100万人動員しても失敗!? 構想から8年かかった『映画 えんとつ町のプペル』の正体とは?
はじめまして、クリエイターズステーションを運営している編集部の者です。
いきなりですが、先日マスコミ向け試写会にて、『映画 えんとつ町のプペル』を一足先に鑑賞いたしました!
心がぽっと温まる映画で、ぜひこの冬に皆さんに観てほしいと思ったので、ご紹介させていただきます。
プペルと言えば、2016年にお笑い芸人・にしの あきひろさん(著)によって絵本『えんとつ町のプペル』が出版されており、これまでに無かった完全分業スタイルで制作されたことから、話題にもなりました。
そのアニメ映画版が公開(2020年12月25日)されるということで、ワクワクしている方も多いのではないでしょうか?
映画を観ると、絵本の内容はごく一部。
絵本を読んだ方も、絵本を読んでない方も楽しめるそんな映画となっております!
閉ざされていた、えんとつ町の秘密
朝から晩まで黒い煙に覆われ、先の見えない岸壁に囲まれた「えんとつ町」には、ルールがあります。
1,空を見上げてはいけない
2,夢を信じてはいけない
3,真実を知ってはいけない
この閉ざされた町で、誰も見たことがない光輝く星の存在を信じていた仕立て屋のブルーノ。彼はまわりからうそつき呼ばわりされ、ある日姿を消してしまいました。父・ブルーノが消えてから1年、ルビッチは父が教えてくれた星の存在を信じながら母と暮らしていました。
町がハロウィンで盛り上がっている日、ゴミでできたゴミ人間・プペルが誕生し、ルビッチは彼と友達になります。そこから星を信じた少年とゴミ人間の冒険が始まります…。
ちなみに、このハロウィンダンスのシーン、監督の廣田 裕介さんも見どころだとお話されておりますので、鑑賞の際に要チェックです!
「映画 えんとつ町のプペル」廣田裕介監督の独占インタビュー記事はこちらから
ルビッチの父親「ブルーノ」の言葉
『映画 えんとつ町のプペル』の主人公は「プペル」でも、「ルビッチ」でもありません。
実は、ルビッチの父「ブルーノ」なのです。
ブルーノは「上を見ろ」「信じ続ければ夢はかなう」というメッセージをえんとつ町のみんなに伝えます。
星空を知らない、見上げることを知らない黒い煙に覆われた『えんとつ町』の中で、「あの煙の上に星はある」と言い続けた、そんなブルーノのモデルはET-KINGのイトキンさん。
西野さんが「ブルーノ」について語っている内容は、西野亮廣ブログbyAmebaよりお読みください。
そんなET-KINGの「さよならまたな」の歌詞。『えんとつ町のプペル』そのものなんです。
『映画 えんとつ町のプペル』を観た後にこのET-KINGさんの「さよならまたな」も聴くと、また感動して涙が押し寄せてきますのでご注意を。
信じれば、世界は変わる
【レビュー】
本作を通じて、「信じぬく」大変さ、信じぬいた先にある景色を見ることができました。
大前提として、ルビッチ以外は誰も星の存在を信じていません。そのなかで希望を失わず、なおも愚直に信じ続けるさまはまさに「異端児」。えんとつ町では普通でなければ悪として裁かれてしまいます。生きづらさを感じていたのだと思います。
そんな彼にプペルという友達ができたことは、どれだけ心が楽になったことか。さらには、ルビッチが信じる星の存在も肯定してくれる存在となれば、すごく救われたような気持ちになったはず。
自分の信じていることを肯定してもらえるって、「信じ続けてきたこれまでの時間」も優しく包み込んでもらったような気になります。
「大丈夫。これまでの時間や想いは無駄じゃないよ。」って、手を引っ張ってくれるようなそんな気持ちです。
そして、体の小さいルビッチですが、誰よりも力強く見えました。ルビッチの信じる強さに、町中の人が心に隠し持っていた「本当は星の存在を、、、」という希望の再燃を感じられるシーンはまさに世界が変わる瞬間でした。
映画に込められた想い
最後に、製作総指揮を務めた西野亮廣さんのメッセージをお届けします。
黒い煙で覆われた「えんとつ町」に住む人は、青い空を知りません。輝く星を知りません。
見上げたところで何も無いので、町の人達は見上げることもありません。
そんな中、煙突掃除屋の少年とゴミ人間は、
「あの煙の向こう側に何かあるんじゃないか?」と黒い煙の向こうに想いを馳せます。
ところが町の人たちは、「あるわけないだろう」と二人を嘲笑い、容赦なく叩きます。
「えんとつ町」は夢を持てば笑われて、行動すれば叩かれる現代社会の縮図で、
『えんとつ町のプペル』は僕自身の物語でもあります。
テレビの外側に飛び出した日、絵本を描き始めた日、あの日この日。
前例の無い挑戦を選ぶ際に、暇を潰すように笑われ、日本中から叩かれ、悔しくて震えた夜は何度もありました。
『えんとつ町のプペル』は、見上げることすら許してもらえなかった自分や、
自分と同じような目に遭っている挑戦者の物語を描いたハズだったのですが、今年、
世界を襲った100年に1度のウイルスがその意味を大きく変えました。
2020年.たくさんの人が涙を流し、たくさんの夢や希望が消えてしまいました。
世界は黒い煙で覆われ、まるで「えんとつ町」のよう。誰も見上げることをしません。
公開を来年に延期する話も上がりましたが、どっこい、
『えんとつ町のプペル』は黒い煙を突き破り、星空を見つけるまでの希望の物語です。
2020年に公開する意味がある作品だと思いました。
もはや『えんとつ町のプペル』は一個人の物語ではありません。
この作品が、コロナ禍で負けそうになりながら、それでも踏ん張っている人への応援歌になると幸いです。
僕も頑張ります。あなたも頑張って。
西野亮廣
劇場公開は12月25日(金)です。
家族はもちろん、大切な人と一緒に観てほしい、そんな映画です。
2020年12月25日(金) ロードショー
▼出演
窪田正孝 芦田愛菜
立川志の輔 小池栄子 藤森慎吾 野間口徹 伊藤沙莉
宮根誠司 大平祥生(JO1) 飯尾和樹(ずん) 山内圭哉 / 國村隼
▼あらすじ
いつも厚い煙に覆われ、空を知らないえんとつ町。
煙の向こうに“星”があるなんて誰も信じていなかった。えんとつ掃除屋の少年ルビッチは、父の教えを守り、いつも空を見上げ、星を信じ続けていた。
そして、みんなに笑われ、ひとりぼっちになってしまった彼の前に、ゴミから生まれた、ゴミ人間プペルが突然現れる。これは、二人が巻き起こす、“信じる勇気”の物語。
▼作品概要
製作総指揮・原作・脚本:西野亮廣
監督:廣田裕介
アニメーション制作:STUDIO4℃
配給:東宝=吉本興業
製作:吉本興業株式会社
(C)西野亮廣/「映画えんとつ町のプペル」製作委員会