WEB・モバイル2009.11.20

精錬したブログ情報を利用した もっとも新しい広告手法

東京
株式会社ブログウォッチャー 代表取締役 羽野仁彦氏
 
HPトップページに、「一人ひとりの小さな声(クチコミ)を集め、次の一歩を踏み出せるチカラに」 とキャッチフレーズが記されている。 独自開発した解析技術をもとに、世にあふれる6億程のブログ記事の中から、口コミ情報として活用できるブログ記事を“抽出”。抽出したブログ記事を顧客ホームページ内の商品紹介ページに口コミ記事リンク集として自動提供し、顧客のWEB販促領域のソリューション事業を展開しているのが、株式会社ブログウォッチャー(以下、ブログウォッチャー)だ。 膨大にあふれるネット上の情報の中でも「生かし方」が確立されておらず、「生かせれば」強力なツールになると目されるブログ情報を、いよいよほんとに「生かせる」会社が現れたと言っていいだろう。代表取締役/羽野仁彦さんに、お話をうかがった。

まず、率直にうかがいます。御社はどんなことをめざしていて、どんな評判を獲得している企業なのですか?

簡潔に言えば、「ユーザー参加型キャンペーンと言えば、ブログウォッチャー」と言われるような存在になるべく努力を重ねています。事実、そのような実績を着実に重ねつつあり、クライアントからの評価も着実に上がっているところです。

ブログで「ユーザーの声」を拾う行為は、消費者が、企業情報以外から有益な情報を得たいと思うからこそと思います。消費者がネットを活用して、商品・サービスの検討をする際に、そのブログ情報が企業情報とマッチングしているというのは、かなり強力なPRになりそうですね。

現時点で、もっとも新しい広告手法と言っていいでしょうね。念のために触れますが、私たちの実施するキャンペーンに参加するブログ情報には、ねつ造など一切ありませんよ。だからこそ、閲覧者の信用を得られるわけですから。 私たちは、独自の技術で自然に書かれているブログの中から、掲載するブログ情報を高い精度で、きわめて速やかに抽出し、クライアントに提供する部分で勝負をしているのです。

御社のPRフレーズに「ブログでメディアをつくる」とありますが、つまりは、たくさんのブログ情報を抽出し、求められる情報発信ができるノウハウが武器だということなのですね。

そうです。ブログ情報は「生の声」だからこそ、今、各企業が大きな注目を寄せています。広告の情報発信に消費者の声を入れられるものなら、ぜひ入れたいと多くの関係者が望んでいる。が、それは、「生の声」だからこそ、集め方も扱い方も難しい。そこを専門業者に任せられるとなれば、この分野への期待はかなりの速度で膨らむと思うのです。

羽野さんは、実際にその「膨らむ期待」を予見して、この会社を起業したわけですね。

ブログが登場した2003年当時、すぐに「すごい可能性を持ったものが、出た」と直感しました。HP制作などに携わっていた経験で、「毎日更新する」ことの意味のすごさを理解したからです。企業HPなどは、よくて月に1度の更新、という時代でしたからね。情報の量も、流通速度も、一気にスケールアップすると思いました。

そんな御社の事業を支えるのは、「テキストマイニング技術」、「レコメンデーション技術」と呼ばれるもので、CGM(コンシューマ・ジェネレイテッド・メディア)を解析する「SHOOTI(シューティ)」、ページから発信されるping情報からキーワードの関連性を解析する「thatsping(ザッピング) 」など、独自開発エンジンを駆使しています。

弊社のブログ解析エンジンである「SHOOTI(シューティ)」は大学の研究室で温められていた技術を、当社で実用化したアプリケーションです。 すでに日本のブログ経験者は累計約2000万人、常時更新をしているブロガーが約300万人と言われます。統計的には、今こうしている毎秒、4記事のスピードで新しい更新情報がアップされている。その膨大な情報が「原石」とすれば、私たちがシステムとノウハウを駆使して情報をより分ける作業はまさに鉄鉱石を鉄に変える「精錬」作業です。どんな検索エンジンを使っても、当社が提供するほどの精錬度を持ったブログの有益情報は得られない。そう自負しています。

すごいエンジン、アプリケーションの威力をフルに活用しているのですね。

実は、当社が行う「精錬」作業の最後の一工程には、ほとんどの場合「人の目」によるふるいがかけられています。 アプリケーションが行うのは、いわゆるフィルタリングで、ブログ記事の誤字脱字や語法やテーマの一貫性などを自動的に「校正」しているようなもの。もちろん、スパムメールはノイズとして早い段階で、はじいてしまいます。それでかなりの「精錬」が進むのですが、クライアントに提供する情報に仕上げるには、最後に、ブログ情報に対する絞り込み・除外ワードの設定など、プロの目で評価する工程が欠かせません。 フィルタリングだけでは、人間の目に相当する精査はまだ無理なのだともいえます。

なんとも潜在的な魅力にあふれた分野ですね。ブログ情報を有効活用したいと考えるクライアントさんは、増える一方では?

期待は、かなり膨らんでいると実感します。当社の実績が、さまざまな業種にわたっている点からもそれは推し量れるでしょう。ただ、今はまだ過渡期であるのも事実です。 まず、第一のハードルは、大手企業が「ブログ情報」に使う資金を予算化できていない。当社の提供するサービスを興味深く受け止めてくださった担当者さんも、いざ発注となると、該当する予算を探せなくて断念することが多いのです。 そしてもうひとつ、ブログ情報への無理解と過剰な期待。前者は書いて字のごとくですが、後者も実はかなりの障害になります。ブログ情報の利用をまるで魔法の杖のように考えるクライアントとも、案件の成立は難しい。

今後への抱負をお聞かせください。

情報量の比率でみれば、すでに企業HPによる情報発信とブログによる情報発信の対比は1:3ほどになっています。そんな状況だからこそ、雑多な情報の中からよい記事だけを精錬することが重要な意味を持ちます。 そしてさらに、精錬したブログ情報を企業情報とマージ(併合)して、これまでになかった強力な情報発信、広告メッセージ発信を手助けするのが当社の事業です。これまでになかった、これからは欠かせないソリューションで、多くのクライアントに支持される企業になっていきたいと考えています。

取材日:2009年11月

株式会社ブログウォッチャー

  • 代表取締役社長:羽野仁彦
  • 事業内容:
  • ブログを活用したメディア事業
  • オーガニックなSEOを提供するソリューション事業
  • 設立:2007年4月2日
  • 資本金:5,000万円(2007年4月2日現在)
  • 所在地:〒104‐0061 東京都中央区銀座7-2-6 アネックス1ビル7階
  • TEL:03-3575-7731
  • FAX:03-3575-1295
  • URL:www.blogwatcher.co.jp
  • 問い合わせメール:上記HP「問い合わせ」ボタンより
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