講師陣は各界トップランナー 各講師オリジナル教材でのワークショップ
- 東京
- 株式会社ロクナナ ディレクター 佐々木京子氏
制作の現場から教育の場へ、 身につけたものを出しつづけることによって自らも成長し、 教育の場で新しい人材も育っていく。
制作会社がワークショップ運営で、クリエイターの教育にも取り組んでいる。ありそうで、実はあまり例のないことと思います。
当社の誕生は、1996年にデジタル分野で活躍していたクリエイターたちが結成したフリーランスグループ「ロクナナ」に端を発します。その後、2001年にロクナナを有限会社化し、2003年に株式会社に。67WSの教育事業は、2003年からスタートした事業です。 当初はきわめて小さな規模で月に数回の開催で始まりましたが、時間とともに徐々に育って現在に至っています。 現在、株式会社ロクナナの事業比率は制作が約70%、教育が約30%となっています。
御社が、教育事業に進出した動機やきっかけは?
1990年代に制作の世界で、「CD-ROMバブル」がはじけました。かなりの数の制作会社が、倒産し、消滅しました。 職を失った方も多くいましたが、当社の主なメンバーたちは「若手が学ぶ場所がなくなっている」点に注目し、憂慮したそうです。やむを得ずフリーになり、下請的な仕事ばかりをすることになり、技術や制作の力を伸ばす機会を失った方々をなんとかサポートできないか。それが教育事業進出の動機でした。
制作事業と教育事業を両立させていることの意義は?
デジタルクリエイティブの世界は、あまりに技術革新のスピードが急です。特にインターネット分野などは、文字通り日進月歩ですね。今日有用な技術が、明日にはいらなくなると言ってもいい(笑)。 制作会社としての当社も、日々勉強しなければすぐに取り残されます。そして、私たちは、もっとも効率よく勉強する手立ては、「蓄積したノウハウや知識をどんどん外に出すこと」だと信じています。制作の現場から教育の場へ、身につけたものを出しつづけることによって自らも成長し、教育の場で新しい人材も育っていく。当社が教育事業を重要な柱と位置づけるのは、そんな考え方をベースにしているからです。
サイト上で各講座のレベルを明示し、 自己診断のための問題を掲載。
67WSの特徴は?
まず、受講生最大6名の少人数制で、1日限定6時間の集中講義であること。そして、各界のトップランナーである講師陣が、すべてオリジナルで作成した教材で実施するワークショップであることです。 手前味噌になりますが、よくぞこんな方が講師を引き受けてくださった(笑)と思うような方ばかりが参加してくださっています。現在、登録講師は計17名です。 また、67WSそのものは、講座としてのワークショップとともにイベント事業も内包していて、講座とイベントが2本の柱となっています。
講座の教材がオリジナルというのは、魅力的ですね。
だからこそ、「ワークショップ」なのだと考えています。運営側が教材を用意し講師に渡すスタイルでは、結局のところお仕着せですし、講師がカリキュラムをすべて理解などできない。その点、67WSは教える方が自身で考え構築したカリキュラムですから、つまりは内容のレベル、密度が他とはまったく違います。講座当日に参加者の技量やキャラクターに接して、その場で、その日もっともふさわしい内容に講義をつくりあげることなども、67WSならではのことと自負しています。
受講生の反応はどうですか?
毎回、講座終了後にアンケートをとっていますが、ほとんどの受講生が「満足している」と返してくださいます。アンケートに希望意見などがあれば、講義終了後すぐに講師と打ち合わせし、次回のカリキュラムに反映させるよう心がけています。 また、満足度はもちろん講義内容の素晴らしさが最大の要因ですが、講義内容と受講生のマッチングが上手くいっていることも影響していると思います。67WSでは、サイト上で各講座のレベルを明示し、自己診断のための問題も掲載し、受講生の希望や技量とカリキュラムのマッチングに細心の配慮をしています。
クリエイターがクリエイターのために、 小規模で、最新技術情報を提供。 赤字ぎりぎりの運営で、イベントも開催。
67WSのイベントとは?
2006年「Adobe + ROKUNANA presents: Flash 8 INSPIRATION SCENE Summer Jam」を開催したのを皮切りに、最新の技術情報をより多くの方にお届けするために企画、運営するようになったイベントです。毎回なるべく小規模にと、100人前後のキャパシティで開催し、これまで述べ7,000人の参加者を集めました。 人気の秘密は、講演内容と入場料、加えてプレゼンのクオリティを換算してのコストパフォーマンスの高さにあると思います。運営面では、正直、赤字すれすれです(笑)。それでも、多くの若いクリエイターたちに新しい知識を身につけていただいければ嬉しいと考え、運営しています。
佐々木さんご自身も、デジタルクリエイターなのですね。
はい、今でも時折、制作部門で実際に仕事をしています。教育部門のディレクターの仕事にも、現場の感覚は必須ですから。ワークショップ運営に関して疑問や悩みがあった際、制作部門のクリエイターにすぐに相談できる環境も大きな力になっています。
佐々木さんが個人的に67WSのアピールを求められたら、どんな風にプレゼンテーションしますか?
なんといっても、講座が、業界最小と言っていいほど規模が小さいことでしょう(笑)。小さいから小回りがきく、受講生が望んでいることを適確にリサーチして、迅速に講義に反映できる。その点に満足してくださる方がいらっしゃるので、67WSにはリピーターが多いのだと受け止めています。 また、講義に使うパソコンやアプリケーションは「常に最新で最先端を」と心がけ、かなりの設備投資をつづけています。
取材日:2009年7月
株式会社ロクナナ(英語表記:rokunana & Co.)
- 代表取締役:上田キミヒロ
- 部門:
- 【制作部門】
- Webサイト、モバイルサイトの企画、コンサルティング、制作、運営
- Adobe Flash(ActionScript 3.0)、AIR等コンテンツ開発
- Movable Type,WordPressを使用したWebコンテンツ開発
- Gainer・FIO・Phidgets等ハードウェアのプロトタイピング開発
- DVD・CD-ROM等マルチメディアコンテンツ制作
- グラフィックデザイン(印刷媒体広告, エディトリアル, SP広告, CI/VI, パッケージ)
- 音源制作及び収録
- 映像制作, 3DCG等デジタル画像・映像の企画及び制作
- 【撮影部門】
- デジタル・スチール写真撮影 及び取材
- 【教育部門】
- ロクナナワークショップ 運営
- イベント, セミナー等の企画及び運営
- 書籍、教科書、教材DVD等の企画及び制作
- 教育機関、イベント、講演会への講師派遣
- 【研究開発部門】
- プロダクトの企画及び制作
- オープンソースの活用研究
- 次世代アプリケーション研究開発
- 【販売部門】
- オンラインショップ「67store」 の企画及び運営
- 自社製品及び Adobe Creative Suite を取り扱い
- 【制作部門】
- 設立:2001年(2003年に株式会社化)
- 資本金:1,000万円
- 所在地:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前1-1-12 原宿ニュースカイハイツ#203
- TEL:03-3408-4605
- FAX:03-3408-4625
- URL:http://www.rokunana.com/ (ロクナナワークショップ http://67.org/ws/)
- 問い合わせメール:こちらから