“ユーザー”のためのサイト設計が成果につながる SEO=ユーザビリティ
- 札幌
- 株式会社ブルームプロモーション 代表取締役社長 咲間祐司氏
メカニック出身という異色の経歴。
咲間社長は異業種からの転職とお聞きしました。以前はどのようなお仕事をされていたのですか?
自動車整備の専門学校を卒業後、トヨタ自動車でメカニックとして約6年勤務していました。この話をするとみなさん驚いてくれますね。 その後26歳の時にWebデザインの学校へ行くために仕事を辞めて関東へ渡ったのですが、同時に職業訓練学校で学びはじめたプログラミングの方が面白いと感じて、横浜でプログラマーとして就職しました。
大企業を退職して違う世界の学校に入りなおすというのは思い切った決断ですね。
もともとはPCをいじっている人のことを「オタクだな……」と思っている側の人間だったのですが、友人の家で初めてPCに触れて、自分もハマってしまって。その時はまだあまりよく理解していなくて、単純に「ITってWebサイトをつくるものかな」「ITをやるなら関東だ」と思い、関東の学校へ行きました。卒業後、横浜でプログラマーを3年、SEを2年経験したのち、札幌のSEO会社へ転職し、その後現在の会社を立ち上げました。
もともと起業したいという思いはあったのですか?
子どもの頃からサッカークラブのキャプテンや集団の中でリーダーをしたりと、場を仕切ることが好きでしたのでいつか起業をしたいという思いはずっとありました。そのため横浜時代はシステム会社を立ち上げたいとも思っていましたが、前職で今の役員の須川と出会って、お互いの足りないところを補い合えればと思い2人でSEOの分野で起業しました。
SEOを活用したWebマーケティング
会社の事業内容について教えていただけますか。
一言でいうとWebマーケティングを活用してお客様の課題を解決すること、です。Webマーケティングには様々な手法がありますが、弊社はその中でもSEO(検索エンジン最適化)に特化した施策提案と設計、Webサイト運用をメインとした業務を行っています。
“SEO"と聞くと単純に「検索順位を○位から○位に上げます!」というものをイメージしますが……。
SEOの黎明期はそうだったかもしれませんね。当時は検索アルゴリズムもまだそこまで複雑ではなく、ある程度は技術やテクニックだけで順位を上げることも可能でした。いわゆる被リンクSEOが流行った時代もあります。しかしそういった小手先のテクニックによって検索エンジン上の順位だけが上がったとしても、本当は何の価値も生み出してません。“順位を上げる"こと自体が目的になってしまい「上位表示すれば儲かる」「順位が維持できればそれで良い」というような考えが広まる一方で、強い葛藤がありました。
現在のSEOの状況はどのようなものなのでしょうか
現在メインと言われているのはコンテンツSEOです。検索エンジン「Google」も、ユーザーのニーズを満たす優良なコンテンツを持つサイトを評価すると明言しています。コンテンツの充実や重複内容の削除、信頼性の担保など品質を高めていく必要があります。さらに、検索アルゴリズムが日々進化し複雑になっているので、内部施策のハードルがどんどん上がっています。制作したWebサイトが検索エンジンから正当な評価を受けるためにはSEO基礎設計がとても重要です。有益なコンテンツを増やしても基本設計ができていないと十分な成果は得られないのです。弊社では優秀なプログラマーが対応しているので設計や構築に関しては高いレベルのサービスを提供できています。
クライアントが何を目的としているのか 価値の提供のために何ができるか――
仕事を進めるうえで大切にしていることは何ですか?
