無理に媚びない方がいい クリエイターたちよ、ダメでも何とかなる!
- 名古屋
- 株式会社デック 代表取締役 大屋慶太氏
ニートになっていたかもしれない 「たまたま」でスタートしたデザイン会社
Webデザインの仕事をすることになったきっかけを教えてください。
芸大卒業後、大手通信会社の系列会社勤務を経て、印刷会社で大手自動車メーカーのHP運用を5年ほど経験しました。リコール情報や新しい情報を形に沿ってはめていくような仕事です。俺、こんなもんじゃない!もっとおもしろいことできるのに…と思っていました。当時は、そんなこと言えなかったんですけどね。その後そこを退社して、30歳でフリーランスのデザイナーとして独立しました。
小さい頃からの夢でしたか?
いいえ(笑)。いじめられっ子だったので、“いじめられない世界”というのが小さい頃の夢でしたね。学校を辞めたいって思っていましたし、ニートになっていたかもしれない。デザインをしているのは、たまたまですよ。「モンスターハンター」が好きで、ゲームばっかりやってたんですね。以前の職場では、もともとDTPをやるはずだったんですけど、ゲームが好きと言ったら何を勘違いされたのか「じゃ、お前はWebをやれ」という話になったんです。
そこから独立されて、会社を設立された経緯は?
当時、会社法が改定されたばかりで、資本金1円あれば、誰でも株式会社が設立できたんです。会社を作った方が得なのか、やってみないと分からない。誰かやってみよう。で、フリーランス仲間の飲みの場でジャンケンに負けて今に至るという「できちゃった法人」です。
設立から8年経ちました。仕事も増えて順調ですね。
そうですね。現在、7名の社員に加えて、うちの親父に週1で手伝ってもらっています。Webの仕事が中心で、他に、紙媒体のデザインや企業ブランディング、映像、スマホのアプリなどの仕事も手掛けるようになりました。
ニッチな世界感で作り上げる 好きな人たちとの深い関わり
社名の由来を教えてください。
トランプです。トランプ1組のことをDeck(デック、デッキ)と言うじゃないですか。遊びだったり、賭け事だったりという意味合いを持たせました。楽しくいきましょう、ということです。
自社HPも、楽しく印象深いです。
ニッチが好きなんですよ。ゲームなら「メタルギアソリッド」。初心者にとっては操作も複雑ですし、とっつきづらい。今、シリーズ5まで出ているんですけど、分かる人には分かるという突き放し感もある。そのあたりに刺されますね。狭く、深い、ある意味一般受けしない世界観に魅かれるんです。
そういった世界観は、会社のコンセプトとも繋がっていますか?
そうですね。「ひとつは毒を入れよう」と思ってやっています。デザインのことだけではなく、企画に対してもですね。時には、HP制作の依頼が来ているのに「HP、いらないんじゃない?」って提案したりもします。
飲みの場が好きということですが、そこから仕事に発展したりも?
もう、そればかりです。酒飲んでたら、「お前、かわいそうだから仕事やるよ」的な。そこから紹介されて繋がっています。もう1人のディレクターは、きちんと営業で仕事を取ってくるんですけどね。
人脈が広いとお伺いしています。人脈作りのコツはあるんでしょうか?
戦略的にはやっていないですね。「人脈」って言葉があんまり好きじゃなくて。嫌いな人は嫌いでいい。無理に媚びない方がいいです。人と繋がっていこう!と思うと、無理しちゃいますよね。自分がいて楽しい人と、ずっといればいいんじゃないかな。その好きな人が、また好きな人を連れてきてくれます。
ダメでも何とかなる!の精神
今後のビジョンを教えてください。
最近、規模を大きくしたいという野望が出てきました。もともと好きな分野ではなかったけれど、今は仕事にハマっているんですよ。誰かと飲んでいて、困っている話が出ると、じゃ、こういうの作ったら?って提案して、実際に作ることができる。そういう流れが好き。ゲームと一緒ですよ。やがてはゲームも手掛けていきたいと思っています。これについては、設立10周年を目指して頑張ります。
最後に、クリエイターに向けてひとことお願いします。
ダメでも何とかなります! もうダメだと思った時は…逃げる。それか、誰かにお願いしましょう。活躍できる場はあります。場所によって人は違うことが出来ると思います。「迷ってないで連絡しろよ」。これ、いいね!
取材日:2014年7月3日
株式会社デック
- 代表取締役:大屋慶太(おおやけいた)
- 設立年月:2006年6月
- 資本金:335万
- 事業内容:WEBサイトの制作など
- 所在地:愛知県名古屋市西区名駅3-7-18
- URL:http://s-deck.jp/
- お問い合わせ先:052-541-6667