WEB・モバイル2015.03.18

ITをビジネス向けに わかりやすく、使いやすくする 翻訳家のような仕事

大阪
株式会社シスパル 代表取締役 宮原憲司氏
ホームページ制作やシステム開発を基盤に、ITソリューションとデジタルプロモーションを支援する株式会社シスパル。 代表取締役の宮原憲司氏に、シスパルが提供するソリューションについて、また経営者としての苦労と課題について語っていただきました。

「いつか独立する」と宣言 営業職や仲介業を経験して起業

設立は2008年だそうですが、起業のきっかけを聞かせてください。

最初は大手PC・家電メーカーの子会社で営業を経験しました。入社した当初からいつか独立しようと思い、周囲にもそう言っていましたね。退社後は、父が印刷の仲介業をしていたので、そこで2~3年働きました。ただその中で、印刷の仲介ではビジネスとして大きな成長は見込めないと感じる部分があり、システム系の仲介を始め、2008年に会社を立ち上げたわけです。

パソコンの営業を経験されたりしていらっしゃいますが、昔からパソコン関係は得意でいらしたんですか?

いえ、パソコンやシステムへの興味はあまりなかったんです。販売していただけで。機械やシステムのことはまったくわかりませんでしたが、営業成績は良かったんです(苦笑)。

それは何故だと思われますか?

「自分自身にWebやITのハードスキルがない」というのは、「お客様の気持ちが分かる」という強みになりますね。これは、営業や仲介を行う上でとても大切な部分だと思っています。 シスパルの会社の基本もそこにあって、「ITが必要な会社(人)」と「ITが得意な人やITサービス」を繋ぐという意味を込めて『system+PAL=SYSPAL』と名づけました。

色々なITシステムやサービスの仲介をされる中、独立されようと思われたきっかけは何だったのでしょう?

デジタルサイネージ(電子広告)に出会ったことです。これから、安定して売り上げを伸ばせそうだと直感しました。 デジタルサイネージの開発が独立のきっかけだったと言えますね。

人と人のつながりから仕事が生まれ 新しいサービスも生まれる

御社の主な業務内容は?

システム開発をメインにスタートしたのですが、最近はWEB広告の提案と結果の分析などの業務も増えています。 現在2つの路線があり、ひとつはITソリューション=インターネットを使ってビジネスに役立つツールの提供、もうひとつはデジタルプロモーション=WEB広告やデジタルサイネージの提案・開発販売・分析です。

代表的なサービスをご紹介いただけますか?

CamPAL

WebキャンペーンをサポートするCamPAL

まず、Webで展開するサービスとして、Webキャンペーンをパッケージ化した『CamPAL(キャンパル)』があります。 弊社はSP会社や広告代理店とお取引させていただいているのですが、それらの会社の営業マンが、Webキャンペーンを売りやすくするために開発したのが『CamPAL(キャンパル)』なんです。 Webキャンペーンの場合、だいたい決まったプラットフォームがあるので、それをいくつかのプランにパッケージ化しました。それぞれのプランのカスタマイズも豊富に用意してありますし、急なアクセスの増加に対応する負荷分散サーバーの環境や、端末もスマホ、パソコン、モバイルに対応していますので、キャンペーンの規模や対象に合わせて、初心者でも簡単にリーズナブルにサービスを組み立てられます。 また、弊社ではプライバシーマークを取得していますので、顧客情報を扱うキャンペーン運営も安心してお任せいただけます。

もうひとつの柱のデジタルサイネージのサービスはいかがでしょう。

病院や役所での導入が続々と決まっているDisPAL

病院や役所での導入が続々と決まっているDisPAL

病院や役所で、順番待ちをする時にモニターに番号が映し出されるサービスをご覧になったことはありますか?あの<番号呼び出し>に<インフォメーションスペース>を融合したデジタルサイネージ『DisPAL(ディスパル)』を展開しています。病院などは、このインフォメーションスペースに広告を入れることで広告収入を得ることができますし、順番を待つお客様への情報提供も出来ますから一石二鳥です。 こちらはパッケージ販売ではなく、それぞれのビジネスモデルに合わせた仕様に構築して販売しています。 現在、近畿と関東を中心に70カ所の自治体で稼働していますが、4月からは大手メーカーさんでの販売も決まっているので、この『DisPAL』は、全国展開になると思います。

それは楽しみですね。今後の事業展開についてはどうお考えでしょうか?

