著者と出版社を結びつける SNSの運営を始めています
- 東京
- 株式会社ケイズパートナーズ 出版コンサルタント 山田稔氏
ケイズパートナーズは書籍出版を夢見る「未来の著者」にノウハウと機会を提供する出版プロデュースを目的に、2008年に設立されました。たぶん、この世には、「人の数だけ、出したい著書のアイデアがある」と言ってもいいはず。そういったアイデアや夢や情熱を、実現に結びつけるための手助けをするのが同社です。これまで、あるようでなかった着想とスキルで、出版業界に新しいスキームを打ち立てている会社です。同社の出版コンサルタントである、山田稔さんにお話しをうかがいました。
ケイズパートナーズは、出版社と交渉できる出版プロデュース会社です。
出版プロデュースを事業として立ち上げたのが、2008年。この時期に、そういった事業を立ち上げた理由はどんなところに?
出版プロデュースというビジネスの形態は、今から5年ほど前に登場しています。ただ、そこで生まれた出版コンサルタントのみなさんは出版業界の方ではなく、ご自身の出版経験をベースにノウハウを提供するスタイルの方々でした。そんな動きに、出版業界はむしろ懐疑的でありました。事実、「お金を出してセミナーに参加したが、結局、出版の夢は叶わなかった」という不満を持つ方が多く現れました。 また一方、そういうリスクを負ってでも「出版したい」と希望する方がいなくならないのもまた事実でした。
そこで、長く編集者として活躍した山田さんが参加し、新しい事業としてケイズパートナーズを立ち上げたのですね。
せっかく、「誰かの手を借りてでも」出版したい方がいらっしゃるなら、ちゃんとしたプロデュースをしてさしあげたいですからね。それまでの動きを観察して、「私たちがやれば、こうできる」という点はいくつもありましたから、後発でも絶対に成功できると思いました。 たとえば、書籍編集に必要なDTP費は一切著者さんに負担していただきません。本来的に出版社に負担してもらうべきものであり、ケイズパートナーズは豊富な出版経験を背景に、出版社にしっかりとそれを主張することができるのです。
この場合、出版したい方、つまり著者さんというのは、小説家やエッセイストではありませんね。
大枠で言うなら、ビジネス書の著者さんと考えてくださっていいと思います。そういった「著者さん」たちは、文章を書いて本を出しつづけて生業(なりわい)にしようとは考えていません。自分の考えやノウハウを示すメディアとして書籍を位置づけ、自分のビジネスのブランディングに役立てようというのが大勢を占める考え方です。ですから出版エージェントではなく、出版プロデュースが必要になってくるのです。
ケイズパートナーズは、明確に「新人発掘」への自信を持っています。
そういう目的の出版ならば、自費出版でもできるのでは?
そう考えるのは道理であり、事実、出版プロデュースが注目される前には自費出版を事業とする会社がそういった案件を多く手がけていました。 ただ、事例を重ねる中で、著者さん側が「自費出版で出した書籍の評価は、思ったより低い」と気づいたようなのです。文字通り自費出版ですから、一切書店に並ばないものも多かった。「商業出版のルートに乗せ、書店に並ぶような書籍でなければ評価されない」という認識が強まる中で、いつしか、著者さんと出版社との間を取り持つことのできる出版プロデュースに注目が集まるようになったんですね。
そんな中で、出版業界で培ったノウハウを生かして、「もっとちゃんとした出版プロデュースができる」と考えたのが、事業立ち上げの動機なんですね。
なんと言っても、インディペンデントの編集者は企画を出版会社に売り込むのが仕事ですから。それまでの出版プロデューサー、出版コンサルタントのみなさんとくらべて、そこが最大の強みになると考えましたし、著者さんの夢を叶えるパートナーになれるとも思いました。
新人発掘というのは、どの業界でも特別な力を要することですよね。名の売れた著者さんの出版をプロデュース方が効率はいいのでは?
当社は、明確に「新人発掘」への自信を持っています。著者さんを導くことにも、売るための仕掛けをつくることにもかなりの自信を持っています。さらに言えば10万部クラスのメガヒットを出すのではなく、8000部の初版を増刷にたどり着かせる「ヒット」の連発を得意としています。 「初めての著書」を完成させて、ちゃんと売ることが得意分野なのだと言えるでしょうね。これもまた著者さんの志向次第なのですが、それを望む方には大いに頼りにしていただけるパートナーだと確信します。
著者と出版社を結びつけるSNSの運営を始めています。
この事業の、将来ビジョンは?
「出版したいから、ケイズに相談しよう」という方が多くいてくださる。「出版したいなら、ケイズに相談してみたら」とアドバイスする方が多くいてくださる。そういう状況をめざしています。
そのビジョンに向けての取り組みとして、直近のトピックスなどはありますか?
著者と出版社を結びつけるSNSの運営を始めています。前述のように当社は新人発掘を得意としていますが、2冊目、3冊目はむしろ著者さんと出版社が直接やりとりすることを奨励しています。そこを円滑にするために、著者と出版社限定のSNSが必要だと考えました。
出版コンサルタントとしての山田さんの今後の夢などをお聞かせください。
この事業を始める前に、編集者として友人の出版を手伝ったことがありました。「企画書は、こう書かなきゃ」などとアドバイスし、無事出版にたどり着いたのですが、その折の友人の喜びようは文字通り「涙を流さんばかり」でした。編集者としての仕事にもやりがいを感じますが、あの、「出版のお手伝い」の体験は、新鮮で、とても大きなものだった。そのような感慨をひそかにあたためていた私にとって、この事業も仕事も、なんというか「天職」に近い感覚があります。一人でも多くの方に、著書を世に出す感動を味わってもらえれば嬉しい。心からそう思っています。
(取材日:2011年2月)
株式会社ケイズパートナーズ
- 業務内容:出版プロデュース業
- 設立:2008年3月1日
- 資本金:100万円
- 所在地:〒101-0032 東京都千代田区岩本町3-4-5 第一東ビル2F ケイズプロダクション内
- TEL:03-5823-5539
- FAX:03-5823-5408
- URL:http://www.shuppanproduce.jp/
- 問い合わせメール:上記HP「問い合わせ」ボタンより