ミッション11「おみくじを調べまくれ!」
- ミッション11
- 電通第5CRプランニング局 クリエーティヴ・ディレクター / コピーライター 門田 陽
こんきちは!
今回の指令は実は今年の正月に出されたものでした。具体的には日本の神社を回っておみくじを100本集めて独自の検証をするという内容。当初はわりと吞気に3カ月くらいでできると思っていたのですが全く歯が立たず丸10カ月かかってしまいました。
<神社はコンビニよりも多い>
日本の神社の数はハンパないです。8万社以上。うっとうしいくらい多いコンビニが大小合計で約5万6千店ですからその数は驚異的です。確かに信号のないような場所にも神社はあります。なので、100社まわるなんてチョロイと思っていたのです。ところがどっこい(死語かな)そうは問屋が卸さない(死語パート2)状況が待ち構えていたのでした。
<神社におみくじがないなんて>
なぜ10カ月もかかったのか。最大の誤算はおみくじを置いていない神社の多さです。ふだんお参りに(といっても年に数回ですが)行っている神社がたまたまどこも置いてあるので、神社におみくじは当たり前だと思っていたのですが、置いていないほうが断然多いのです。1月1日に福岡市城南区の御子神社で1社目のおみくじを引いてから10月28日に墨田区の牛嶋神社で100社目のおみくじをゲットするまで軽く250社以上の神社をまわりにまわりました。もちろん神社関連の書籍やホームページやWEBも駆使して情報収集しました。But、どの神社も昨今ブームの御朱印の有無は載せていますが、おみくじについての記述はありません。ま、必要ないですもんね(苦笑)。加えてどこの神社も朝は早いのですが、おみくじを扱っている社務所の閉まる時間が大体17時。昨今の働き方改革の先駆けと言っても言い過ぎではないくらいキチッとしているので会社帰りに行っても開いていません。さらに夏には猛暑もあって挫けましたが虫の声に元気をもらって気を取り直し一日乗車券(地下鉄)をフルに使ってのローラー作戦で何とか集めきりました。
それがこの100社です(※写真①)。
1御子神社 2不忍池弁天堂 3佃島住吉神社 4平河天満宮 5烏森神社 6深川不動尊 7宮益御嶽神社 8金王八幡宮 9桜木町成田山 10 鉄砲洲稲荷神社 11波除神社 12花園神社 13大鷲神社 14福徳神社 15神田明神 16上野花園稲荷 17上野大佛 18北澤八幡 19亀戸天神社 20八剱八幡神社 21茂林寺 22伊勢山王大神宮 23豊川稲荷 24四柱神社 25川崎大師 26湯島天満宮 27蔵王刈田嶺神社 28八坂神社 29靖国神社 30黒川神社 31浅草寺 32浅草神社 33待乳山聖天 34乃木神社 35天祖神社(六本木) 36代々木八幡宮 37明治神宮 38東郷神社 39芝大神宮 40芝東照宮 41氷川神社 42久國神社 43八幡神社(神谷町) 44元麻布氷川神社 45水天宮 46小網神社 47人形町末廣神社 48笠間稲荷神社 49椙森神社 50日枝神社摂社 51大島稲荷神社 52菊池神社 53日枝神社 54赤坂氷川神社 55築土神社 56根津神社 57櫻木神社 58諏訪神社 59赤城神社 60神楽坂毘沙門天 61北野神社 62天祖神社 63大國神社 64妙義神社 65皆中稲荷神社 66夫婦木神社 67池袋御嶽神社 68穴守稲荷神社 69羽田神社 70八幡神社(蒲田) 71磐井神社 72荏原神社 73品川神社 74愛宕神社 75春日神社 76御田八幡神社 77高輪神社 78高山稲荷神社 79雉子神社 80居木神社 81貴船神社 82陽運寺 83須賀神社 84成子天神社 85白山神社 86高円寺天祖神社 87高円寺氷川神社 89新井神社 90熊野神社 91市谷亀ヶ岡八幡宮 92恵美須宮 93櫛田神社 94注連懸稲荷神社 95水鏡天満宮 96警固神社 97深川ゑんま堂 98鳥越神社 99榊神社 100牛嶋神社
<発見その① 同じ名前>
神社をまわり始めてわりとすぐに気付いたのが同じような名前の多さです。八幡、氷川、稲荷、諏訪、日枝等々。あれ?前にも来たかな?と何度も途中でわからなくなりました。
どうやら神様は分霊をされるようで、全国で同じ系列(?)の神社は似た名前のようです。
ラーメン屋さんの暖簾分けみたいなものでしょうか。
<発見その② おみくじの値段>
おみくじの値段はほとんどが100円でした。
神社によってはデザインや企画に凝ったおみくじを作っていて(※写真写真②天祖神社のサイコロおみくじ)300円以上するものもありましたが、今回はその神社で最もシンプルで一番安いおみくじを引きました。その結果、
200円→8本
100円→87本
50円→2本
10円→3本
