ネット印刷業界の開拓者が提供するデザイン制作パッケージ印刷サービスとは
- 福岡
- 株式会社ディーピーブレインズ 代表取締役 槇埜英彦氏
「印刷だけでなくデザインも頼みたい」 顧客の声がきっかけに
ネット印刷通販事業をはじめたきっかけを教えてください。
以前勤めていた会社の先輩からヒントをもらいました。 ネット印刷通販事業のコンサルをされている方なのですが、 「ネット印刷の通販をやっている会社は多いけれど、デザインから請け負ってくれるところは少ない。でも、お客さまからのニーズはある。だったら槇埜のところでやったらどう?」と話をいただいて。
槇埜代表はもともとデザインをされていらしたのですか?
いいえ、私はデザインにはほぼ携わらないんです。コンサルティングやシステム開発が本業で、不動産サイトの物件検索システムなどを開発したりしていました。 実は、私の父がデザイン会社を経営していたので、その一部門としてネット印刷通販サービス『デザプリン』の事業を始めたんです。 ただ、父の会社のデザイン事業と『デザプリン』では、事業内容の毛色が違うこともあり、分社独立して現在に至ります。
『デザプリン』を立ち上げられたのが約8年前。 ネット印刷通販の黎明期ですね。
ネット印刷通販業界がどんどん伸びている時期でした。 以前にネット印刷通販のWebシステム開発のお手伝いをさせていただいていたのですが、スタート当初は売り上げはほぼ0だったのに、倍々で売り上げが伸びていき、正直驚いたのを覚えています。
その時代は、デザインから印刷までを請負っているサービスはなかったのですか?
私たちが始めた頃、そういったサービスは無かったでしょうね。 「デザインと一緒に印刷もこちらでやりますよ。ご相談ください」といったデザイン会社はあったでしょうけれども、デザインと印刷をパッケージ化して、部数毎の価格表を提示していたところはほぼなかったはずです。
電話やメールでのやりとりで お客様のニーズをくみ取る
今ではネット印刷通販もだいぶ一般普及しましたよね
そうですね。昔は専用のDTPソフトで完全データを作らないと印刷してもらえませんでしたが、今ではワードのデータでも受け付けるようになっていますしね。印刷物を作る、ということにおいて敷居は下がってきたと思います。
ある意味、お客様自身が印刷データを用意できる時代になってきたという事ですね。 そんな中、デザインから印刷までを請負う『デザプリン』の強みは?
「印刷物を作る」というのはお客様にとっての「問題解決の手段」なんです。 お客様がそこで「何を解決しようとしているのか」をくみ取り、デザインという形でその答えを出すことが私たちの役割であり、強みだと考えています。
では、『デザプリン』の運営で一番重要だと考えるポイントは?
直接お会いしたことのないお客様とのコミュニケーションをどうしていくか、という点ですね。通常のデザイン事務所だと、お客様の所へ足を運んで、顔を突き合わせて、しっかりと印刷物のデザイン制作に対する打ち合わせ・コミュニケーションを重ねます。弊社ではこのやりとりの全てを電話・メールにて行うわけですから、基本お会いしたことのないお客様ばかりなんです。
電話やメールだけで、デザインの打合せができるのでしょうか?
「できるわけがない」と、思われがちなのですが……できるんです(笑)。 実際、これまでのお取引でも、小さな修正はあっても「作り直せ」ということにはほとんどなっていません。 むしろ「期待以上だった!」とご好評いただき、口コミで新規のお客様を紹介してくださることも多いんですよ。
それは嬉しいですね。
おかげさまで『デザプリン』の宣伝はあまりしていないんですよ。リスティング広告を少ししているくらいでしょうか。
デザイナーの資質や受注の波に左右されない 「デザインのテンプレート化」にトライしたい
今後、『デザプリン』での新しい展開などありますか
いわゆる、テンプレートを使ったデザインサービスをやりたいと思っているんです。 ただ、デザイン制作ってテンプレートを作るのが難しいんですよね。訴求する内容によってアプローチの仕方が違いますから。 汎用的なテンプレートを作ることはなかなかできませんが、業界別に絞れば、と。
例えばどのような?
