長.tv」は、いわば企業インフラです。「日本の社長.tv」を通して、企業は継続的にリアルなメッセージを世界へ向けて発信することで、多くのことを実現できると考えています。例えば、社長自ら会社のことを語り、それに賛同してくれる人材が集まる。つまり企業といい人材が出会う場となり、現在、中小企業が直面している後継者問題を解決する一助にもなるかもしれません。また、企業の売上やイメージアップはもちろん、業種や地域を超えて企業トップ同士が出会い、新しいビジネスが生まれるきっかけにもなります。また、「日本の社長.tv」に出演している社長同士の交流の場として、「社長会」も開催しています。
なるほど、実に多くの可能性を秘めた事業ですね。
私たちが創りたいのは、ビジネスにおける真のプラットフォームです。インターネットについて考えてみると、グーグルが検索のプラットフォームをつくり、Facebookによって人と人とがつながるプラットフォームが整いました。個人の趣味やエンターテイメントで世界がつながるものはあるけれど、実はビジネスで使えるためのプラットフォームは日本中を見渡してもまだ存在しないと思い、この事業に踏み切りました。 さらに、社長だけではなく、知事や学長などの取材も行っています。いろんな人・モノ・コトが出会い、どんどんつながる場を生み出していきたいですね。
世界の会社をつなげるプラットフォームを構築したい
御社の強みは、どこにあるのでしょうか?
長期的なスパンで物事を捉え、コツコツやっていることです。IT業界というのは、FacebookやLINEなどでわかるように、短期的にワッと仕掛けて盛り上がる傾向があると思います。しかし当社は、地道にアナログで地域にネットワークを広げ、世の中の役に立ち、世の中を変えられる事業モデルを展開しており、そのために投資しているという自負があります。
今後の展望を聞かせてください。
当社は2008年に福岡で「福岡の社長.tv」を開局し、2011年から全国の代理店と提携して全国展開をスタート。これまで41都道府県、5400社以上を取材して掲載してきました。基本的に現地でインタビュアーとカメラマンが取材をして、撮影した動画や写真は福岡の本社で編集しています。 私たちが福岡県で「福岡の社長.tv」を地道に育ててきたのと同じように、各県単位で地域に根ざした企業に「日本の社長.tv」を育てていただきたい。この仕組みを広げて、大規模な経営者のネットワークを構築していきます。
具体的な目標はありますか?
まずは数年以内に、「日本の社長.tv」に国内10万社を掲載するのが目標です。その先の5年で、同じ事業を世界10か国で立ち上げたいと考えています。各国の「社長.tv」は、それぞれの国の言語で見られるようにして、世界中の会社をつなぐプラットフォームを確立するというビジョンがあります。「世界の社長.tv」がきっかけで、国境を越えて、あらゆる企業がつながっていくとうれしいですね。 求人サイトでは、「私たちと世界を変えませんか?」というような言葉をよく見かけますが、私たちはこの事業によって、本当の意味で世界を変えられる、日本や世界、社会の発展に貢献できると確信しています。
常日頃から、きちんと自分の頭で考えることが大切
最後に、中島さんが一緒に働きたいと思うクリエイター像を教えてください。
優秀なクリエイターというのは、相手の気持ちがわかる人だと私は思います。自分の作品や表現をことさらにアピールする人がいますが、それは趣味の世界。クリエイターに求められているのは、顧客、市場、世の中に何が必要とされているのかを察知し、それを創り上げる力です。それができる方と一緒に仕事をしたいですね。
そうなるためには、どんなことを心がけたらいいでしょう?
ただ漫然と日々を過ごすのではなく、広く世間で支持されているものを日常生活の中で観察したり使ったりしてみて、なぜ人気があるのか、自分なりに考え分析するクセをつけましょう。私の座右の銘は「脳みそは筋肉である」。常に貪欲に学び、自分で考える姿勢が何より大事だと考えています。
取材日:2014年8月12日
株式会社ディーノシステム
- 代表取締役:中島一明(なかじまかずあき)
- 設立年月:2007年3月
- 資本金:1億2,107万円
- 事業内容:メディア運営事業、映像制作事業、PRコンサルティング事業
- 本社所在地:〒812-0016 福岡市博多区博多駅南1-3-6 第三博多偕成ビル6F
- TEL:092-409-4845
- FAX:092-409-4849
- URL:http://d-nuo.co.jp