女性の活躍の場を もっと広げたい。 元気な女性を もっと元気に。
- 東京
- 株式会社コラボラボ 代表取締役 横田響子氏
元気な女性をさらに元気に。働く女性たちを「コラボ」させるお仕事。
まず、株式会社コラボラボを設立されたきっかけをお教えいただけますか?
10代の頃にはすでに「女性たちの活躍の場をもっと広げたい」という明確な目標を抱いていました。昔から、立場の違う人同士が一緒になって新しい何かを生み出す「コラボ」という現象に強い関心があったんです。 私は4歳までオーストラリアで暮らしていたので、人々の多様性に関心を持つようになったのは、そういった幼少期の環境のおかげかもしれません。
では10代の頃に、すぐ起業されたのですか?
いえ、まずは経験を積むためにリクルートに入社し、何年か仕事を続けました。でも、ある時「私は女性の応援をしたかったはずなのに、女性の経営者に会ったことがないな」と気が付いたんです。サラリーマンの身の上では、自分だけの判断で交流する相手や得意先を決めるわけにはいきませんからね。 そこで、思い切って当初の予定より早めに退社して「まず、女性経営者200人に会おう」と決めたんです。どんな事業を興すのかは後で考えるとして、まずはたくさんの人に会い、お話を聞かせていただこうと思いました。
200人ですか! その目標は果たされたんですか?
はい。おかげで貴重なお話をたくさんうかがえました。 また、現在のコラボラボにつながる出会いもありました。社長さんたちに出会う中で、幸いにして3番目にお会いした方と意気投合して、お仕事や人脈をご紹介いただけることになったんです。その際にご紹介いただいたPR関係の事業やメディア人脈が、コラボラボの方向性を定めてくれたと言ってもいいかもしれません。
コラボラボとは、具体的に何をする会社なのでしょうか?
いろいろです。なんでもやります(笑)。でも、はっきりわかっているのは「決断する人をお手伝いする」集団だということでしょうか。 私たちの活動を例えるなら「元気のない人を元気にする」というよりは「元気な人をもっと力づけて、走ってもらう」という方が合っている気がします。みんなの先を行っているリーダーの皆さんがさらに元気になれば、最終的にはみんなが元気になれると思いますしね。
では「女性社長.net」や「J300」の活動についてお聞かせください。
女性社長.netは、会員を女性社長だけに限定したデータベースサイトです。会員同士の情報交換やプライベートな相談事、または新規事業のPRなど、自由にご利用いただけます。会員を女性に絞ることで、安心してやり取りをしていただくことを目的としています。 また、サイト上で事業やアイデアを相談し合うことで、新たな「コラボ」を生み出すことも目的としています。 一方のJ300は、ネットではなくリアルから「コラボ」を生み出すためのイベントです。300人以上の女性社長にご参加いただく交流会を実施し、会員同士の交流がさらに発展するようお手伝いします。 また、その交流を通して新たなアイデアやプロジェクトが生まれた時には、当社もできる限りのお手伝いをします。特に女性経営者は、男性の経営者以上に手助けやフォローを必要とされる場面も多いですからね。
女性経営者が手助けを必要とされる理由とは、具体的になんでしょうか。
最もわかりやすいのは、家事や子育てで仕事の時間が圧迫されている例ですね。 たとえば多くの場合、男性の経営者は時間のほとんどを仕事のためだけに使えます。でも、いくら経営者とは言っても、女性が子育てや家事から完全に解放されるのは難しいというのが現状です。 そういう時、当社のスタッフが参加することで女性経営者の時間不足を補完できればと考えています。具体的には、ディレクション担当のスタッフを派遣したり、チーム単位でプロジェクトに関わったりといった役割が多いですね。
横田さんたちがプロジェクトを束ねるという感じでしょうか?
いえいえ、それは恐れ多いといいますか、無理です(笑)。 女性経営者の皆さんはどの方もバイタリティに溢れておられますから、私たちが束ねるのは無理ですし、また、その必要もないと考えています。 私たちの役目は、経営者の皆さんが実力を発揮するための潤滑油になることです。わかりやすく言うと「パシリ」のようなものですよ(笑)。 さらに、女性起業家同士だけではなく、老舗企業や大手企業とのプロジェクト推進もコラボラボの役割だと考えています。 私たちが参加することで女性経営者ならではの発想や事業をお手伝いできれば、こんなに嬉しいことはないですね。
女性の力で日本を元気に!「好き」を貫く強さが生み出す新企画
女性経営者ならではの発想というと、どのような例があるのでしょうか?
