映像2023.11.27

Adobe MAXレポート

東京
映像ディレクター
秘密のチュートリアル!
野辺五月

今回は一旦中華レポートを休んで、オフラインでは4年ぶりのAdobeMAXにお邪魔してきたのでレポートします。
早期チケットは1万円、通常2万円の有料ですが、その分の情報とアレコレは得た気がします。

今回の仕組みで面白かったのは、参加者が交流できるようにも考えて、QRコード交換ができるようになっていることでした。セミナーやOPなどへの参加、アンケート参加などをするたびにポイントがもらえ、そのポイントで最後のドリンクパーティーのカクテルとの交換やグッズ抽選が出来るのです。
ラッキーにもちゃんとゲットしました。

ところで、今回の発表のメインは、AI関連だったと思います。
元々数年前から実装していた各ソフトに対してのAI(Adobe SENSEI)が生まれ変わって更に使い勝手よく仕上がっています。
「Adobe Firefly」が発表されて、生成AIとシンプルなテキスト入力での制作が可能になりました。
テキストからの画像生成、生成塗りつぶし、テキスト効果など具体的な例は
公式ページにもかいてありますが今回の発表で興味深かった点をいくつか紹介しますと、
  

〇サイズ変更による「幅」を勝手に埋めてくれる

例えば縦長で作ったバナーを横にするために、足りない幅を自動で足すことが可能です。
同じようにサイズ違いのものを自動生成することも可能です。
ある程度は調整が必要ですが、制作フローがこれで大幅に見直されるでしょう。
同時に、アイディアやパターンについてお金が払われない傾向にあるクリエイティブの費用を、サイズ調整やパターン出しで補ってきた状況が日本の場合顕著にあると思います。この問題については、どうなっていくのか気になるところでもあります。(補ってくれるときはパターンが数種類候補として現れ調整する形になります。)

なお、サイズ変更については、今回プレミアプロ・アフターエフェクトなどの動画についても、リサイズが自動でできるようになっていて、例えば縦動画の場合、メインの人間が左右にずれたとしても、そこを分析して常に真ん中にいるような画角のまま切り抜くことが可能になっています。

〇字や絵でテイストを指定すると、そのテイストの絵になる

シンプルなテキストで絵を生成するだけでなく、生成した絵や描いた絵に対して、例えば「アメコミ風に」や「筆絵風に」、あるいはイラストを投げて「この感じ」という属性を与えると自動生成します。
AdobeMAX開始直後にある「キーノート」で発表されていたことを考えると、力を入れている部分なのかもしれないと思いました。

画期的なアップデートですが、まだモノによってはウェブ版のみ、あるいはベータ版での扱いになっています。
ただ、今後本格的に使われていくだろう流れが示唆されていました。

今回のセッションは、メインセッションとサブセッション以外に更にショートセッションがあり、そこでは更に新機能や別の切り口での深堀がされていたのも象徴的でした。
デザイナー・映像作家・編集者の他、動画配信系のセッションや、マネージメント的な観点での(ワークフロー等の)セッションもあり、多彩なラインナップでした。
個人的に楽しみにしていたのは、新機能はもちろん、フォントです。
漫画向けのフォント「貂明朝アンチック」が今回リリースされていて、漫画だけではなく、「縦」にーーーーをうつと、自動で繋がるフォントということで、文字組に利用できそうでワクワクしました。もうリリースされているので使ってみたいと思います。

他にもフォントについては、モリサワフォントの見本帳がモリサワブースで手に入れられたり、アンカーの充電ブースで高速充電を体験できたりと、スポンサー側の提供も興味の沸くものが多く、リアルイベントならではの良さがありました。
同時にキッチンカーや喫茶ブースの他、今回はクリエイターの販売ブースもちょっとあって、さながらフェスの様相。
次回もあるならば是非参加したいと思いました。

 

■Adobe MAX Japan2023

日時:2023年11月16日(木)10:00-20:00
会場:東京ビッグサイト 南展示棟
チケット:一般(定価) 20,000
     超早割 10,000円(10月31日終了)
     学生3,000円
 
公式サイト:https://maxjapan.adobe.com/
プロフィール
映像ディレクター
野辺五月
学生時代、研究の片手間、ひょんなことからシナリオライター(ゴースト)へ。 HP告知・雑誌掲載時の対応・外注管理などの制作進行?!も兼ね、ほそぼそと仕事をするうちに、潰れる現場。舞う仕事。消える責任者…… 諸々あって、気づけば、編プロ・広告会社・IT関連などを渡り歩くフリーランス(コピーライター/ディレクター)と化す。 2015年結婚式場の仕事をきっかけに、映像畑へ。プレミア・AE使い。基本はいつでもシナリオ構成!2022年は現場主義へ立ち返り、演出・構成をメインに活動。現在の主流は「インタビュー」「取材」もの。 「作るために作る」ではなく「伝えるために作る」が目標。趣味の飲み歩きができるようになって嬉しい反面、ダイエットせねばと叫ぶ日々。

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