技術力は土台。 真心を込めて、 丁寧に物づくりをする。
- 東京
- 株式会社イエローワーカーズ 代表 齋藤利彦氏
今回おうかがいしたのは、株式会社イエローワーカーズです。Webサイトやスマートフォンアプリなどの企画制作を手掛ける一方、アフリカ民芸品の販売も行っているという同社。一見すると、なんの関わりもなさそうな二つの事業。その根底に流れる共通する仕事への想いについて、代表の齋藤利彦さんにおうかがいしてみました。
丁寧な物づくりで、デジタルにも体温を
はじめに、株式会社イエローワーカーズの主な事業内容についてお教え願えますか?
弊社はWebやアプリの企画、制作を手がける制作会社です。設立してまだ3年目で、スタッフも20代が中心のまだまだ若い会社です。スマートフォンの普及に従い、現在はアプリ開発の依頼を多くお受けしています。
設立から3年目とのことですが、立ち上げの際にご苦労などはありませんでしたか?
やはり1年目は大忙しで、ほとんど休みも取れませんでしたね。私自身もともとエンジニア出身なのですが、起業となると営業やディレクション、開発などを全て担当しなくてはなりませんから。 ただ、当社は比較的早くからスマートフォンアプリの開発に注力していたことは幸いでした。ちょうど世間でもスマートフォンが普及し始めた時期でしたので、多くのお客様からご依頼をいただくことができました。ただ、そのせいでますます人手が足りなくなり、私が休みを取れないという苦労はありましたが(笑)。 ですから、現在も代表としての仕事だけではなく、私自身もディレターやエンジニアとして現場でも動いています。私に限らず弊社のスタッフはそれぞれ得意分野を持っていますので、各人の連携は欠かせませんからね。
では、御社の皆さんが仕事を進める上で大切にされていることはなんでしょうか?
いろいろありますが、「真心を込めて、丁寧に物づくりをする」ということが一番でしょうか。Webやアプリの制作に携わっていると、どうしても技術力にばかり目が行きがちです。でも、そのせいで視野が狭くならないよう常に心がけています。あまり技術にばかり走りすぎると、エンドユーザーにとってわかりづらい、利用しにくいものになってしまいますからね。 もちろん技術力は土台として必要不可欠なのですが、そこに溺れることなく細やかな工夫や気遣いを上乗せしたい、というのが我々の想いです。 弊社が扱っているサービスは直接手に触れることはできないデジタルなものですが、心を込めて制作することで、我々の情熱や体温をお客様に感じていただけたら嬉しいですね。
スタッフみんなで運営するアフリカ民芸品ショップ「SAWASAWA」
御社は一方で、「直接手に触れられる」物も制作されているそうですね?
はい。弊社では、「SAWASAWA」というブランド名で、アフリカ雑貨の企画制作や輸入販売も行っています。アフリカと一口に言っても広いですが、SAWASAWAで扱っているのは主にケニア、ウガンダの民芸品ですね。
どうしてアフリカの民芸品を扱われることになったのですか?
アフリカ在住の友人から贈ってもらった民芸品が想像以上に質の高いものだったため、ぜひ日本でも紹介したいと考えました。 また、その質の高さにもかかわらず、本国では職人たちのプライオリティーが低いと聞いたことも日本での販売を決意するきっかけとなりました。例えば日本であれば、熟練した職人は一定の地位や尊敬を得られますよね。ですがアフリカでは、その品質に見合う見返りを得られない職人たちがわりと多いようなのです。そこで、彼らのために私たちもフェアトレードなどで協力できないかと考えた結果生まれたのがSAWASAWAです。 もちろん、単に彼らへの協力、援助という想いだけではなく、その品質に惚れ込んだのも事実です。それに、彼らの丁寧な物づくりの姿勢に我々と通じ合うものを感じましたので。扱う製品は違っても、イエローワーカーズもまた職人の集団ですからね。 また、SAWASAWAの製品の梱包や発送なども全てスタッフのみで行いますので、普段の業務とは一味違う、直に物に触れる感覚を味わえるというおまけもあります。
SAWASAWAを通じてさらに高まる「職人」としての意識
デザイナーやエンジニアの皆さんが民芸品の発送なども行っているんですか?
はい。SAWASAWAに関する業務も特に部署を分けることなく、イエローワーカーズの全員で担当しています。こうすることで、私たちにとってもいい気分転換になるんですよ。 それに、SAWASAWAにはアフリカから仕入れた素材を使った自社オリジナル製品もありますので、自分たちが作り上げた物をお客様に直接お届けする感覚も実体験できます。Web関連の業務ではエンドユーザーと直接触れ合える機会は多くありませんから、自分たちの手で製品を届けられるというのは貴重な体験です。 現在のところ、売り上げ的にはSAWASAWAが持つ比重はあまり大きくないのですが、お客様と直に触れ合う機会を得られるだけでも我々にとって大きなメリットがあると思っています。 この体験を通じて、「お客様のために、より良い物を作ろう」という意欲をさらに高め、Web事業にも生かしていきたいですね。
デジタルとリアルを問わず、こだわり抜いたモノを提供する職人集団
今後、SAWASAWAは新たな展開も計画されているそうですが?
本業が忙しかったこともあってあまり大きな展開をしてこなかったSAWASAWAですが、来年からは実店舗を構えようと計画しています。店舗の場所はまだ検討中ですが、当社オフィスから近い渋谷か表参道近辺になる予定です。 今まではオンラインショップでの通販か、または時折イベント等にブースを出す程度の販売形式でしたので、常設店舗は我々にとって初の試みとなります。イエローワーカーズの新たな挑戦として、楽しみながら拡張していきたいですね。
では最後に、御社が求める人材の理想像をお教え願えますか?
「これだけは人に負けない」という得意分野や好きな分野がある人が理想ですね。Web事業においてもSAWASAWAにおいても、弊社に共通するキーワードは、「職人」です。ですから何かひとつ、その人がこだわり抜いた分野を持つ人に適した職場ではないかと思います。とはいえ、実際に入社したら、Web開発の傍ら民芸品の企画や発送もしてもらうのですが(笑)。 でも、だからといって、あらゆる分野を平均以上にこなせとは言いません。スタッフがそれぞれ得意分野を持ち寄って、互いに助け合って良い物を作れればいいと考えています。 これからもデジタルとリアルを問わずに職人としての意識を持って、確かな物づくりを続けていきたいですね。
取材日:2012年12月07日 記者:笠間裕之
株式会社イエローワーカーズ
- 代表:齋藤利彦
- 事業内容:
- ウェブサイト企画、制作、運営
- スマートフォンアプリ企画、制作、運営
- システム設計・開発・運営
- その他
- 所在地:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-40-10
- 株式会社イエローワーカーズ: http://www.yellow-workers.com/
- SAWASAWA: http://www.sawa2.com/
- 問い合わせメール:上記HP「Contact」ボタンより