最新技術を積極的に取り入れた「開発」に自身あり インターネットがもっと面白くなるサービスを提供したい
- 京都
- 株式会社スプーキーズ 代表取締役 西塚育郎 氏
元々興味があったIT業界 追い風を感じ大手企業を辞めて3人で独立
起業されたきっかけやその想いについてお聞かせください。
私が大学を卒業した2000年は、ちょうどITバブルと呼ばれていた頃で、就職氷河期でもありました。急激にネットが流行ってきた時代で 、その時代の影響も受けつつ、興味があっていつか起業したいと常々思っていました。大学卒業後は、大手IT企業で6年ほどサラリーマンをしていましたが、起業したいという話は友人とよくしていました。私自身アイデアもあったので、西村(現・取締役)と今はいないもう1名の友人(現・某ゲーム会社勤務)と私の3人で、2005年くらいから1年間ほどアイデアを練りながら始めました。
独立に向けて準備されていたんですね。例えば、どのようなアイデアがあったのでしょうか。
その時は「ガチャスポ」というアマチュア野球選手のスポーツ成績管理サイトのようなアイデアを出して、それを草野球チームやオリックス(球団)に持って行く等、色々チャレンジしていました。それである程度仕事の目処がついたので、2006年に勤めていた会社を辞めて起業したという感じですね。当時29歳でした。
社内の9割がエンジニア 最新技術を取り入れた"開発"に自信あり
事業内容についてお聞かせください。
元々はネット上でコンシューマー向けサービスをやりたいということで、年に1〜2回くらい、例えば、スマートフォンのゲームを作ったり、本も書いたりするなどチャレンジしてきました。5年前くらいからソーシャルゲームに力を入れて、自社では3タイトル出しています。今は受託でDeNA様をはじめ大手ゲーム会社様のゲームを代わりに開発・運営しています。 あと、中小企業等直接クライアントのお客様に関しては、こういうシステムがいいんじゃないかという提案もしています。そこから作る方につなげている部分もありますね。
なるほど。とくにここは他社には負けないという御社の強みは何ですか?
元々エンジニア3人で始めて、今はアルバイトも含めると15人くらいの会社になりましたが、9割くらいがエンジニアなので、開発に関してはかなり特化している自信があります。新しい技術のトレンドは常に吸収して、素早く良いものを出すということをポリシーとしてやっています。 おかげさまで、大手ゲーム会社とやっている仕事はプラットフォームでは1番のタイトルになっています。
ゲームのアイデアはどのように浮かんでくるものなのでしょうか?
例えば、アイデア発表会や社内コンペを開催して、今までに何点か、自分たちで企画して面白かったものをサービス化してみたこともありました。 あとは、技術的な勉強会というのも頻繁に開催しています。最新のトレンド技術をみんなで紹介しあって使ってみたり、作ってみたBotを発表したり。 アイデアを出しやすい場として、昨年くらいから東京と京都のメンバー合同で3日間の合宿を開催しています。前々回は沖縄、前回は和歌山で開催しました。3日間みんなでアイデアを出し合ってゲームやアプリを作るというアウトプットの作業をしました。それを元に新規開発をすることもあります。
アイデアを持ち寄って開発につなげるというイメージですね。皆さん常にアンテナを張り巡らせている感じですか?
そうですね。今こういうゲーム、こういうものが流行っているから、じゃあこれをやった方がいいんじゃないかというのは常に考えるようにしていますね。私だけではなく、社内のみんながそうだと思います。
会社員時代に培った管理知識で 時間管理と成果を重要視したワークスタイル
ゲームのプログラミングの面白さや、こだわっていることはどんなことでしょうか?
社内システムのプログラムをしていた時よりも、新しい技術を常に取り入れていける楽しさがありますね。とくに自社サービスについては、使う技術等は全部自由なので、今いちばん流行っているものを取り入れたり、やったことのないものにチャレンジしたりしています。社内システムだと言語はjavaで……等の制約がありますが、今は全部無料で新しいものを安く取り入れて、よりよいものを作ることができる時代ですので。
お仕事をされる中で、心がけていることはありますか?
