WEB・モバイル2013.08.16

日々進化するWEBの世界。 常に新しいドアを開け、 地域や中小企業に貢献してゆきたい。

大阪
株式会社ドアズ 代表取締役 戸田克己氏
 
神戸でWeb制作のインターネット事業部とシルバーアクアクセサリー製造販売を行っている株式会社ドアズ。デジタルとアナログの世界を独自のコンテンツでクリエイトしてきた戸田克己代表取締役。昨年会社設立15周年を迎え、これまでを振り返り、また今後の展望を語っていただきました。

阪神大震災を機に、悔いのない生き方をしようと会社を設立。

どのような経緯で起業されたのですか?

私は大学卒業後、製薬会社で13年勤務しました。テクニカルセールス(技術営業)から後にプロダクトマネージャーになり、臨床化学を専門に分析装置の開発などをしていました。大学生の頃から独立の夢はあったのですが、就職するとそれはそれで仕事はけっこう楽しかったんですね。ところが1995年、あの地震で神戸にあった本社はかなりダメージを受け、私は復旧部隊の陣頭指揮を取っていました。約1年後になんとか会社が元に戻った頃、あの地震でたくさんの方が志半ばで亡くなられたことに想いを馳せ、自分もやり残さないようにしようと…。そして会社を設立する決意をしました。

臨床化学のご専門からなぜWeb制作の会社に?

プロダクトマネージャーをしていたのでプロモーション関係の仕事に携わることもあり、その当時の先輩の友人のグラフィックデザイナーから「戸田くん、これからはWebやで」と言われて、企画資料を見せてもらったら「あっ。これや!」と(笑)。それから独学でWebの勉強をしました。その頃はまだインターネットって?って時代でしたけれど言うたもん勝ちですね。「インターネットの制作会社です」と立ち上げました(笑)。最初は自宅でWebサイトの仕事を始めましたが、仕事はほとんどなく、ダイレクトメールを作ったり、飛び込み営業をしたりしましたが、設立から半年で貯金も底をついてしまいました(苦笑)。でも、不安はまったくなく、辞めた会社から仕事をいただいたり、兵庫県中小企業家同友会に入会してそのつながりから仕事を紹介していただいたりして、初年度の売り上げはなんとか500万円に、それから倍増して1000万円、2000万円、9000万円と増収していきました。

リーマンショック後、経営者として自分自分の見直しを。

これまで会社経営でご苦労されたことはありますか?

リーマンショック前までは人を労働力としてしか見てなかったんですね。徹夜は当たり前で、それに疲弊して社員は辞めて行く。計画的な採用をせず、足らなくなったらまた募集するという感じで。キモチは白なんですが、黒みがかったグレーみたいな会社でした…(苦笑)。

仕事はトップダウンだったのですね?

そうですね。スキルが高ければ仕事として成立する。でも組織としては、それだけでは成立しないんですよね。リーマンショックを機に、お金では買えない価値をいかに見いだせる会社かどうか…。経営者として自分を見直し、企業理念を考えるようになりました。社員主体で自分たちの考える発言できる環境づくりをして、自立型社員になってもらいたいと思ってます。

Webサイトは生き物。固定化されたWebは機能を失っている。どう運用していくかが重要。

現在、たくさんのクライアントさんをとお取引があるようですが。

1度仕事をさせていただくと、長いお付き合いになるクライアントさんが多いです。今の時代、固定化されたWebサイトはほとんど役に立たないですよね。技術も進化しますし、情報も日々新しくなって行く。デバイスがスマホやタブレットになって、まさに24時間情報を共有できるわけですから。企画、制作してWebサイトを立ち上げて終わり、ではないんですよね。その後の運用が大切で、サイトを更新することでそのクライアントさんの成長をお手伝いさせていただています。

Webの制作・運用で心がけていることは?

「誰のためにサイトを作るか」ということですね。もちろんクライアントさんのためなのですが、実際にサイトを利用するのは「クライアントさんのお客様」なわけです。そのユーザーの方に、Webでどのような体験(ユーザーエクスペリエンス)を提供できるのか?という点はとても大切に考えています。

これまで作られたコンテンツでどのようなユーザーエクスペリエンスがありますか?

いろいろ面白いコンテンツは作らせていただいているのですが、関西経済連合会の『関西ビジョン2020』というサイトではWeb上で漫才を取り入れてみました。漫才師はシルエットなんですが、関西の未来のために掲げたテーマをボケとツッコミで掛け合い漫才しながら説明するんですね。漫才師の声は神戸電子専門学校の声優科の学生さんにやってもらいました。このコンテンツは非常に高く評価していただけましたね。

関西経済連合会『関西ビジョン2020』

関西経済連合会『関西ビジョン2020』

デジタルとアナログを神戸から発信する、地域に役立つ会社でありたい。

御社にあるシルバーアクサリー事業部とは?

弊社を創業する前、先輩と一緒に趣味でしていた彫金のシルバーアクセサリーの会社をやろうとしたのですが、店舗を構え在庫を抱えるコスト面で断念したんです。弊社を設立後、1999年にアクセサリー事業を立ち上げました。私が作ったアクセサリーも当初は販売していましたが今ではすっかり廃番です(笑)。デジタルであろうがアナログであろうがクリエイティブな仕事をしたい、買っていただいたお客さまに驚きや感動を与えると言う点では、同じですね。

最後に、戸田社長が目指すドアズの展望を聞かせてください。

社名は私の戸田から由来しているのですが、先輩からもらった英語の詩に「新しいドアを開け続ける」という内容のとても気に入った詩がありドアズとしました。日々進化するウェブイノベーションに対応できるWeb制作会社であるのはもちろんですが、設立20年に向け、これからも新しいドアを開け、神戸の中小企業として、地域に貢献できる会社、必要とされる会社でありたと思っています。

取材日:2013年6月28日

株式会社ドアズ

  • 代表:戸田克己
  • 設立:1997年4月4日
  • 資本金:10,000,000円
  • 事業内容:インターネット事業部/Webサイト総合プロデュース、企画・制作 アクセサリー事業部/オリジナルアクセサリーの制作、販売
  • 所在地:神戸市中央区琴ノ緒町1-6-5
  • TEL:078-262-6081
  • FAX:078-262-6082
  • URL:http://dis.ne.jp/
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