圧倒的に100円です。そしておみくじを型で分けると大きく5つでしょうか。①昔ながらのシンプルな白黒細長型。②昔ながらのシンプルな紅白細長型。③現代デザインの白黒長方形型。④手渡し白黒パラピン紙型。⑤神社オリジナル型。その他、最近の傾向として外国人観光客が多いので英語はもちろん中国語や韓国語のおみくじを置く神社もありました。①から④のものはどうやらいくつかのおみくじ業者(?)によって作られているようですが、価格設定は自由みたいで全く同じデザインなのに100円の神社と200円の神社となんと10円という良心的な神社もありました。
<発見その③ 神社とコラボ>
今でも多くの神社は昔ながらの凛とした佇まいで格式の高さを感じますが、いくつかの神社ではこれまでにない新しい試みをやっていました。神田明神のアニメとのコラボは有名ですし(※写真③)、六本木にある天祖神社は僕が行った10月4日はシャネルと組んでイベントをやっていました(※写真④)。また新宿区にある須賀神社はアニメ映画「君の名は」の聖地巡礼で海外から来られる方も多いらしく絵馬にその傾向が見受けられました(※写真⑤)。
<発見その④ おみくじ売り切れ事件>
ひたすらにおみくじを求め歩き続けました。
神社に到着するとまずはおみくじの有無を確認。あればホッとし、ないときはお参りだけで次に向かうのですが、一番残念だったのがここでした。新橋の塩釜神社。おみくじが売り切れ(?)だったのです。おみくじの置かれかたもかなり独特(※写真⑥)で値段も30円と他とは違うのも面白かったのですが、本当に無念。でも印象にはしっかり残りました。
<発見その⑤ 意外なところにおみくじが>
10カ月間、おみくじばかりを気にしていると意外なところで見つけることがありました。
家の近所の銀だこハイボール酒場。引いてみました(※写真⑦)。結果は大吉。大きな金運が舞い込むとありますが今の所その気配はなし。それから地元博多の川端商店街の仏具店の店頭に本格的なおみくじの販売機が置かれていました(※写真⑧)。もちろんここでも引きました。ここも大吉。願いは叶う事あり。事ありということはない事もあるということかな?なお、この二つのおみくじは今回の100の中には入れていません。
<発見その⑥ 高齢化問題>
10月7日。この日は江東区をまわりました。
立派なお社の東大島神社(※写真⑨)にはおみくじはなく続いて向かった大島稲荷神社。
境内の片隅に明らかなおみくじの気配があるのに(※写真⑩)置いてある場所がわかりません。社務所を訪ねるとなんとその玄関の中に販売機がありました。(※写真⑪)呼び鈴を鳴らすと高齢のおばあさんが出て来られて「今日は腰が痛くておみくじを外に出せませんでした」と説明されました。なるほど仕方ありません。「僕が外に出しましょうか?」と尋ねたところ「戻すのが出来そうにないからごめんなさい」と言われました。もっともです。他にもあちこちで神社の高齢化を感じました。朽ちてしまった神社もずいぶん目にしました。
<発見その⑦ そして運勢の結果>
さてさて、おみくじのメインはやはり運勢の結果でしょう。以下まわって集めた100本のおみくじの運勢です(※写真⑪)。この表は写真②と照らし合わせられるようにしてあります。また、数が100なのでそのまま%に置き換えることができます。まとめると、
大吉→20%
中吉→14%
小吉→18%
吉→27%
末吉→16%
末小吉→1%
凶→ 3%
なし→ 1%
日本一の参拝者数の明治神宮のおみくじは吉凶などの差をつけることはなく僕の引いたものには「日に三度身をかへりみしいにしへの人のこころにならひてしがな」という有難いコトバ(句)が書かれてありました。大吉は20%。わりとよく出ることがわかりました。
<凶の思い出>
100本引いて凶は3本。少ないですがそのうち2本は同じ日(9月30日)だったので
その夜は寝つけませんでした。引いた3本はいずれも白黒のパラピン紙で(※写真⑬)社務所の方から直接手渡されるという共通項がありました。
僕は昔々受験のときに2年連続太宰府天満宮で凶を引いた過去があってそのときは落ち込んだし受験も見事失敗しましたが、そのおかげで天邪鬼的性格も形成され、おそらく今なら凶は珍しいからラッキーと思ったはずです。
ところがところが、その太宰府天満宮は今はおみくじに凶を入れてなく、中吉が多いという噂を耳にしました。神様、本当ですか?そんなことはないですよね!
<おまけ トムの絵馬>
神社をまわるなかで、ついつい絵馬にも興味がわきまして。見ちゃいけないと思いながら見入ってしまった絵馬の中でもこの気持ちは世界共通なんですね。場所は鳥越神社でした。でもな~、それを絵馬(※写真⑭)に書くなんて!楽しい10カ月でした。これからもまわり続けます。趣味がひとつ増えました!!