女性ならではの可愛い企画としては、東北復興支援プランのひとつ「ぬいぐるみの旅行代理店 with 東北」などが挙げられますね。 これは「東北を応援したい。でも、そう簡単には旅行に行けない」という世界中の方々に向けたサービスです。具体的には「お客様からお気に入りのぬいぐるみを送っていただいて、ぬいぐるみに『旅行』をさせる」ツアーとなっています。 旅行の終了後は、東北の観光地で撮影した「ぬいぐるみの記念写真」とともにぬいぐるみを返送します。
ぬいぐるみの旅行ですか。確かに、男性だけだとなかなか生まれなさそうなアイデアですね。
そうですね。男性しかいない環境でこのアイデアを出しても「そんなの申込者がいるわけないだろ」と一蹴されるかもしれません(笑)。 でも、こういった自由なアイデアが飛び出てくるのが女性経営者の魅力ですし、それを生み出すための仕組みが女性社長.netやJ300だと思っています。
現在、皆さんは上記のような東北復興支援プランに力を入れられているんですか?
はい。私たちの力が東北の復興に役立つよう、JTBの協力で「被災地とともに考えるビジネス合宿」も行いました。自分たちの目で実際に東北を見て回って、何か力になれることがないかとアイデアを出し合ったんです。 そして生まれたのが、先ほどのぬいぐるみツアーも含めた3つの企画でした。 現在動いているプランは「萌えキャラステッカープロジェクト」「ぬいぐるみの旅行代理店 with 東北」「被災地からの言葉のサプリ」の3つです。 URL:http://wooooomens.jp/ec/user_data/support.php これらの企画を現地の方々にお手伝いいただくことによって、一時的な「募金」ではなく、今後にも可能性の広がる「雇用」を生み出そうというのが狙いです。
女性ならではの元気が出る企画を作り上げているんですね。
はい・・・と言っても、私たちは男性を除外しようなどとは思っていません。ただ、男性にも女性にも長所はありますから、それぞれの良いところをもっと生かしたいんです。 私が思うに、世の中の男性は「いい子ちゃん」になりすぎではないでしょうか。「個人としての嗜好や好みを極力抑えて、我慢しながら仕事を進めている」という印象ですね。 もちろん、組織としてはそういう人たちもいないと仕事が進まないわけですが、時にはそういった概念を打ち砕く、自由な発想が必要なこともありますよね? そこで生かしてほしいのが女性の力です。 ちょっと乱暴な言い方になりますが、女性って「偉くなろうとは考えていない」人も多いんですよ。我慢しながら出世することよりも「自分の好きな仕事をしたい」「自分がやるべきだと思ったことをやりたい」という「納得感」を大切にする方が多いんです。 これは、男性と女性のどちらが正しいという話ではなく個性の問題ですので、どちらにも良いところがあります。だから、世の中の男性経営者の皆さんにも、上手に女性の力を使いこなしていただきたいですね。 時には、お互いにズルくなって相手の力を利用してもいいと思うんです。例えば、同じアイデアを発表するにしても「これは女性に発言してもらった方が説得力があるかな?」とか、逆に「このアイデアは男性の口から言った方がいいかも・・・」といった風にです。 今までの社会はどうしても男性偏重になりがちでしたが、もっと女性の力との「コラボ」を進めれば、過去にない企画がどんどん生まれると思いますよ。
御社と横田社長の今後の展望をお聞かせください。
コラボラボの創設から7年近く経ちますが、振り返ってみれば「3年前にはできなかったことが、今はできるようになっている」と思わされることが多く、自分たちの着実な成長を実感しています。ですから、また3年後にも「3年前にはできなかったことを実現できたな」と思えるように努力を続けたいですね。 もちろん、目指すのは当社だけの成長ではありません。当社の重要な事業である「女性社長.net」や「J300」を通じてのビジネスコーディネートにさらに磨きをかけて、会員の皆様とともに成長を続けたいと考えています。 そして、どのような分野のビジネスにおいても「まずはコラボラボに相談してみよう」と頼られるような存在になれたら嬉しいですね。
取材日:2012年7月
株式会社コラボラボ
- 代表取締役:横田 響子(よこた・きょうこ)
- 事業内容:
- 女性社長.netの運営/ベンチャー企業(女性社長中心)の人材紹介/ビジネスコーディネート業務/PR業務
- 資本金:1500万円
- 所在地:東京都千代田区神田淡路町1-23-4 VICOLO6F TEL:03-6206-8650 IP:050-3601-6449 FAX:03-6206-8651
- URL:http://colabolabo.co.jp/
- 問い合わせメール:上記HP「お問い合わせ」ボタンより