ビジネスモデルをしっかり理解してる会社とシステムを融合させることが、われわれの役目だと考えています。「ITでできること」をわかりやすくして、クライアントのビジネスに生かせるようにする、翻訳家的存在ですね。 また、将来的には自社サイトの運営などでコンシューマとつながりたいと思っています。

BtoCのサービスと言うことでしょうか?

人と人のつながりを構築したい、という意味ですね。 起業したとき、まずは「人脈を作るのが大切だ」と考え、青年会議所に入会しました。そこで同年代の経営者と知り合い、たくさんの刺激を受けたんです。現在の仕事のほとんどはそこからのつながりだと言っても過言ではありません。 私は特にこれと言った趣味はないのですが、仕事以外でも人とよく会いますね。『CamPAL』も『DisPAL』も、結果として人との話から生まれたサービスなんですよ。

雇用でハードスキルだけを求めた結果 会社の損失になる時期もあった

経営者としてのご苦労は?

私自身、経営者と言う自覚はあまりないですね。ただ、経営の役割を担っているだけだと思ってるのですが。 まあ、一番苦労するのはやっぱり『人』じゃないでしょうか?2~3年前は、なかなか求める人材が集まらずに苦労しました。 以前はハードスキル優先で、他は条件は問わずに採用していたのですが、それでは会社が回らなくなるんです。社員が2~3人であれば私の目が届くのですが、10人を超えるとそれが難しくなる。すると、時間にルーズだったり、ダラダラと仕事をしたり、納期を守れなかったりする、会社としては困る人が出てきてしまったんです。 ついには納期の日に無断で休む社員まで出てしまい、会社の信頼に関わる事なのでこのままではダメだと思いました。

では現在、宮原社長が求める人材とは?

ハードスキルだけでなく、社会人として最低限のルールとマナーを守れるソフトスキルを持った人です。 フェローズ(※)さんからも派遣スタッフの方に来ていただいていますが、仕事に対する意識が高い人が多くていいですね。

※編集部注:フェローズはクリエイター専門のマネジメント会社。クリエイターズステーションの運営会社でもある。

会社を大きくするためにやはり、人材が課題になると。

私は0(ゼロ)を1にするチカラはあると思っています。 まだ存在しないものを「こんな風に作ったら面白いんじゃないか?」と考えて具現化できるチカラはある。でも、それをひとりで地道に構築して9まで持っていくことはできないし、9を10にクロージングするチカラはないと思っています。だから1から9にする人、9を10にする人がいれば会社としては回っていけると考えています。 昔はそれで、ハードスキルだけあれば良いと思っていたんですね。営業は私がいるのでとくにコミュニケーション能力も問わなかっんです。 ただ、会社を大きくするには私のような営業とディレクターも必要だと思うようになりました。

営業+ディレクター+エンジニアのチームが理想なんですね。

そうです。トップダウンではなく、お互いコミュニケーションが取れて、管理できる環境がベストですね。そういった小さなチームを複数作っていくことがこれからの重要課題です。

取材日:2015年3月5日

株式会社シスパル

株式会社シスパル
  • 代表:宮原 憲司
  • 設立:2008年9月24日
  • 事業内容:ITコンサルティング、Webマーケティング
  • 所在地:〒537-0025大阪市東成区中道3-15-16 毎日東ビル7F
  • TEL:06-6975-0877
  • URL:http://www.syspal.co.jp/
  • お問い合わせ:上記ホームページより
 
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