Premier Pro VS After Effects?次の時代
前回から引き続いてVideo Graphers Tokyoの話とも関係あるのですが……
編集の勉強をある程度重ねて、実践で出ると「AEやばいな」っていう印象がつく気がします。
カット編集、いわゆる全体の流れを決めて作っていくのはPremiereなどの編集ソフトで、アフターエフェクトは前に編集ソフト編で話したとおり「飾り」や「切り替え」に使われたり、「効果」として上にのっけられるソフトです。
そもそも用途が違うんですね。
アニメーションから入る人はAEは便利だと思います。素材が扱える&簡単に動かせるからです。それに対して、カット編集からくると、「難しい」という印象も否めない気がしています。
反面、効果としてこれがほしいという欲求があればあるほどAEを使える意味は大きく、ちょっとしたポイントづかいがうまくできると思っています。
何がいいたいかというと「入り方によってソフトは変わる」ということ。
中途メインでこのコラムはご紹介させていただいていますので、どんな履歴かで、難易度が図れるかなぁと思ってかいてみました。
また建設現場などからもう少し飾りたいんだよねという流れで来た人にはCINEMA4Dなどをおすすめてしています。あるいはTwinmotionという建築系ソフトも手に入れたUnreal Engineの方がしっくりくるのかもしれません。
若くて何でも吸収できる時期から動き出すより、途中から動き出す方がより「出身が問われます」が、これは悪い意味ではなくて、「得意な部分を強めながら補足すると習得が早いよね」といったたぐいのものです。
ちなみに私はシナリオからスタートしているため、楽さでいうと断トツPremiere でした。流れの刻みは、別段難しいことではなかったからです。
ただ進めていくうちに、もともとSFが好きなこともあり、Premiereではやりきれない表現にぶちあたり、実際に動かしている監督や編集の話を調べました。
結果、Mayaあたりはすぐ目についたのですが初動の費用が高いことと学びのハードルも高く、「形にできてプレゼンできればいい」という目安からAEにうつった経緯があります。
自分のことばかり引き合いに出すのは好きではないのですが、要するに「どこに立っていて」「何をしたいか」そのために「何が必要か」は、途中から道を変える場合は絶対必須な確認事項だと考えています。
足りない部分を補うのもよいのですが、強いところを活かす戦略がこの後ますます進む感じもしています。
そうはいっても今からの勉強で大丈夫だろうという人は「目標」を考えてほしいです。
例えばなのですが、Undefinedというチームがあります。
https://www.mizunocabbage.com/undefined
デモをみてもらえればわかるのですが、震えるほどスゴイ才能の持ち主が集まっています。
今は少しあがってるとおもいますが出会ったとき彼らは平均が19歳でした。
制作の腕は全世界的に見てもとんでもないです。今年VGTでていましたが、他に2019年Videocopilotの登壇や作品など……もう普通にレベルが違うんです。
ただ、その一面、それが広告や場面に多用できるかというと、アーティストであって、企画者や宣伝戦略者ではないので、+必要になるのは戦略畑のひと……広告メインで働いてきたプランナーで手を動かせて、彼らのような若く才能ある持ち主と会話ができる人になる気がします。そのタイプの「中庸」や「取り持ち」「制作を知ったうえでの戦略の人」は必要です。手を動かす人と考える人、売る人……どっちが上ではないのです。向かう場所と、やってきたことの掛け算が大事だと思います。そのうえで、お願いできるときは、張り合うのではなく、素直にスゴイ才能にお願いをすること――これも、「中途」のひとだから出来るいい意味での無駄なプライドの捨て方なのではないかななんておもったりもします。
前回Video Grapher Tokyoをみていてもおもったのですが、映画監督の長久さんが居酒屋(ラストセッションをだらだらいい感じでトークする場面)で話していた、作り手と、売りてのときの頭の切り替えの話だと思っています。
創作はわがまま・自分が楽しみを主流でいい――これはYoutubeでも見える今の世相で、それのウケるウケないは後にくる……ただ偽物はもう通用しないのです。それに対して、どう見せるかは別の話。こうしたい、ではなく、何をもとめられているかと、その好き勝手がどこの層に刺さるかを策定する話です。
この部分の切り分けが今後重要である――と同時に、ツールと自分との相性と、相性の良しあしはとにかく「知っておくこと」とが大事になりそうなだというところで今回の話を結ばせていただきたいと思います。
次回はもうちょっとポップに、「今だから見習いたいデザイン映画のお話」お届けします。