感動を与えるアイデアを考え 出てくるものに保守的なものは ほとんどないです(笑)
- 東京
- 株式会社じんりき社 代表取締役社長 足立裕志氏
採用の先まで視野に入れているから、 「感動」というコンセプトが必要だった。
内定通知映像のサンプルを見せていただきました。映像もメッセージも、しかも音楽もオリジナル。これは、受け取った学生さんは嬉しいでしょうね。
そうですね。昨今の学生さんは、生まれながらの映像世代ですから。文章より映像情報の方が、入り込みやすい。企業と学生のコミュニケーションは、入り口で間違うと後が大変ですからね。
クライアント企業からの、反応は?
昨年がこの企画の初年度で、採用企業さんはほんの数社でしたが、成果の高さに評価をいただけています。今年は、すでに「数百人規模の内定通知として使いたい」というクライアントさんも決まっています。
御社は、「感動」をコンセプトに採用をコンサルティングする会社。内定通知映像も、そのコンセプトの一環で出たアイデアなのですね。
はい、その通りです。当社は、企業の人材育成コンサルティングで実績のある「じんざい社」から派生した会社。じんざい社で培った教育ノウハウをベースに、これまでとは質の違うアプローチで採用をコンサルティングする採用支援会社です。人を育て、定着させる部分は、既存の採用支援会社が守備範囲とはしていませんが、当社はそこまで視野に入れられるのが強み。「感動」というコンセプトも、企業と人材が体温のある出会いをしてほしいとの願いから出たものです。その一環として、内定通知映像というコンテンツのアイデアも生まれました。
なるほど、「採用できたら終わり」ではなく、その先まで見ているから「感動」が必要だし、ここまで細やかなコミュニケーションの企画も生まれるのですね。しかし、音楽までオリジナルとは。
昨年作った内定通知映像用の音楽には、事前にCDになって発売されているものもあります。著作権をクリアするために専門家の集まったレーベル会社と提携していますから、そんなこともできます。
かなり、もの作りに長けた会社と感じます。
いえ、私などは、クリエイティブに関してはド素人ですよ。内定通知映像に関しては、社内に1人、専属の制作スタッフがいますが、基本的に制作物は外注です。当社の場合は、制作のアイデアがコンサルティングの一環として出るわけですが、ユニークな制作企画になることが多く、その都度さまざまな方に相談しています。
印刷物もいくつかサンプル見せていただきましたが、パズルのような不思議な折の冊子や人気雑誌のパロディや、ほんとうにユニークな制作物ばかりですね。
すべて採用コンサルティングの一環として出ているアイデアなので、制作物単体のコストは、無視とは言えませんが、かなり冒険できますからね。私たちはクライアントの採用担当者さんと同じ目線で「学生に感動を与えるには」と考えて、いっしょにアイデアを出すので、出てくるものに保守的なものはほとんどないです(笑)。
採用ノウハウを無料公開する予定。 私たちのコアビジネスは、その先にある。
一連の制作物もそうですが、御社の事業の先鋭さ全般に、「現代の学生、若者の心が掴めている」という自信を感じます。
母体であるじんざい社が、その分野のノウハウに長けていますから。厚労省のフリーター、ニート対策の公演活動に協力するなど、若者の気持ちに直接触れる中から、今のトレンドや、求めているものはしっかり掴んでいます。
最新の動向は?
いわゆる「ゆとり教育世代」が、そろそろ社会に出始めています。彼らは総じて挨拶も、人の目を見て話すのも苦手。そういう若者が増えることは、絶対に念頭に置くべきですね。
採用支援企業として、その他、新しく手がける予定の事業などはありますか?
近い将来、会員制の採用担当者さん向けポータルサイトを立ち上げる予定です。そこに会員登録していただければ、人材支援企業としてのノウハウを無料で公開します。スタンダードになった採用ノウハウは、どんどん企業担当者さんに共有してほしい。私たちのコアビジネスは、その先の、本当にオリジナリティを求められるコンサルティングであるという方針を明確にしたいのです。
スタンダートなノウハウは、無料公開。これは、反響を呼びそうですね。
ならば、嬉しいですね。後発である当社が、既存大手さんと同じことをしても意味はないですし、設立時点からそんなつもりはありません。むしろ、無料で手に入るノウハウではなく、当社とがっぷり四つに組んでオリジナルな活動をしたいと考えるクライアントさんと、じっくりと採用戦略を組み立てたい。そのような意思の表れでもあります。
本当の意味でのコンサルタントを育てるために、 関連会社をどんどん作る予定です。
御社の、今後のビジョンをお聞かせください。
まずひとつは、少人数で大企業との競争に勝てる仕組みを作る。もうひとつは、できるだけたくさんの関連会社を作る。そのふたつが、この3~5年間の目標です。
子会社を多く作るのですか?
目的は会社設立そのものではなく、多くの経営者を育てることです。コンサルタントという仕事は、企業の経営層に対してアドバイスをします。では、その経営層の気持ちを知るにはどうするか?私たちは、自分も経営経験を持つべきだとの考え方をします。他社のコンサルタントは、経営経験のない部分を知識で埋めているわけですが、当社は、本当の意味での経営経験を持ったコンサルタントをたくさん育てようと考えているわけです。
なるほど、とても説得力のある論理ですね。
ですから、今後、当社からはたくさんの社長が生まれる予定。経営経験を積ませる意味で、社員を早い段階で役員に登用することも考えています。
取材日:2008年2月8日
株式会社じんりき社
- 代表取締役社長:足立 裕志(じんざい社取締役を兼務)
- 資本金:3,000,000円
- 事業内容:
- 人事向けポータルサイト(じんざいマガジン)の運営
- 採用ブランディングコンサルティング
- 人材採用に関する広告代理業
- プロモーション事業(採用サイト・各種ツールの企画/制作)
- 設立:2007年7月2日
- 所在地:東京都渋谷区代々木2-4-9 新宿三信ビル7F(スターティアレナジー内)
- TEL:03-5304-0880
- FAX:03-5304-1867
- URL:http://jin-riki-sha.jp/
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