WEB・モバイル2010.02.20

日々誠実にコツコツと、 アウトプットのクオリティを 最優先とする姿勢

東京
有限会社サイクロンエンターテインメント 代表取締役 小川敦氏
 
2004年の設立以来、順調に業績を伸ばしているサイクロンエンターテインメント。ゲーム、携帯アプリなどのゲーム開発から、映像制作、WEBコンテンツ制作まで守備範囲とするデジタル制作会社。いわゆる、ソフトハウスだ。 代表取締役の小川 敦さんが2人のプログラマと意気投合し、勢いで(当人弁)で設立した同社だが、仕事の質にこだわる制作姿勢が多くのクライアントから支持されている。厳しい経済状況のもと、着実に歩みを進める同社の経営方針などについてうかがいました。

アウトプットのクオリティを最優先とする姿勢が クライアントから評価されたようです。

御社の特徴を教えてください。

特徴と言えば、プログラマが真ん中にいる会社という点が一番にくると思います。私はディレクターですが、それ以外の主要スタッフはプログラマで構成されている会社です。 彼ら、制作スタッフが「おもしろい」と感じて情熱を注げる仕事を獲得してくるのが私の主な仕事だと考えています。

ゲーム業界にも不況が訪れていると聞いています。そんな中、業績を好調に維持できている秘訣は?

ありがたいことに、2004年の設立以来6期連続で黒字となっています。さまざまな幸運と色々な方々のお力添えがあっての業績で、いつ何が起こるかわからない(笑)と自覚はしていますが、あえて好調の要因をあげるなら、常にアウトプットのクオリティを最優先とする姿勢がクライアントから評価されてのことと思います。

「クオリティ最優先」のために、心がけていることはありますか。

お受けする仕事に関しては、事前に内容を精査させていただいています。私ひとりの判断ではなく、必ず担当予定の制作スタッフも参加させ、内容を吟味。開発期間などの付帯条件を検討し、これでは良いものをつくれないと判断すればきっぱりと辞退します。経営者としては仕事をお断りするのは断腸の思いなのですが(笑)、そのルールは設立以来堅持しています。

制作スタッフがいきいきと仕事に取り組めるようにする。 そこが大事だと思っています。

高いクオリティを守るために自らにも厳しいルールを課している点は、仕事を発注する側も理解しやすそうですね。

当社は、いわゆるソフトハウスです。私と、プログラマであり取締役である安部隆太郎、もうひとりのプログラマの3人で会社を立ち上げた折から、プログラマを中心に質の高い仕事をしていくことを大目標に掲げました。 目標はある意味シンプルなので、すべきことを見出すのにそれほどの時間は要しませんでした。

でその他に、「すべきこと」はありますか?

制作スタッフが気持ちよく、情熱をもって仕事できるよう環境整備する。そこに最大の力を割いています。

作り手の意見を尊重して、時には仕事を断るのもその一環ですね。

制作スタッフに「いやいや」仕事をさせても、絶対にいいものはできませんから。とにかく彼らがいきいきと仕事に取り組めるようにする。そこが大事だと思っています。

『スカイクロラ』で、モデリングの評価も獲得。 将来は、ロボット開発にも進出したい。

御社の実績には華々しいタイトルが数多くありますが、個人的に『スカイクロラ』が気になりました。あの映画は、大好きなもので。

あれは、当社が飛行機のモデリングを担当させていただいたお仕事です。監督の押井守さん、メカニックデザインの竹内敦志さんと直接打ち合わせさせていただき、心地よい緊張感を楽しませていただけたことが印象的です。 実は私は映像ディレクター出身なので、映画の案件には心躍るものがありますね。

この場合、プログラマは?

私とデザイナーの参加です。私が打ち合わせで指示をいただき、当社デザイナーチームを統括し、イメージを固めていくフローでした。打ち合わせでは私やデザイナーの意見もいくつか採用していただいたので、とても楽しかったですよ。 おかげさまで、『スカイクロラ』を評価し、「メカデザインをやってみないか」と依頼をくださるクライアントも現れました。これもプログラマのいらない案件ですので、自分のデスクで、ひとりアイデアを練っています。

映画やメカデザインのお話をしている小川さんの目は、ちょっと違う輝きを放ちますね。

やっぱり好きですからね。映画が。個人的には、いつかこの会社が本当の軌道に乗ったら、会社とは距離を置いたところで映画製作に取り組みたいと夢見ています。

会社としての将来展望は?

さきほどご説明した基本ルールを堅持して、より良いものをつくり、クライアントの信頼を得られる会社でいつづけたいですね。 その先に、夢として、たとえばロボット開発に進出することなどを会社の将来目標に置いています。ロボット開発とは、いわゆるAI開発ということになるわけですが、この分野へのニーズにはかなり将来性があると思うのです。

そういう分野をめざすと、成功のスケールも桁が違ってきそうですね。

成功すれば、そうでしょうね。ただ、当社はまだそれほど体力のある会社ではありませんから、屋台骨に影響するような先行投資をするつもりはありません。あくまで「日々誠実にコツコツと積み上げていく」という側面が強いです。背伸びして、大きな失敗をし.て、社員や関係者を路頭に迷わせては意味がありませんから。もちろん勝機のチャンスがあれば、くらいついていくつもりですが、常に身の丈に合った経営を心がけたいと考えています。

取材日:2010年2月

有限会社サイクロンエンターテインメント

  • 代表取締役:小川敦
  • 取締役:安部隆太郎
    • 事業内容:
    • コンシューマゲームの開発、請負
    • 携帯用アプリ、コンテンツの制作
    • 家庭用ゲームおよび大型映像用CGの受注・制作
    • PC用ゲームの制作
    • 映像コンテンツ制作
    • 携帯、ネットワークゲームのサーバ構築・管理
    • WEB、インターネットコンテンツ制作
    • 業務用アプリケーション、プログラムの制作
    • その他
  • 設立:2004年6月1日
  • 資本金:1000万円
  • 所在地:〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-28 ハトヤビル4F
  • Tel&Fax:03-3219-3196 (臨時分室/同ビル1F)03-3219-3197
  • URL:http://www.cyclone-ent.co.jp/
  • 問い合わせ:上記HP「お問合わせ」ボタンより
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