帰ってきた展示会2022
コロナはまだ完全には落ち着いていませんが、海外からの移動が解禁されて、展示会は盛り上がってきました。
年末手前の10月11月で映像関係者の視線が集まる展示会は二つ。
片方がCEATEC……開催は 2022年10月18日(火)~21日(金)
そしてもう一つがInterBEE……開催は 2022年11月16日(水)~18日(金)です。
CEATECはCombined Exhibition of Advanced TEChnologies……毎年10月に幕張メッセで開催されるアジア最大級の規模を誇るIT技術とエレクトロニクスの国際展示会です。
2020、2021は完全にオンラインだけでの展示会になっていたので、2022年の今年活気が気になることもあり、ざっくりとですが、周りにいきました。
この展示会は、一言でいえば、テクノロジーの展示会です。
人数盛り上がりとしては、正直なところコロナ前から比べると本当に大分下降しているように感じました。その分、招待枠で高校生?でしょうか。学生をいれたようなのですが、新しい技術に触れてもらうという意味ではいいことでもあるのでしょうが、業者さん側からすると、商談ベースでもあるため、あまりよい評判ではないようでした。
新しい技術ならば何でもござれということもあり、マニアックなもの、分からないもの、流行りのもの……ごちゃまぜです。中でも注目されていたのが、メタバースのコーナー。
メタバース展という数日置いたイベントも別途組まれていることもあり、今回はそんなに人は来ないだろうと思っていましたが……予想以上のこみっぷりでした。
特にVR法人 HIKKYのバーチャルマーケットは、前々から気になっていたものですが、体験可能で楽しかったです。アバターを使ってVRの中に入り込み、お買い物をしたり、展示会をみたり、電車にのったり……チャットで会話をしながら楽しめる仕組みです。
夏に開催されたバーチャルマーケットは「バーチャルリアリティマーケットイベントにおけるブースの最多数」としてギネス世界記録™に認定されているのですが、その追体験ができるブースは長蛇の列で、午前中からずっと満員。午後も3時間まちの列ができていました。
またJaxaの体験コーナーなども人気がありました。メタバース全般に言えることですが、未だこれをどう使うか未知数な部分もあり、サービスに落とし込む手前の技術がむき出しで展示されているスペースも多くありました。これこそがCEATECだなという感じです。個人的には此処で見た最新技術が汎用になり、広がるまで2年以上はかかることが多いように感じるのですが、コロナの数年蓄積がある分、今回は現実になるのも早いのかもしれませんが。
さて、CEATECはそんな感じでメタバースが優位でしたが、それに対してInter BEEは「音と映像と通信のプロフェッショナル展」とされています。テクノロジーとしては被る部分が多いのですが、こちらの方がよりクリエイター向けな印象があります。
初日は映像コンテンツの会社、Vookさんが30人近くを率いて、見学ツアーを組んでいたり、久々に大阪や博多からクリエイターの方がブラックマジックのブースでDaVinci Resolve (ソフト)の責任者に質問を投げる為だけに参加していたり……参加者のバリエーションも観られました。個人の方、ポスプロで働いている方、経営者、イベント業者、放送業界だけでなく、医療カメラや地下鉄の映像システムなど別の業界で扱われるさまざまな機材が並ぶため、本当に多くのビジネスマンが見受けられました。特に営業の方が多く、そこかしこ交渉も始まっていて、活気が戻っているように感じます。
クリエイティブに携わる人たちにとってのInterBEEの魅力は、やはり新しい機材をその場で触って体験できること。購入前はもちろん発売もまだという機材を一足早く目にすることは、次の展開を予想できることにもつながります。更に、ちょっとしたソフトのHow toを開発担当者からミニセミナー形式で聞くことができるため、どのソフトが今後どういう場面で使われそうかも分かるのです。展示会はトレンドを知るために一度行ってみるといいと思います。
※写真はG-CaLさん/syncさんブース。AI自動ワイプ入れのワイプトラッカー/リアルタイム3D波形モニターというめちゃくちゃマニアックなものも!
関係ないジャンル、関係ないと思い込んでる場面で、自分が勉強しているソフトが使われていたり、「知らないことを知る」切っ掛けが山ほど落ちています。井の中の蛙にならないように、自分も最新技術に常にアンテナを張っていたいなと思う展示会二連続でした。