映像2020.01.23

目を肥やす話1

伊勢神宮
映像編集&コピーライター
秘密のチュートリアル!
野辺五月

最近Vlogをはじめ「お洒落で綺麗」かつ「体験・体感」を重視した映像は増えているように思います。反面、業務として求められるCM・WEB広告などは従来どおりのスタンスなので、前回お伝えしたとおり「何をアウトプットするか」によって、知っておきたいルールはかなり違います。
ですが……どちらにせよ「お決まりの中に隠れた共通のパターン」はあります。

それは「伝わる映像」であること、「目を惹く映像」であること。
では、どうやったらそういう映像になるの?
ここへ答えは二つあるのではないかと、個人的に思います。

1、体感できる経験を通して学ぶ

実際、自分の目をベースに体感・体験を増やして、どうフォトリアルにするか?どうやったらその感動が映像に乗せられるか「速度」「視点」を考えること

2、既存の作品から盗む

これまでのスゴイ作品・素敵な映像を見て、分析し、まず真似てみる。その中から分析して、「自分なり」にしていくこと

言うはやすしですが、そんなの絶対時間かかるよ!と嘆く方もいるかもしれません。
けれど、私は最近、「急がば回れなのでは?」と思うのです。

例えば、私は学生時代内モンゴルに行ったことがあるのですが、あかり一つない空の下では星がうるさいくらい瞬いて見えました。
キラキラと細く輝くというより、夜空全面的に白くしているようなのです。
「ダイナミック!ミルキーウェイのリアルな白さ!」と興奮したものですが、そのときの「感覚」が後々夜空を(パーティクルなどでCG的に)表現をするとき役立っています。
実物を見ることで、環境によった光り方を研究できたからです。
個人的な経験だけではなく、昨年のMaxon主催のCINEMA4DのカンファレンスやAEの勉強会でも、この「大本を見る」勉強についてはききました。なおフォトリアル系の映像・CGを作る場合は、「写真」ベースで近づける考え方をすることが多いようなので、現地に行って「もとになる写真を撮る」ことが大事になるかもしれません。

いずれにせよ、星空のダイナミックな印象をだすためには、草原に寝転んで上を見ていたときの、星が降ってくる感覚がわりと役に立っています。どうしたらその感覚を画面に出せるのか……もとからエモーショナルな目標があると作りやすい感じがしています。
現実的にちょっとした切り替えや、背景に迷ったときなどでも「あ、あの場所の景色をつかえそうだ」「こんな感じで車窓から見た景色風に作ってみようか」なんて、<思いつき>も促してくれます。
旅行行こうぜ、ではありませんが、「目を肥やす」一つ目は外へ出ることです。
そして味わうこと。ただし、単に旅でも悪くないのですが、このコーナーはあくまで「中途」向けのリアル映像業務をメインに書いています。
今更でもVlogをしたいなら、外の映像をとり、編集したいなら、外に行くのもありです。が、その際もちょっと待ったをかけたいと思います。
時間は有限。ですので、ぜひ「ここまで積んできたこと」を活かして「目を肥やす」のがいいかなとおもいます。
同じ頃に映像を始めた仲間に、元もとスポーツ関係の広報をしていた人間がいます。
何百何千回も試合をみてきたその方が編集する動画は躍動感がありました。なぜならその方は、経験を活かして、アクションメインの素材をもとめて別の種目の競技やダンス・格闘術などを見学にいき、ときに素材を手に入れ、編集の練習をしていたのです。
慣れだけでなく、一歩すすめて、「目を肥やす」ために、更にスポーツドキュメンタリーやテレビ中継のハイライトも見たそうです。既存の作品から<盗む>くだりですね。
何をアウトプットするのか――自分の強みは、これまでやってきたことの延長にあるものはどこか?そのために、「目を肥やす」としたら、何を見に行けばいいか。
ちなみに、私は腐ってもストーリーありきの人間なので、自分の強みがある部分で「目を肥やす」ためによく見るのは「映画」です。また、仕事でよく必要となる映像は、キレイであることよりも、少しひっかかるもの・言葉とかみ合うものなので、ポスターや映画の予告編などで「目を肥やす」ように心がけています。
そういった作品の宣伝は、ロングショットや少しずつ迫るダイナミックな背景映像が大事になります。中でも山・海がドーンっというより、日常の中でのワンショットが求められることが多いため、なるべく大きな画角で風景をみられるような、広い寺社仏閣や街並みを見に行きます。
今年はついでにお伊勢参りもしてきました。
次はもっともっとお手軽な「目を肥やす」映像について掘り下げたいと思います。

プロフィール
映像編集&コピーライター
野辺五月
学生時代、研究の片手間、ひょんなことからシナリオライター(ゴースト)へ。 HP告知・雑誌掲載時の対応・外注管理などの制作進行?!も兼ね、ほそぼそと仕事をするうちに、潰れる現場。舞う仕事。消える責任者…… 諸々あって、気づけば、編プロ・広告会社・IT関連などを渡り歩くフリーランスと化す。 2015年結婚式場の仕事をきっかけに、映像畑へ。プレミア・AE使い。基本はいつでもシナリオ構成!のひと。趣味は飲み歩き。

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