僕は明らかに お金儲けのために仕事はしていない どうもそういう欲求がない(笑)

東京
株式会社モイ 代表取締役 大竹真二氏
 
1995年に誕生した「編集スタジオ・moi」は、当時まだ少なかったAvid編集のできるスタジオとして静かな人気を呼んだ。設立メンバーである大竹さんは映像ディレクター、稲垣さんはCGディレクター。つまり、作り手の感覚で始まった編集プロダクションで、それも人気の秘密になっている。そんな株式会社モイが、この夏、渋谷区富ヶ谷に移転。マンション1階フロアをすべてスタジオとして改装した新社屋で、リニューアル&パワーアップして営業をスタートした。心機一転の真っ只中で、代表取締役/大竹真二さんにお話をうかがった。

スタジオにはモニターしかないので、スイッチひとつで 作業を別部屋にすぐ移せる。けっこう自慢の機能です。

新スタジオは、素晴らしいですね。

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結果的に、良いスタジオができましたね。かなり満足しています。

「結果的に」とは?

以前のスタジオが手狭になっていたのは事実で、拡張や移転は考えていないことはなかった。でも、具体的にどうしようということは、そんなに真剣に考えていたわけではないんです。ほんとうに偶然に、不動産屋さんが「良い物件がある」という情報をくださって。いろいろと良い条件を出してくださいました。それで、「これなら引っ越せるね」となって移転が決まりました。

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新スタジオの特徴は?

マシンをマシンルームに終結させて、編集ルームにはモニターだけを置いています。こうすれば作業中の編集も、スイッチひとつで別の部屋に移すことができます。

スイッチひとつで切り替えられることのメリットは?

スポンサーの担当者さん立会いの編集は、当然広い部屋がいい。一方、監督とエディターがふたりきりでする作業などは、むしろ狭い部屋の方が落ち着く。編集作業にはそれぞれそういう特徴があるので、簡単に部屋を移せるというのはかなりメリットがあります。それともうひとつ、マシンをひとつの部屋に集めることでメンテナンス管理にもメリットが生まれています。集中管理できるということもそうですが、マシンのために部屋を低温に保つのもマシンルームだけで良くなった。これまでは、マシンのために編集ルームが寒くなるのが宿命で、ジャンパーをはおって作業していたりしましたからね。

部屋数は?

White room、Red room、Yellow room、Blue room、Green Room の5部屋。そして約20坪の撮影スタジオがあります。

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撮影スタジオ、立派だし、機材も充実していますね。

以前は印刷会社さんが、商材撮影用に使っていたものがそのまま残ったんです。かなりいいスタジオですよね。今、ここをどう使おうか思案しているところ。なんか、いいアイデアありませんか(笑)。

いろいろ、やれそうですね。

先日、話題になった「24時間映画祭」(http://www.24eiga.com/)にお貸ししたし、ヨガ教室に貸し出したり(笑)してますが、まだ正式にどうするかが決まっていない。どうせなら面白いことをやりたいと思ってます。ショートフィルムの映写会なんかもやってみたいと思っています。

サッカーで言えば、「ゴールゲッターではない」。 「でも、そこに至るパスワークを任されている」――それが編集の魅力。

株式会社モイの現況を教えてください。

もちろん最大のボリュームゾーン――約8割は編集スタジオとしての活動です。現在、社員エディター7人、アシスタントが4人の体制。残りの2割は、僕がVPの制作を受託したり、稲垣がCG制作を受託したりしている制作活動。基本的には「作ること」が好きな人間が集まって、いろいろやっている。そんな集団です。

「エディターは力がつくとフリーになってしまう」と言われますが。

うちでもそうですよ。もう何人も巣立ってます。僕は、「フリーになりたい」という社員は、止めない。会社にしばりつける気はないです。今いる社員とも、便宜上雇用関係がありますが、フリーのクリエイターが集まっているという感覚が強いです。

編集――エディターの仕事って、どんなところに魅力がある?

サッカーで言えば、「ゴールゲッターではない」。「でも、そこに至るパスワークを任されている」という感じですかね。役割分担として縁の下の力持ちということになるけれど、より良い映像作品をみんなで一緒に作るという目標のために欠かせない存在。そこにやりがいがあるんだと思う。

会社の歴史上初―――「構えが先にできた」。 そこで何をやってやろうかと、いろいろ画策している真っ最中です。

大竹さんの、エディター育成方針は?

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ほったらかすこと(笑)。手取り足取り教えるような仕事ではないですから。新人は、先輩のお手伝いをしながら、自分なりに技を磨いてもらっています。

のびのびした会社みたいですね。

経営者がいい加減ですから(笑)。僕は明らかに、お金儲けのために仕事はしていない。どうもそういう欲求がない(笑)。その結果、この会社には、そういう人間が集まってもいるようです。作ることが好きで、何か面白いことがやれればそれでいい。そういう集団になっていると思います。

そんな集団が、こういう立派なスタジオを持つとどうなるんだろう。楽しみですね。

わが社の歴史は、「発生した仕事に合わせて構えを作る」の連続でしたが、今回初めて構えが先にできてしまった。だからいろいろ考えてはいます。例えば、近い将来ハンデキャップのある方を雇用したいと思っているので、施設内はいつでもバリアフリーに改装できるようにしてある。例えば、「予算がないけど良い作品を作りたい」という作家さんやプロダクションさんにはどしどし利用していただきたいので、このマンション内に空き部屋ができたらどんどん紹介して引っ越してきてもらおうとも思ってもいます。

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場所もいいですよね。瀟洒な住宅街のど真ん中だし。

「場所がわかりずらい」、「路地が狭い」とクレームも寄せられてますが(笑)。すごく静かでいいところです。アクセス情報は、HPにあります。徒歩用、自動車用と丁寧なご案内が自慢なので、ぜひご参照のうえご来社ください。

取材日:2006年10月24日

株式会社モイ

  • 代表取締役:大竹真二
  • 業務内容:
    • 映像編集
    • CGエフェクトプロダクション
    • 映像制作プロダクション
  • 設立:1995年11年20日
  • 資本金:1000万円
  • 所在地:〒151-0063 東京都渋谷区富ヶ谷2-2-17
  • TEL:03-6231-4000(代)
  • FAX:03-5738-4077
  • E-mail:info@moi.co.jp
  • URL:http://www.moi.co.jp/
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