WEB・モバイル2012.07.11

私たちは 何をしている人なのか? という問いかけから 導き出した答え。

東京
株式会社つくるひと 代表取締役 小野ゆうこ氏
 
 今回は株式会社つくるひとにおうかがいしました。 個性的な社名を持つ同社。教育業界のブランド戦略構築、ウェブアプリケーション開発やウェブサイト制作サービスを請け負っているとのことですが、時にはお菓子開発のプロデュースも行うなど、幅広く「つくる」仕事を手掛けられているご様子。 そんな株式会社つくるひとは、普段、どのような想いでお仕事に関わっておられるのでしょうか。社名の命名者でもある代表取締役の小野ゆうこ氏にお話をうかがいました。

たくさんの喜びを「つくるひと」

株式会社つくるひとを設立されたきっかけをお教えいただけますか?

もともとは個人事業主として、Webサイト制作やシステム開発のディレクション業務を行っていました。ですが、新製品コンセプト開発やプロモーションの流れ全体を受託するようになり取引先から法人化を勧められ、法人化いたしました。

つくるひと、という個性的な社名は小野さんが考えられたのですか?

はい。法人化した時、社名にこだわりがなくスタッフが考えた案で設立。ある大経営者の言葉に出会い、心を入れ替え会社経営に真摯に取り組もうと決意。その決意を表現すべく社名を「つくるひと」と私自身が考え社名変更をしました。 私たちは何をしている人なのか?という問いかけを何度も繰り返しました。「たくさんの喜びをつくるひと」「普通の人が善い仕事をする仕組みをつくるひと」「個人の学び成長の楽しさをつくるひと」と自分の導き出した答えに共通している言葉が「つくるひと」だったのでこれを社名としました。

では、そんな御社の特徴や強みとはなんでしょうか?

お客さまから重宝されていることは、「わかりやすさ」「面倒見のよさ」「視点の面白さ」です。例えば、通販サイトの立ち上げについて依頼があったとします。ほとんどのお客さまは専門的な知識はもちろんのこと、基本的なインターネットやウェブに関する知識も学ぶ機会を得ずにウェブサービス開発に臨まれます。「こんな感じのことがしたいな」という漠然としたイメージをお持ちで、それを言語化できるすべをもっていらっしゃいません。不安感を強く持っている状態だと思います。 そういったお客さまに対して面倒な専門用語を用いず、もし登場させる場合はどういうことかをたとえ話を使ってフォローしながら仕様を明確にしていきます。当たり前のことのようですが、この部分で理解の誤差を限りなく小さくしておかないと、「つもりだった」や、「いったいわない」という決定的な仕様変更となりかねません。そもそもの目的から何を数値にして改善施策をうつのかなど、制作、開発一連の流れを顧客視点でともに歩ませていただきます。

安心して相談ができる会社なんですね。

はい。お客さまの目的を明確化、具体化できれば、「本当に役立つ成果物」の提供につながります。お客さまの中には、安価なシステムを利用して、カスタマイズのきかない運営環境に人財を慣れされることを選択される方がいらっしゃいますが、目に見えない人的コストがかさんでいたり、目的を曖昧にしたままWebサイトを作ろうとされている方が意外に多いんです。目先のコスト、デザインやコンテンツなどに目を取られてしまって、肝心な目的を置いてきぼりにしてしまうんですね。 ですから当社では、お客さまと一緒に「何を目的としてサイトを立ち上げるんですか?」というスタート地点に立ち戻って相談させていただく場合もございます。 「こんなデザインにしたい、こんな画像を使いたい」という表面的なご要望に従うのは簡単ですが、効果的な成果が得られるとは限りません。 つくるひとの使命は単にサイトやシステムを構築することではなく「たくさんの喜びをつくる」「善い仕事をする仕組みをつくる」「成長の楽しさをつくる」ことですから、お客さまに確実な成果、利益を得ていただくことに貢献できるよう向き合わせていただきます。そのために、お客さまのご要望や計画に対して、ヒヤリングをさせていただき、別案を提示することもあります。 今後も、企業とエンドユーザーをつなぐ「体験」や「コミュニケーション」をデザインして、数字の出せるウェブサービスを提供していきたいです。

仕事の楽しみを「つくるひと」

では、御社が今後、挑戦していきたい企画などはおありですか?

実は当社には「パンダ侍」というオリジナルキャラクターがいるのですが、今後はこのパンダ侍を使って楽しみたいと思っています。 パンダ侍は、当社の毎週火曜日に配信しておりますメルマガ「パンダ新聞」の特集記事、「パンダ侍が斬る」というコーナーで登場するキャラクターです。パンダ新聞のコンセプトは、白黒両方あって愛される生き物パンダのように、ハイブリッド感覚で生きていこうよ、というもの。ブランディングやマーケティング、顧客視点などに関連する考え方やちょっと面白い取り組みなどを記事にしています。企業メルマガを楽しくしたい、と思い、設定した息抜き程度のキャラクターだったんです。 ですが、このパンダ侍に対す反響が予想以上に大きくて、メルマガに返信をいただいたり、Facebook上でメルマガ読者の方がコミュニティを作ってくださったりと、応援をいただいております。パンダ侍が支持されているのであれば、それをもっと楽しんでもらえるよう発展させていきたいと考えています。 メルマガ読者に作っていただいたFacebookページを中心媒体にし、パンダ侍の認知づくりをスタートしました。パンダ侍は語尾に「ござる」をつけるのが癖なので、コメントをいただくと「ござる」をつけていただいており、皆さんとても楽しそうなんです。 そこで、「世界にござるを!」をコンセプトに日本の礼節と、パンダ侍の視点を発信していこうと思っています。海外の方も、「I think so, gozaru」なんて言ってくれるにちがいないと、つくるひとメンバーたちで楽しんでいます(笑)。 今後、Ustream上で「パンサムTV」と題した番組を配信したいね、と相談し合っています。

東北の雇用を「つくるひと」

東北の雇用創生とは、どういった計画ですか?

まだ実験段階なのです。東北大震災による被害を受け、仮説住宅に住んでいるお母さんたちの内職のお仕事を作り出していきたいと考えているんです。 現在進行中なのは、海外の日本アニメファン向けに萌えキャラステッカーを販売するプロジェクトです。テスト販売を開始する予定なのですが、製造から梱包、発送までを事業化し最終的には事業運営までを東北で行なえるようにしたいと企画しています。

きっかけはなんだったんですか?

世界で初めてとも言える複合災害を前にして、私自身、心を痛めつつも、何も決定的な協力はできないままで悔しい想いを抱えてきました。 最近、女性社長たちで行く復興支援ツアーに参加し、地元の社長さんたちと交流する機会をいただきました。お話をを伺うと、みなさん異口同音に「会社と従業員を守りたいけど、そのための仕事がない」「販路がない」とおっしゃる。 そこで、まずは販路開拓が必要だと思い、海外や国内でのつながりづくりを軸にコンセプトを構築しました。今後はこのコンセプトを具体化していき、少しでも事業再生の協力ができたら嬉しいです。

取材日:2012年6月

株式会社つくるひと

  • 代表取締役:小野ゆうこ(おの・ゆうこ)
  • 事業内容:
    • ブランド戦略/システム開発/人材開発
  • 所在地(本社):東京都世田谷区成城2-34-13-601
  • TEL:03-5727-3877 FAX:03-5727-3878
  • URL:http://biztool.jp/
  • 問い合わせメール:上記サイトの「問い合わせ」ボタンより
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