未来は元気だよ。
東京
ライター
来た、見た、行った!
かつらひさこ氏
4月30日の朝日新聞朝刊の広告に、ドラえもんからのメッセージが掲載された。
藤子・F・不二雄プロと藤子・F・不二雄ミュージアムによる『ドラえもん「STAY HOME」プロジェクト』の一環だ。
きみがおうちにいてくれたから。
ちゃんと手を洗ってくれたから。
家族を想ってくれたから。
ともだちと支え合ってくれたから。
やさしい気持ちでいてくれたから。
病気の人を助けてくれたから。
みんなのために働いてくれたから。
未来をあきらめないでいてくれたから。
だいじょうぶ。未来は元気だよ。
自由にライブに行けて、友達と飲み屋に集まって、どこにでも遊びに行けるかつての日常は、「ウソでしょう?」というくらい、あっという間に別のものに塗り替えられてしまった。
元気そうだったあの人が、あっけなく世を去っていく衝撃。
不安が、焦りが、イライラがどんどん募り、未来に希望が見えづらい中にいる。
そんな中、この広告を見た。
「だいじょうぶ。未来は元気だよ。」
ドラえもんからの優しいメッセージに、涙が止まらなかった。
子供たちだけでなく、かつて子供だった大人たちも、どこかほっとしたのではないだろうか。
広告とは、「広く世の中に知らせること(大辞林第三版より)」のことだが、今、何より必要な「未来への安心感」を広く知らせるのに、これだけ効果的なキャラクターは他にいないのではないか。
「22世紀からタイムマシンに乗ってやってきたネコ型ロボット」という設定は、大人から子供まで、日本だけでなく世界中が知っているのだ。
未来への希望だけでなく、言葉で人を元気にさせること、伝え方など、いろいろな事への可能性を感じたし、考えたし、何よりももう少し頑張ってみよう、と思った。
だってドラえもんが「だいじょうぶ。」と言っているのだから。
プロフィール
ライター
かつらひさこ氏
1975年札幌市生まれ。自分が思い描いていた予定より随分早めの結婚、出産、育児を経て、6年前からライティングを中心とした仕事を始める。毒にも薬にもならない読みやすい文章を書くことがモットー。趣味はクイズと人間観察。