Boundless Entertainment 無限なるエンターテインメント
- 大阪
- 株式会社アクティブゲーミングメディア 代表取締役 イバイ・アメストイ氏
ゲームローカライズ、デバッグ、マーケティングなどのB to Bサービスをはじめ、インディーズゲームを配信するECサイトを運営する株式会社アクティブゲーミングメディア。言語や文化を越えて、世界中にエンターテイメントを届けることが使命と言う代表取締役のイバイ・アメストイ氏。経営者として、また日本で働く外国人として、熱き思いを流暢な日本語で語っていただきました。
単なる翻訳ではなくゲームローカライズを通して大きなビジネスチャンスがあるとわかった。
日本でビジネスを始められたきっかけは?
日本のコミックが大好きで、大学卒業後、観光目的で日本へ来たのが14年前です。住んでいたサンセバスティアン(スペイン)と言う街は、四国の丸亀市と姉妹都市なんですね。旅行しながら日本で仕事を探したいと言う気はまったくなかったのですが、たまたま東京で、スペインにゲームを販売していた会社に、ゲームテスターとして入社してしまったんです(笑)。入社後は「ゴルゴ13」、「はだしのゲン」、「ブラックジャック」などの漫画の翻訳をしたり、ゲームのスペイン語のチェックをしていました。社員として8年間働いて円満退社しました(笑)。
その後、自分の会社を立ち上げられたのですね?
そうです。でも、正直言って強い目的があって会社を設立したわけではありません(苦笑)。 はじめの頃は以前勤めていた会社から仕事をいただいていましたので、独立にはあまり苦労しませんでした。 その頃、日本のコンソールゲームは海外で非常に売れていたので、日本から海外へゲームを持っていきたい会社のお手伝いならできるかな?と、最初は言語のみのお手伝いをしていましたが、仕事をしていくなかでこれは大きなビジネスチャンスがあると実感したわけですね。
現在はゲームローカライズのほかに、デバッグやマーケティングの事業もされていますね?
ゲームを海外へ持っていくにあたって必要な事ならなんでもします。法的なことも含めて。その国の言語や文化、習慣を知ってるネイティブなスタッフがその能力に準じて、翻訳の仕事をしたり、マーケティングをしたり。今は日本から海外へ、海外から日本へ、できないことはなにもないです。 最初は英語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、フランス語の5か国語でしたが、6年ほど前からアジアでのゲーム市場が伸びてきて、現在は中国、韓国、台湾にも。今後はインドネシアやミャンマーも考えています。
国境や文化にとらわれず、新しい楽しさを発信するPLAYSIM
最近アジアでは、国策としてベンチャー企業の誘致を積極的に進めている国があると聞きますが、日本ではどうですか?
日本でも最近、行政がアニメや漫画などを海外へ積極的に事業支援する方策が出て話題になりましたよね?でも、これは残念ながら大手企業のためのものなんですよね。もっと中小の企業をバックアップして欲しいと思っています。 日本ではとくに大手の企業では、若い人の意見はなかなか通りにくいということもありますよね?技術としては10代ですぐれた人もたくさんいるのに、なかなかそういう若い人の作品が世の中に出るのは難しいと感じています。
それで、B to B事業のほかにインディーズのゲーム発信もされているのですか?
才能と言うのは自分が所属してる会社とは関係ないものだと思うんですね。最終的にゲームと言うのは面白いか面白くないかが大事ではないでしょうか? それで新しい才能を発掘する場を設けたいと思ってインディーズゲームのダウンロード配信サイトPLAYISM事業を展開しています。最初はなかなか経営的に厳しかったですが、おかげさまで8万~10万人の人に遊んでいただいて、うれしく思っています。
パブリッシャーとして今後の抱負はありますか?
日本語での言い方だと少し危険に思われるかもしれませんが、市場を見ずに配信していきたい。何が売れるのかを考えて配信するのはビジネスの基本ではあるけど、最近はその傾向が強すぎて売れたら、どこも似たようなゲームばかり出てくる。弊社はB to Bで経済的資金力があるので、こちら(PLAYISM)では若いクリエーターの支援など積極的にやっていこうと思っています。 つい先日、専門学校HALとの共同企画で学生コンテストから選ばれた作品を配信しました。
スタッフの70%が外国人と言う、日本では数少ない企業。
ビジネスとしてはとても順調のようですが、経営面での苦労はありましたか?
競合する会社がないので売り上げは順調です。外国人を雇用する企業も少ないので、いい人材も集まりやすいです。でも、やはり外国人を雇用するのはリスクがありますよね。ビザの問題や文化の違いなど。文化の融合は難しいです。社内ではいろんな言語が飛び交っているので集中できないと言う人もいますね(苦笑)。2年半前、東京で営業所を立ち上げる直前にあの震災が起きました。あのとき海外では「日本は危険」と報道され、自国に帰ったスタッフも多くいました。私も大使館から帰国を促されましたけど…。急にスタッフが少なくなり、会社としてはあの時期が一番の危機でした。でも、日本は他のどこの国と比べても安全で治安のいい国だと思っています。
御社で働く上で言語は問題になりますか?
私が話せるのはスペイン語と日本語と英語です。日本語は専門学校に通ったことはありません。日本語は独学で大好きな「ゴルゴ13」で覚えました(笑)。言葉は問題にはなりません。弊社が求める人材には3つの条件があります。1つは誠意のある人。2つは頑張れる人。3つ目は頭が良い人。死ぬ気で働きたいって人を求めています(笑)。
取材日:2013年10月25日
株式会社アクティブゲーミングメディア
- 代表取締役:Ibai Vinas Ameztoy (イバイ・アメストイ)
- 事業内容:ゲームローカライズ、デバッグ、マーケティング、広告デザイン、翻訳、Web制作、パブリッシュ
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