小学生の頃からコンピューター好き インフラ管理から現在はシステム開発に従事
- 京都
- 株式会社クーネスト 代表取締役 清本 秀樹 氏
小学生の頃からコンピューター好き インフラ管理から現在はシステム開発に従事
起業された経緯についてお聞かせください。
元々、ウェブのシステム開発の会社に所属していて、その中でもインフラと呼ばれるサーバーの管理やネットワークの構築を担当していました。業務を行う中で、もっと顧客目線に立ったサービスを展開していきたいと考えることが増え、同じような意識を持った会社のメンバーで独立し、2014年にクーネストを立ち上げ、代表取締役に就任しました。
元々、システム開発に興味を持たれていたのですか?
そうですね。小学生の頃からコンピューターが好きでした。簡単に言えばパソコンオタクです。専門学校の情報科学科で学んで、そのまま開発関連の会社に勤めました。
御社の事業内容についてお聞かせください。
よくウェブの制作とお伝えしているのですが、ウェブの中でもシステム開発(ウェブの制作工程の中で、デザインやコーディングを除いたプログラミングの部分)をメインにやっています。最近は特にECサイトの構築が増えてきています。 一昔前のホームページは情報が変化しない静的なものが多かったのですが、昨今のホームページは管理者が自身で情報を変更するためのシステムが導入されているのが一般的です。特にECサイトはシステムを導入しなければ効率的な運営ができませんので、企画・設計段階でどのようなシステムを導入するのか綿密に検討する必要があります。このようなシステム導入が必要なホームページやECサイトの立ち上げを検討しているお客様をお手伝いするのが当社の事業の柱です。
お客様の要望に応じて 商品の見つけやすさ、見せ方にこだわる
ECサイトを通じてお客様が実際に商品をご覧になるにあたって、心がけていらっしゃる点はありますか?
お客様はシステムの中身については追及しませんが、エンドユーザーに対して商品をどのように見せるかというところにこだわりを持っている方が多いです。どう見せるかということも大事ですが、それよりどうやって欲しいものを探し出せるか、見つけやすくするかというところは気を付ける必要がありますね。「カテゴリ分け」という言い方をするのですが、大手のショッピングサイトだとブランド別、色別、サイズ別等さまざまなパターンで見つけやすいように工夫されています。お客様の要望に応じて、それをシステム化しています。
実際に商品を手に取って見られない分、お客様も購入は慎重になりますよね。
そうですね。例えばアパレルだったら実際にモデルさんが着た写真を、自動車の部品だったら自動車に実際に部品を取り付けて撮った写真を掲載して、お客様がイメージしやすいように工夫して見せることが大事です。また場合によっては動画も掲載できるようにします。
お客様はどういったジャンルの方が多いですか?
とくに偏ったものはなくさまざまです。アパレルもあれば自動車部品もありますし、変わった所では、体験型のイベント(気球に乗る、急流下り等)の予約サイトなどもあります。
京都で最初のEC-CUBE B2B認定制作会社 営業と宣伝を兼ねた戦略で認知度アップ
EC-CUBEによるECサイトの構築を行っているとのことですが、EC-CUBEの特長について教えてください。
EC-CUBEは独自性の高いECサイト構築を支援するオープンソースのプログラムで、ECサイトを作るための基本機能が揃っているため、一から全て作るよりも開発コストが押さえられお客様の負担が減ります。また、お客様の商習慣や業務に合わせてカスタマイズできることも特長ですね。このような特長から、国内では一番実績のあるECサイト構築パッケージとして認知されています。
御社は、京都で最初のEC-CUBE B2B認定制作会社ということですが、認定制作会社になるためには、どんな条件があるのですか?
特別な条件は必要ありません。申請時に作成するヒアリングシートを記入するための、若干の技術的知識があれば問題ありません。大切なのは認定後の取り組みです。EC-CUBE B2Bはまだ出来たばかりのパッケージですので、お客様のニーズに合わせてブラッシュアップしていく必要があります。そのために私たち現場のエンジニアの経験を、EC-CUBEの開発元に届ける姿勢が必要です。
認定を受けられているという点で、どのようなメリットがありますか?
前述したとおり、EC-CUBEはこの業界では非常に認知度が高いパッケージです。そのため、認定制作会社になることで、当社への信頼性が高まり、結果的にお客様が安心してご依頼いただける効果があるのではないでしょうか。
ここ2年で急増した越境EC 国内と海外の違いに配慮して快適なサイトを作る
ホームページを拝見しましたが、越境ECに力を入れていらっしゃるそうですね。
はい。越境ECは、国境を越えて取引するECサイトです。元々市場としてはあったのですが、ネット経由での販売手段がなかったので、そういうところに目を付けて、越境ECのサイトを作りたいというお客様が急増しています。自社の商品を世界に発信したいとか、日本国内でしか手に入らない商品を海外に向けて販売したいという方ですね。3〜4年前は全く聞かなかったのですが、ここ2年ほどで増えてきて、弊社では、2〜3割くらいを占めています。
実際に海外向けのECサイトを作られる際は、言語等はどうされるんですか?
基本的には、英語が多いですが、その他の言語については、翻訳された内容をお客様にご用意いただいて、それに合わせて作るようにしています。言語によって、直訳すると全然意味が通じなくなったり、表現の仕方もさまざまなので、場合によっては掲載するページの内容まで考えます。
なるほど。言語以外で国内向けと海外向けの違いはどんなところですか?
通貨や、インターネットがどれだけ整備されているかが国によってかなり違います。日本や韓国ですとインターネットの通信速度が速いので、たくさん画像が使われていても快適に表示されますが、地域によっては通信速度が遅いところもあるので、意識して画像の量やサイズを抑えたり、文字を中心に説明したりという配慮が必要になってきます。 あとは、購入されるお客様の国によって、商習慣や問い合わせの内容もだいぶ違いますね。すぐに返品したがるとか、中には、ECサイトなのに値引き交渉してくるとか。お客様の要望によって、事前にサイトの中で、値引きや返品には応じないといった注意書きをして対応することもあります。
ECサイト運営のノウハウを蓄積して より使いやすいものをお客様に提供したい
清本さんがこのお仕事をされていて、やりがいを感じられるのはどんなところですか?
やはり、制作したサイト等のシステムを納品した後にお客様に喜んでいただけるところですね。納品まで何度も繰り返しお客様と打ち合わせをして、一緒に作り上げていくイメージです。最初はお客様のイメージはどうしてもふんわりしていることが多いのですが、途中まで作り上げて経過を見せていくと、ああしたい。こうしたい。という具体的なご要望が出てくるんですね。そこを調整していく感じです。
今後の展望についてお聞かせください。
将来的に、弊社でもECサイトを立ち上げて物を販売することによって、運営のノウハウを蓄積していきたいです。実際にECサイトを運営することによって、足りないところや、必要なところを研究して、よりよいものをお客様に提供していきたいと考えています。これまでは、お客様の要望に合わせて作ってきましたが、今後は、これまでの実績を生かしもっと自発的かつ積極的に、こちらから「こうした方がいいですよ」とお客様の立場を考えて提案しながら作れればと思います。
取材日:2016年12月13日 ライター:垣貫由衣
株式会社クーネスト
- 代表者名:代表取締役 清本秀樹(きよもと ひでき)
- 設立年月:2014年7月17日
- 資本金:4,000,000円
- 事業内容:ECサイト構築、WEBシステム開発
- 所在地:〒604-8812 京都府京都市中京区壬生相合町67-1 UN301
- URL:http://www.qoonest.co.jp
- お問い合わせ先:TEL 075-468-1243