AdobeMAXレポ~まとめ&海外セッション~
今年もこのシーズンがやってまいりました。
イベント!イベント!イベント。
ただし、今年については、オンラインのものが多く……
利点もあればマイナスも。
まず日本時間、10/21、22、23の三日間で行われたAdobeMAXから少々個人的に注目したい点を取り上げたいと思います。
まず、このイベントのオンラインになった利点ですが
・海外のセッションが見られる
・海外のキーノートが見られる
・アーカイブがある(ないものもある)
という点であると思います。
これまではセッション時間が被るとみられなかったので、アーカイブがあることのなんとありがたいこと!!!
新しい情報については、昨年のSneaksでいわれてたものがわりと実装になってきたという感じ。
例えば、Adobe SENSEIにより、写真の顔の向きを自動調整できる・怒りや笑顔への振り向けができるフィルターの実装
ニューラルフィルター
https://helpx.adobe.com/jp/photoshop/using/neural-filters.html
また上もですがベータ版ではあるものの、カラー化による着色。
空の置き換えなどの調整です。
「きたか……」という感じのものが多いようで、サプライズはむしろVR ARや別との連携の方にあるかんじでした。
さて……もう少し踏み込んで。細かい【ツール】部分について、簡易でまとめてみます。>基本的に映像・ディレクター目線になると思いますので、ご了承ください。
・Illustrator……iPad版登場。ここにつきる!
苦手な細かい作業がぐぐっとアップルペンシルで簡略化できそうです。
他
ライブシェイプ……映像メインでやっていてもやむを得なく使うシェイプ……これがちょっと楽になるというのでほっとする!!
オブジェクト再配色……例えばこっちのパターンというのをその場で見せられやすくなりそうです。
・Photoshop……ありがとう、iPad版の画像サイズ編集。私は今のところ使う予定ありませんがライブストリーミング実装も嬉しい人が多そうです。
・Fresco……これを待っていました。iPhone版の登場・そして指先ブラシと筆圧曲線。ちょっとこれ動画の「ラフ」のために、遊んでみようと思っているのでまた別途紹介したいと思います。
・Lightroom……カラー関係はもちろんなのですが、AIにベストショットを選択してもらう機能……これが個人的に気になります。
・XD……話題になっていたのが、内部でコードがかけるってこと。これは……大きい。ウェブ界隈は変わりそうですね
・Aero……思いのほか難しくない?ちょっと遊びたくなってきました。デスクトップ版で作りこみに対応。Mixsamoで読み込んだデータを再生できるということで、ようはC4Dなどでいじってきていたモーションデータを空間に読み込める、と。ARコンテンツでもっと気軽に遊べることが確定。
・Photochop Camera……一昨年ベータで遊んでからずっと楽しくつかっているのですが、まさかのエヴァンゲリオンコラボモードもあって遊べる遊べる。写真をデコレーションしたい・デフォルメしたいという希望をすぐ叶えてくれるのでとても便利。なおInstagramに即投稿可能なのもいいですね。
※デスクトップの絵でなく、デスクトップにカメラで映してます。→即Instagramへ行ける機能つき※
さてここからが映像関係でメイン
〇まず、「テキスト書き起こし」機能。言うまでもない字幕を勝手につけてくれるあいつです。
〇自動トラッキング「ロトブラシ」のバージョンアップ。
作業の効率化……職人!でないとやれなかった部分がだいぶ簡略化され、「基礎」と「設計」側に重点がおかれるため、企画設計側は得意だけれど、どうにもこうにも器用さがなかったタイプの人には朗報としかいえません。
私はマスクぬきもですが、細かい作業が本当に苦手で苦手で……これができることには感謝しかないです。
そしてAEの「3Dデザインスペース」。ますます近づいてきたのかな?E3Dの新バージョン実装?!とドキドキしています。(※プラグイン※で似たような概念のもっとすすんだものを数年前から制作している会社があるのです。はよ発表こないかな。これが出たことはかなりでかいと思うのです)
またCharactar Animatorもかなり変わったようなので、ちょっと遊んでみたいところ。
暫く手を動かせていなかったので動かしてみたい11月なのでした。
なおマイナスの点はないイベントといいたいのですが
問題はセッションが多く、すべてみられてしまうため「時間泥棒」されること(笑)
また無理をせず「好きなものだけ」拾ってしまうため、「ついで」の情報収集がなかなか難しいこともありました。
嫌でも横でみえる・次の時間を待つために飛び込む「偶然性」。
昨年の記事でもお伝えしたのですが、私は、イベントがイベントである最大の利点は、交流とともにこの偶然性にあると思っています。
此処はちょっと残念。
ですが……
海外のセッションは圧巻でした。
いろいろみましたが、私は映画監督Wesley Andersonのセッション……これがお目当てで、終了後視聴がないタイプのものだったので必死にチェックしました。映画の着想からロケハン・セットの作り方・チームの話……
どれも素晴らしいものでした。
また同じ時間帯に登場したクリエイティブディレクターのAnnie Atkinsの話がとてもよかったです。
こちらはまだ視聴できるみたいなので、MAX登録済みでまだの方は是非【こちら】からチェックいただきたいです。
デザインの話、ご家族の話、今回のコロナの中での出来事。
小道具に関わる方・必要な映像のディテイルをご自分で作らざるをえない現場がある方、そしてデザイナーさんにはぜひチェックいただきたい内容。Wesley Andersonの現場では『グランド・ブタペスト・ホテル』『犬が島』でグラフィックデザイン担当をしている彼女の考え方や生き方、ベースの部分に胸をうたれました。
またもう一つ
此方は実践的な話ですが、ビデオインタビューの質をいかに改善するかという話。エミー賞受賞ドキュメンタリーのディレクター・プロデューサーのChristine Steeleのセッションです。【こちらもチェック】
英語を勉強しなきゃなというのもありつつ、聞き取りやすく、ビジュアルでもわかるので、この海外セッションこみで視聴できるスタイルは是非続けてほしいと思います。
またこの補強として、本も一つご紹介したいと思います。
フィルム社から出ている『ドキュメンタリー・ストーリーテリング』。
廃刊されて、五万円以上のプレミア価格になっていたのですが、この度ありがたくも増強改訂版が出ました。
これあわせてドキュメンタリーの話は次回以降にまたしようかなと思います。