さらなる進化を目指して 少数派ユーザーのための良作創りに チャレンジする
- 大阪
- 株式会社ドラキュー 代表取締役会長 西川聡氏
ゲームソフトウェアの開発においては富野氏に全信頼をおき その経営を支えるのが西川会長
御社の代表的タイトルである「ガンハウンドシリーズ」の開発でご苦労された点は?
初代ガンハウンドで苦労したところは、開発にあたったのがドラキューを立ち上げた富野(ドラキュー代表取締役富野裕樹氏)だけだったことですね。プロデューサー、ディレクター、設計、プログラム、企画、シナリオ、レベルデザイン、デバッグ、アドバイス…すべて富野がひとりで担当していました。スタッフロールで同じ名前が続くのもおかしいので、ペンネームを作って流しました(笑)。のちに、ドラキューに入ってきた社員に「ペンネームの人に会わせて欲しい!」と言われたときは苦労したと、富野は言っています(苦笑)。
ガンハウンドのこだわりは?
ガンハウンドは、当時の富野の技術と趣味の限界まで、とにかくこだわり抜いた製品です。ただ、リリースしてから、ユーザーのみなさんから思いもつかなかった素晴らしい意見をたくさんいただいて、まだまだできることがあると気づかされましたね。次の作品まで待てずに、いただいたユーザーさんの不満点の解消や期待するところを、もうこれ以上にないくらいこだわり「ガウンハウンドEX」と言う別の製品をリリースすることになりました。 ガンハウンドを購入していただいたお客様には、たくさんのご意見をいただいたお礼としてPC版の「ガンハウンドEX」を、無償で提供させていただいています。
まもなくリリースされる製品があるのですよね?
そうです。「重装機兵レイノス」です。2Dのロボットアクションゲームは万人受けするタイトルではなく、ニッチなところを狙っているんですよ。40代のコアなユーザーをターゲットにしています。
なぜそこを狙っているのですか?
ロボットがキーワードなんですが、戦略があり、3年後に大きく展開する構想があるんですね。今は具体的には言えないんですけど。富野からは「宝くじを買ったと思ってください。」と言われてます(笑)。
当たりそうですか?(笑)。経営者としての採算は?
宝くじも1億円くらい買ったら当たるでしょう(笑)。 私はドラキューのほかに技術系の人材派遣とゲームのソフトウェア開発の会社も経営しているんですが、そちらの方もおかげさまで順調に売り上げを伸ばしています。弊社の売りはお客様が求めているものを100%ではなく、130%のクオリティーで納品させていただくことです。お客さまから、「えっ、そこまでしていただけるのですか?」ってよく言われます(笑)。それだけの技術力を備えていると自負しています。
運送業から人材派遣 そしてソフトウェア開発の経営に
現在、ドラキューを含めて3社を経営をされているとお聞きしました。
そうです。実は僕は昔は運送屋をしてたんですよ(笑)。たまたま配送の仕事から縁があって、パソコン関係のセットアップのお手伝いをさせていただいたんですね、1996年の頃でした。その当時2000年問題があり、開発の人材を求められてプログラマーなどの技術系の人材派遣会社を設立したわけです。ゲームも好きだったので将来ゲーム作りたいなーって話をしてると、「あそこ紹介しましょうか?」「こんな人と会ったらどうですか?」ってまわりの人から声をかけていただいて、ゲームのソフトウェアの開発の会社を立ち上げることができました。そして自社タイトルを作りたいと思い、ドラキューになった訳です。
西川会長流の、成功の秘訣はなんですか?
風呂敷を広げることです(笑)。30代で独立したとき、まわりの人に、「10年後を見ていてくれ、大阪城を買うから!」って言っていました(笑)。10年後に大阪城買うくらい儲けましたね・・・冗談ですよ(笑)。でも、風呂敷を広げるのは、妥協しないという決意表明なんですね。言ってしまうと努力しますし、知恵も出しますから。10tトラックに乗りながら携帯を2台持って、電話口では「九州行のトラックですね」と言いながら、安全靴から革靴とスーツに着替えて人材派遣の営業に行っていました(笑)。
まさに2足のわらじを履いていらっしゃったのですね(笑)。
恥ずかしい話なんですが、今も社員から「社長に見えへん」ってよく言われるんですよ。「親方やなー」って(笑)。みんなが良ければ「やってまえー」って。まあ、もちろん経営者として会社をつぶすわけにはいかないですから、締めるところは締めていますが。残業している社員のために、手作り弁当を差し入れしたり、BBQでは私が買い出しに行ったりもしています。会社というよりクラブ活動みたいですよ(笑)。
ゲーム好きな社員のために環境の整備 願いは叶うと信じて
今後どのような会社づくりを目指していますか?
ソフトウェアの会社としてはマルチプラットフォームを目指していますが、会社の規模を大きくしたいとは思っていないんですよ。小さくても光っている会社だと言われたいですね。うちの社員は本当にゲームが好きで熱いんですよ。その社員のために将来は工房のようなものを作ってあげたい。
目の行き届く規模がいいと言うわけですね。
そうですね。社員に一緒にやってきて良かったと言ってもらいたい。今はまだがむしゃらに邁進していますが、理想としては10時~18時で仕事が終わったあとにそれぞれ好きなことができるような環境を整えたいですね。
最後に、ドラキューへの思いと御社が求める人材とは?
経営者として厳しい時期もあり、それを乗り越えて今があるのですが、人とのつながりの中でこうしたい、こんなことがやりたいと口に出して言うと願いは叶うのかなと最近は思いますね。弊社の場合、熱いモノを持っていれば経験のない人でも3ヶ月の試用期間を経て採用することがあるんです。とにかくゲームにこだわる、そんな社員と一緒にいい仕事がしたいですね。
取材日:2014年6月26日
株式会社ドラキュー
- 代表取締役会長:西川 聡
- 設立:2006年11月6日
- 事業内容:ソフトウェア受注開発(コンシューマゲーム機のソフトウェア開発)、自社製品開発(Window用ゲーム開発、ツールの制作)、企画・調整業務(ソフトウェアの企画書・仕様書の制作、デバッグ)
- 所在地:兵庫県尼崎市尾浜町2丁目3番1-316
- TEL:06-6126-7230
- FAX:06-6126-7260
- URL:http://www.dracue.co.jp
- お問い合わせ:上記HPお問い合せより