そうですね。例えば飲食店でいうと、印刷物が必要になるのは、メニュー作成や告知チラシが必要な開店時と、忘年会などのシーズン物などに限られてきます。印刷物のパターンがあるのであれば、それに合ったテンプレートを各種作っていけばいい。テンプレートを使えば、お客様には、安く・早く印刷物を届けられますし、我々としてもマンパワーの削減ができますよね。
デザインから請け負われる御社にとって、デザイナーの確保は課題になっているのでしょうか?
デザインの仕事は専門的なので、受注量が増えるほどデザイナーも増やさなくてはいけないですよね。 ただ、印刷物の受注には波もあり、波の高いところに基準を合わせて採用すると利益を出しにくいし、低いところに合わせても業務が追いつかない。そこが今の課題なんです。
テンプレート化はデザイナー確保の解決にもつながると。
そうですね。それに、デザインのスキルは個人に身に付くものであって、会社として同じスキルや品質を長く維持することは非常に難しいと思うんです。ですから、受注の波やデザイナー個人の能力に左右されないシステムを作るためにも、テンプレート化は有効だと思っています。 また、デザインは主観ですから、同じデザインでも良いと思うお客様と良くないと思うお客様がいて、顧客満足にも差がでてしまう。顧客満足の安定という意味でも、テンプレートを活用していきたいですね。
コンサルタントご出身ならではの視点ですね。
『デザプリン』における「営業マン」は「オートメーション化されたWebサイト」なんです。お客様をきちんとご案内できるシステムがあれば、受注はサイトで出来る。お客様の期待に応える印刷物を納品できれば、口コミで受注も増えていきます。 同様に、デザインのような専門的な領域こそ、敷居を下げていかないと発展しないと考えているんです。 ですから『デザプリン』では、賞を取るようなデザインを世に送り出すことを目指してはいません。気軽に発注できるサービスと、受注に耐えうる企業の仕組み、そういったシステムを模索している途中ですね。テンプレート化以外にも色々と考えてやってみる予定です。Webのいいところは、気軽にトライアンドエラーを試せるっていうところですから(笑)。
クリエイターに大切にしてほしいのは “対人感受性”
槇埜代表が業務において一番大切にしていることは?
弊社では、『デザプリン』の他に、Web企画制作の事業も行っているのですが、 Webの仕事でも、DTPの仕事でも、「お客様が抱えている課題をどう解決するか」というところが一番大事だと私は考えています。極端な話、「Webを作りたい」とお客様に声をかけていただいても、お客様の課題がそこで解決できないようであれば「今作る必要ないんじゃないですか?」と言ってしまいます(笑)。 先ほどもお話ししましたが、Web制作もデザイン印刷物もあくまで「手段」です。 相談いただいたことについて、課題解決のためのきちっとした答えを出すことを、常に意識しています。
実際、お客様先を訪問しても 「パソコンの使い方を教えてほしい」とか「ウィルス対策ソフトはなにがオススメですか?」なんて質問も頂くんですよ。 「営業」というより、「何でも係」のような感じですが(笑)。そうやって、期待して、頼っていただけるのがうれしいですね。
代表のお人柄がうかがえますね。 最後に、若手クリエイターにアドバイスを頂けますか?
この業界では技術を追う事はもちろん大切なのですが、それに加えてコミュニケーション能力が必要だと思っています。どんなに技術があってもコミュニケーション能力がなければ仕事はうまくいかないことが多いです。ヒアリングがきちんとできないと、顧客の問題解決に繋がる制作はできませんしね。
私自身、コンサルタント時代に、「対人感受性」というものを厳しく教えられました。 「相手が何を考えているか」「相手が自分の発言をどう捉えるのか?」、そういったことをきちんと把握する能力です。 私自身、長くお付き合いさせてもらっているクリエイターさんたちは対人感受性の高い方が多いです。 技術とコミュニケーション能力(対人感受性)の両輪がそろった人は本当に強いですよ。
取材日:2015年2月18日
会社名 株式会社ディーピーブレインズ
- 代表取締役:槇埜 英彦
- 設立年月日:2008年9月
- 資本金:50万円
- 事業内容: グラフィックデザインの企画、立案等製作全般 コンピューターソフトウェアに関する開発、製作、販売、賃貸、保守管理及びこれらに関するコンサルティング
- 所在地: 〒812-0013 福岡市博多区博多駅東3丁目1-4タカ福岡ビル3F
- TEL:092-481-1666
- FAX:092-409-1125
- URL: ▼デザプリン http://www.dezaprin.com
- お問い合わせ:info@dezaprin.com