クライアントが何を目的としているのか、ゴールがどこかをきちんと共有することが大切です。そのゴール(目的や成果)の全てが即売り上げに直結するものとは限らないケースもあります。例えば予約フォームからの予約数をUPさせたいのか、会社の認知度をアップさせたいのか、求人から良い人材を定着させたいのか……。最初に確認したつもりでも、進めていくうちに少しずつ欲が出るものです。定期的に目的と状況のすり合わせを行い、求めているものと提供するものにズレが出ていないか細かく確認しています。
会社によって目的は様々なのですね。
クライアント自身、ゴール設定が明確ではない場合も意外と多いです。Webをつくる理由を改めて聞くと「皆持っているから」「今時Webサイトくらいないと」といった答えが返ってくることも珍しくありません。ゴールを明確化し、そこに到達するために何をしていくか。クライアントの課題に合わせたメニューを考えていきます。常に状況に対して最適な提案を心がけているため、メニューが1か月後にはガラッと変わることもあります。
検索エンジンの順位を上げるのは、メニューのひとつにすぎないということですね。
そうですね。現在は、順位だけ上げてくれというような依頼はありませんね。しっかりとしたSEO施策を行おうとするとやはり設計やコンテンツの部分から手をかけることになるので、制作やリニューアル、その後の運用まで丸ごと任せてもらえる方がスムーズです。すでに出来上がっているサイトのパフォーマンスを上げてほしい……という依頼もありますが、SEOが絡むと同じ理由で最終的には制作も任せてもらえることが多いです。
営業スタッフはいるのでしょうか?
ありがたいことに起業以来、紹介や口コミのみで忙しく仕事をさせていただいています。作って終わりではなく、運用まで任せてもらうことで1社1社のクライアントと長くお付き合いができています。経営的にもランニングで収益の見通しが立てられるので長期的な施策を練ることができます。
技術者から経営者へ。組織作りも面白い。
異業種の経験が現在に役立っていると感じる部分はありますか?
昨年の夏頃から、プレイヤーからは一歩引いて人材育成や組織作りといった社長業に注力し始めたのですが、その立場になってみて「トヨタ生産方式」は本当によく考えられた概念だと実感しています。どうしたら「ムダ・ムラ・ムリ」をなくして効率化を図っていけるのかを常に考えています。
社長業はプレイヤーとは違った大変さがありますね。
具体的に何をしていくかはまだこれからですが、組織を作っていくのは面白いと感じています。2016年9月に横浜時代に働いていた前職の企業と業務提携をしてWebサイトの制作部分を委託することになりました。11月には奄美大島にも事業所を開設し、そこでは札幌で受注した案件の設計やコンテンツ制作などを行っています。まずは横浜・奄美との体制作りからですね。奄美大島へは打ち合わせやセミナー講師としても何度か行っていますが“フリーランスが働きやすい島計画"を進めているだけあって、働きやすく過ごしやすい島です。
日進月歩のSEO業界で成果を出し続けるために
よりよい提案のために会社として取り組んでいることはありますか?
会社がスタートしてから、ほぼ欠かさず毎朝1時間の勉強会を行っています。SEOの最新情報やコンテンツについてそれぞれが持ち寄って学んでいます。SEOの世界は本当に流れが速いので、それくらいしないと追いつきません。考え方をしっかり理解して、豊富な知識をつけることで最適な施策を打っていくことができます。
今後の展望をお話しいただけますか。
現在はクライアント側にもSEOに対する理解が進み、Web制作におけるSEO対策は必須になってきています。自治体のWeb制作ガイドラインにもSEOについて明記されるほどです。ユーザビリティー向上の側面から考えるとすでに認知やブランド力のある会社のサイトでもSEOは必要で、これからもどんどん需要が増えていくと思います。 現在は小規模の会社だからこそできる細やかな提案や日々のサポートを評価いただいていますが、どうしても優秀なスタッフのマンパワーに依る部分が大きいです。いずれはそこを仕組化して組織として底上げしていきたいと思っています。今はそのために実績を作っている最中です。
取材日: 2017年1月26日 ライター: 小山佐知子
株式会社ブルームプロモーション
- 代表者名:代表取締役 咲間 祐司(さくま ゆうじ)
- 設立年月:2011年7月
- 資本金:5,000,000円
- 事業内容:SEO(検索エンジン最適化)、SEOコンサルティング、コンテンツマーケティング、
WEBアクセス解析、企画・提案、WEB広告代行、WEB制作 - 所在地:〒060-0042北海道札幌市中央区大通西7丁目2-5 大通青木ビル7F
- 電話番号:011-596-7500
- URL:https://www.bloom-promotion.jp