ゲーム業界やコンシューマー向けにはめずらしく、管理重視でやっているところでしょうか。 会社員時代にフィロソフィ研修(経営哲学研修)で、グループリーダーとして毎月の売り上げの管理や採算を月次で発表しなければならなかったんです。今月の売り上げについて2,000万達成しないといけないところ、まだ1,800万だとしたら、どうやってあと200万円を達成させるのかを発表します。そういう経験が土台にあるからだと思います。 ゲーム会社ってルーズなところがあって、ヒットメーカーがガツンと当たればいいのですが、当たらないとどんどん潰れていくんですよね。そういう意味では、弊社では成果を重要視したり、細かい時間管理というのを意識してやっています。
納期が短いお仕事もあるかと思いますが、苦労されている点はどんなことでしょうか?
ゲームはとくに短納期であること、リソースに対して仕事量が多いので、常に人を探しています。あとは教育です。新しいメンバーを入れても、イメージ通りに成果を出すことが難しく、私が相当厳しいこともあると思いますが、残念ながら辞めてしまう人もいます。 今、アルバイトが東京と京都に4人ずついますが、積極的に社員登用しています。今の社員のうち二人はアルバイトから採用しました。
アルバイトから社員に。つまり、人材が育っているということですよね。
そうですね。かなり私のスパルタに耐えてくれています……。勤続1〜2年くらいですが、自分たちがサラリーマンをしていた時の4〜5年分くらいの力はあると思うので、どこに行っても活躍できると思います。あとは仕事量がすごいので、自然と鍛えられているのではないでしょうか。
今後も可能性が広がるIT業界 チャレンジし甲斐がある面白さ
今後のIT業界の可能性についてはどのようにお考えでしょうか?
弊社は元々、ウェブページや社内システム等からスタートしているのですが、コンシューマー向けゲーム、スマートフォンのアプリ等も始めて、今後もっと広がっていくと思います。家電のIoTとか車の自動運転、農業等、今まで人がしてきたことがプログラムに置き換えられていくわけですから、技術もいちばん面白くなっていく分野だと思います。実感として、起業した10年前に比べてもチャレンジできるところは多くなったと思いますね。
アイデア一つで切り拓けるやりがいがありますよね。逆に、難しいところはどんなところですか?
会社として難しいと思うのは、新規の自社サービスで大きな利益を上げるというところです。トレンドをいかに早くキャッチして、そこに自分たちの思いやアイデアを入れて収益を上げられるかです。チャレンジし甲斐があるので、意欲的にやっています。
アイデアはもちろん成果にもこだわって 軸となるような自社の新サービスを作りたい
今後、一緒に働いていきたいと思われる人物像についてお聞かせください。
言われたことをやるだけとか、自分が出来ることだけしかやらないというのではなく、技術的に新しいものを常に取り入れて使うこと、新しいサービスを考えることが好きな人がいいと思いますね。 「仕事を取ってから出来るようにする」することもあります。 技術的な面でいうと、本当に出来ないことはあまりないので、新しいことにチャレンジできて、かつ、成果にこだわるメンバーがいいですね。「アイデアがあります!」って簡単に手を挙げて、責任を持たない人もたまにいますが、弊社では通用しません。
アイデアを出すだけでなく、責任を持って成果にもこだわる。
お金とかも、単純に給与だけというよりは、これだけ成果を出したらこれだけ売り上げが上がるというのがコミットされていれば、それに向かってチャレンジできると思うんです。今あるものが楽しければいいということではなく、明確な目標がないと強いモチベーションになりにくいと思います。社内のメンバーも、いずれ自分でやれるような力をつけていって欲しいと思いますね。
今後の展望についてお聞かせください。
自社のサービスで軸となるようなロングセラーのサービスを作っていきたいと思います。 ちょうど今、大型のゲームを2本運営しているのですが、新規のゲームとネットのサービスをそれぞれ1本ずつ社内で作っています。だいぶ出来上がってきているので、あとはどう見せるか、どうセールスしていくかということを考えていく段階です。 まずはこれらのゲームに注力してロングセラーのサービスに育てていきたいと考えています。
取材日:2016年11月15日 ライター:垣貫由衣
株式会社スプーキーズ
- 代表者名: 代表取締役社長 西塚育郎(にしづか いくろう)
- 設立年月: 2006年9月
- 資本金: 3,500,000円
- 事業内容: インターネットサービス事業、システムコンサルティング、システムインテグレーション事業
- 所在地: 本社 〒600-8091 京都府京都市下京区元悪王子町46-1 ビル稲葉2F 東京オフィス 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前6-19-16 越一ビル606
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