現場に潜入せよ その3
ポートフォリオを作って面接を受け、入り込みやすい条件の現場に入り込む――以上、前回までのおさらいでした。
今回は「ずぼらな方法」をおすすめします。
それはズバリ――「急募」「アシスタント採用」枠です。
すぐ現場に潜りたい!その場所で入り込んで勉強した方が得意だという方向けの方法です。
「え?それができるならそれでじゃん」といわれるかもしれませんが、この場合、入るためにやることが別途必要になります。
とびぬけて若いときは、割と入れるケースがありますが、今回は「中途」のお話をしていますので、そのうえで条件をみていきましょう。
アシスタントとして、「ゆくゆくは映像もバリバリ作るぞ」というポジションで現場をのぞくために、一番大事なのは「中途ならではの、実績アピール」です。
例えば、これまでの別の仕事の実績が、相手にとって重要であることも多いからです。
イラストがかけるならイラストもかけますよ=素材が作れます。
よそから素材提供がされないタイプの、自社ですべて賄っているタイプの会社ならば、重宝されます。静止画のカメラマンも、静止画と動画両方必要な現場であれば、静止画の側も手伝えるので必要にされることがあります。
デザイナーさんも同じです。
下手すると繁忙期にはほかのAdobe製品が使えるだけで採用という場合も……。
異業種での経験や個人的な制作実績も十分「実績」として扱えます。
なお、クリエイティブ業種でない場合はどうかといいますと、場合によりけりです。例えば結婚式場での編集や撮影では、表側の動線(お客様が見えるところ)を移動する必要がありますので、元結婚式スタッフや、配膳のバイトの経験も、地味に「これまでのプラスの経験」として受け入れられます。セミナーやスクール系の会社員経験があれば、セミナー動画については、他の人とは違う分野からのインセンティブがあります。
自分のこれまでの経験と重ね合わせられる現場を選ぶことで、場合によっては、下手にポートフォリオで挑むよりも早く現場に入ることができます。そのうえで、学ぶ姿勢が見せられれば、手っ取り早く「現場の経験値」をつむこともできます。
(※なおアシスタントとはいっても、きちんと実働をするポジションにいくために、今のところこのくらいしかできないのですがという「ラフ」程度のポートフォリオが必要な場合もあります)
ただし!注意するべきことが一つ。
そちらの便利屋になりすぎないで、あくまで「映像」にかかわろうとすること。
求められているのは、映像関連とは少しずれることや近隣の知識ではありますが、必ず自ら仕事をしたいことをアピールし、休憩やちょっとした隙間で先輩から学ぼうとすることは重要だと思います。
ずぼらな方法とはいいましたが、ずぼらというより、現場に入ってからが勝負の潜り込み作戦です。ただどんなパターンの「映像」があるのか、知るにも、どこかしらに出向いて考えるのはありかもしれません。転職として決めたはいいけれど、やりたいことと違った・別のソフトだったという場合も少なくはありません。お試ししながら実力を養う……そんな方法として一つ考えてもらえればと思います。
次回はチュートリアル特集をお話したいと思います。
なお写真は某ライブ会場。 知人の会社にお手伝いに行かせていただきました。 こういう潜り込み(伝手)もありっちゃあり。アシスタントから機材を覚えて編集知識を増やしたい!