デザインは経営戦略のひとつ。 「売れる」デザインを論理的に構築。

大阪
株式会社アイディーエイ 大阪支社支社長 西江順也氏
 
本社は岡山、東京・大阪に支社を置き、シンガポールに関連会社を持ち、ボーダーレスに仕事を繰り広げる株式会社アイディーエイ。今回は大阪支社支社長の西江順也氏に、アイディーエイの経営戦略と長年の経験と実績から培ってきたデザインの力、可能性について語っていただきました。

“売れる”クリエイティブを提供したい。

この春、新しいCIを発表されましたが、その準備に約3年かけられたそうですね?

本来、CIやVIと言うものは最終的にはアウトプットになってマークやビジュアルになるのですが、そこに到達するには現状の問題点を洗い出して解決すると言うのが一番重要なんですね。10年先の経営を見据えてわれわれが差別化したデザイン会社になるためには、と言うことを鑑みるとお客さんや家族、協力会社の声を聞くことからスタートして、新しい戦略を導き出すまで約3年と言う時間がかかったわけですね。

御社が提唱するデザインマネジメントを実践されたわけですね。

そうですね。デザインマネジメントは、あらゆる問題解決や目標達成のための戦略です。弊社はパッケージデザインからスタートした会社なんですが、パッケージは商品の売り上げにデザインの評価が直結するんですね。同じ商品でもパッケージのデザインを変えただけで売り上げが倍増する一方で、いいデザインでも売り上げに結びつかない場合があります。デザイン力と商品力と営業力、この基本的な3つのチカラが集結して初めて売り上げに結びつく。創業者である井上が、デザインマネジメントと言う考え方を持ったわけです。 現在では、媒体やジャンルを超えて、デザインコンサルティングと言う事業を展開しています。

デザイナーの社会的地位の向上、それがIDAの使命。

IDAではデザイナーはデザインするだけが仕事ではないと?

20代、30代を感覚やスキルだけで仕事をしてきたデザイナーが40代、50代になって食べていけないと言う現実を数多く見てきました。売れたら商品が良くて、売れないとデザインが悪いと言われたり(苦笑)。また、デザインの決定権が経営者や担当者にあり、個人の趣味趣向で、マーケティングがないがしろにされたり。デザイナー自身もそのデザインのどこが悪くてどこが良いのか論理的に説明できないと言うのはよくあるケースです。

確かにおっしゃる通りですね。

デザインは経営戦略の一つだと言う基本理念のもと、経営の中でデザインを有効活用するためにはビジュアル提供だけでなくて、マーケティングを知り、デザインの有効活用を論理的に説明する、企業の未来を育てる視点が、デザイナーにも必要であると言います。そしてそれがデザイナーの地位の向上になるし、40代、50代になって、より活躍できるのだと思います。

稼ぐデザイン力を養うために教育は大切。

そのような考えから社内教育に力を注いでいるそうですね。

社内レクチャーやセミナー、塾など独自の教育を行っています。社長となる人材をも育成する、つまり社長のデザインを長年かけてやってきた結果として、3年前に30代の現社長が誕生しました。

西江さんもデザイナーから大阪支社長に?

私も岡山出身でデザイナーとして入社したのですが、IDAに入ることによって違う視点でデザインの活用範囲の広さ、ビジュアルだけではないデザインのスゴさ、面白さを体感してきました。社内レクチャーや勉強会等で色々と学びましたけど、受け身ではなくやる気があれば挑戦する機会を与えてもらえ、お客さんのところへ足繁く通い、現場で培ったマーケティングやコンサルティングの経験も大きいですね。

論理的に組み立てられたデザインは稼ぐ力になると言うことですね。

その通りです。IDAが取引させて頂いているクライアントさんにアンケートを実施したことがあるのですが、その中に「売り上げに貢献できていますか?」と言う質問に、答えていただいた9割のお客さまから「貢献できています」との回答をいただきました。これは本当にうれしい評価ですね。

求めているのは変化に対応できる人材。

自社ホームページ http://www.ida-web.com/ には、これまで手掛けたデザイン・クリエイティブが並ぶ

自社ホームページ http://www.ida-web.com/
には、これまで手掛けたデザイン・クリエイティブが並ぶ

現在はパッケージからCIまで仕事のジャンルが幅広いですね。

本社は岡山で、拠点が東京、大阪、関連会社にシンガポールとありますが、テレビ会議システムやスカイプを使用して、東京で発生したプロジェクトを岡山でやったり、岡山の中小企業の仕事を大阪や東京でやったり。どこにいてもいろんな仕事に携われることが、弊社の特長でもありますね。

仕事のフィールドも社内教育も充実されていますが、どのような人材を求めていますか?

IDAに入ったらすべてお膳立てしていると言う訳ではありません。ダーウィンの「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できるものである」と言う名言にあるように、変化に対応して自ら進化していくバイタリティーのある人材を求めています。

取材日:2013年10月11日

株式会社アイディーエイ

  • 代表:
    • 井上勲(代表取締役会長)
    • 山田祥(代表取締役社長)
  • 創業:昭和51年4月1日
  • 資本金:3000万円
  • 事業内容:CI・VI開発 / ブランディング戦略 / 販売戦略立案 / 商品企画 / パッケージデザイン / グラフィックデザイン / WEBデザイン / 映像制作 / 店舗・展示会のデザイン・プロデュース / 広告宣伝・SPの企画・制作 / 各種イベントの企画・制作・運営 / ノベルティ・SP商品の企画・制作 / / デザイン資源の運用・管理 / 各種デザインマネジメントセミナー
  • 所在地:
    • 岡山本社:〒700-0973 岡山県岡山市北区下中野510-6
    • 大阪支社:〒542-0081 大阪市中央区南船場3-9-10 徳島ビル10F
    • 東京支社:〒104-0032 東京都中央区八丁堀3-4-10 京橋北見ビル東館3F
    • 関連会社:シンガポール[ID]
  • Tel:06-6251-2727
  • Fax:06-6251-2737
  • URL:http://www.ida-web.com/
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