WEB・モバイル2017.03.01

日本を飛び出して、世界中で使われるサービスを フィギュアやゲームの情報プラットフォームを展開

金沢
株式会社wapon 代表取締役社長 CEO 髙松征賢 氏
高校時代はカナダ・オンタリオ州で交換留学生として1年間を過ごし、帰国後、私立大学を経て、飛び級で大学院大学に進学、卒業と同時にWebサイトやWebシステムを構築する株式会社wapon(わぽん)を立ち上げた髙松征賢(たかまつせいけん)さん。フィギュアレビューサイト「figg(フィグ)」やゲーム攻略総合情報プラットフォーム「ゲームライン」の運営も展開する高松さんに会社設立の経緯や事業発展への思いをうかがいました。

世の中にまだ無い、全く新しいネットサービスを作りたい

起業のきっかけを教えてください。

2012年に自分一人で立ち上げました。小学生の頃からパソコンに触れるのが好きで、ホームページの制作などをしてきました。大学に入ってからも、ネットに関する研究を重ね、漠然とネットを利用したサービスを提供する会社を立ち上げたいと思っていました。大学院卒業のタイミングで、夢を実現するために起業しました。自分でネットや本を調べて、必要な手続きを進めて、起業にこぎつけました。

大学院を卒業して、就職せずに、いきなり起業されたのは理由があるのですか。

世の中にはまだない、全く新しいサービスを作りたいと考えていました。新しいことを展開するのに、既存の企業の経営者やマネージャーになる必要があるのだろうか、会社員として勤める経験は必要ないんじゃないか、むしろ邪魔になるのではないかと思い、就職することなく、すぐに起業するという選択をしました。

高校時代のカナダ留学で多様な考え方を学ぶ

起業することに対して、周囲の反応はいかがでしたか。

父、母、兄弟、先生、友達と周囲には相談をしました。機械製造会社の社長をしている父親は「一度、どこかの企業に入って経験を積んだ方がよいのではないか」と言いましたが、「やりたいことを実現するには、早く会社を立ち上げたい」と思いを伝えると、特に反対することもなく、応援してくれました。

起業した後は順調に進みましたか。

正直、苦労しました。もともと不安はあったのですが、仕事を取れるあてもコネもなかったので、異業種交流会に顔を出したり、知り合いに声を掛けるなどして、最初はいろいろなつながりの中から仕事を紹介していただきました。当初はまず売上を計上するために、企業や団体のウェブサイト制作を中心としていました。

高校時代にカナダに留学された経験は企業経営に役立っていますか。

特に感じることはないんですけど、現地にはいろいろな国からの留学生が来ていたことで、多様な考え方があるんだなということを実感できました。また、カナダの人たちは、日本人に比べてアグレッシブな印象があり、そうした面で精神的な影響を受けた部分は多少あるのかもしれません。1年間のホームステイでしたが、3ヶ月ずつ計4家族のお世話になりました。今も滞在先の子どもたちとは、Facebookで連絡をとりあっています。

社名である「wapon(わぽん)」の名前の由来を教えてください。

造語なんですけど、waは「和」、日本を意味しています。ponは擬音ですが、飛び出るイメージなんです。日本を飛び出して、世界中で使われるサービスを作りたいというイメージを込めました。さらに、短い単語で、外国人も発音しやすい言葉を考えて名付けました。

受託開発業務が利益の9割 自社サービス業務の売上アップを目指す

現在、取り組まれている事業を教えてください。

大きく分けて、受託開発と自社サービスの二つの事業があります。受託開発では、企業のウェブサイト制作やウェブシステムの開発、スマホアプリの開発などがあります。自社サービスとしては、フィギュアレビューサイト「figg」やゲーム攻略総合情報プラットフォーム「ゲームライン」を展開しています。「figg」は、新しいフィギュアが発売されると、メーカーから提供される情報を掲載し、それを見たユーザーがレビューを書いたり、自分のお気に入りのフィギュアの紹介をしたりといった情報が集約されるサイトです。「ゲームライン」は、ゲームの攻略情報や、ゲームに関する最新ニュース、レビュー投稿サイトなどを複合的に掲載したプラットフォームです。売上高でみると、9割が受託開発業務、残り1割が自社サービスです。将来は、自社サービスの運営だけで利益を賄っていけるようにしたいですね。

フィギュアレビューサイト「figg」の立ち上げを思いついたのはなぜですか。

大学院に在学中の2010年頃から、フィギュアの収集を始めました。フィギュアは、メーカーによって作りが全く違うことに気づき、その一体ごとに異なるというところに魅力を感じています。製造数が少ないとプレミアが付いて収集欲が出てくるのですが、フィギュアの情報を集めるには、メーカーのサイトを見るか、アマゾンのような通販サイトを利用するか、新着フィギュアの情報を上げている愛好者のブログを見るぐらいしかなかったのです。そこで情報が網羅的に整ったサイトがあればいいなと思い、2014年に自分で立ち上げました。今では、メーカーから「この情報を載せてほしい」というメールが送られてくるようになり、情報がどんどん集まってきています。

では、ゲーム攻略総合情報プラットフォーム「ゲームライン」の立ち上げのきっかけは?

学生時代から、ゲームの攻略サイトを作り、ある程度PVがあって、収入を得ていました。これをシステム化すれば、会社の売り上げになると思ったのがきっかけです、ゲームごとの攻略情報を、詳しく早く提供することが、評価につながり、売上にも関わってきますので、情報収集を大切にしています。

社員には「仕事が好き」という気持ちを忘れないでほしい

経営者として、社員に呼び掛けていることはありますか。

今、社員は男性が5名、女性が2名。いずれも20代です。世界中の人に影響を与えるような、世界中で使われるサービスを作りたいと思って起業したwaponですが、AppleがiPhoneを作り、Googleが検索サービスを展開したように、新しいサービスを生み出していければと考えています。社員には、世界中で使われるようなサービスを作り、会社の名前を全世界の人が知ってるような存在にしようと言っています。収益性も大事ですが、それよりも、とことんこだわったものづくりをしてほしいですね。「仕事が好き」という気持ちを失わないでほしいと思います。

社長自身20代、社員も若く、経営していく上で苦労はありますか?

たくさんあります。社員との意思疎通など、難しいですね。営業するにも、お客さまの思いをくみとるのに苦労しています。1人で起業したwaponは、2年目に社員を1人雇い、その後はさらに人数も増えてきましたが、実は、社員を雇った今のほうが不安です。定期的な仕事が無いので、仕事を絶えず取り続けなければならない、という不安ですね。それでも、社員とともに自分たちの思いを実現するために、一生懸命取り組んでいるところです。

起業しようと思っているクリエイターに一言アドバイスをいただけますか。

「自分の好きなことを突き詰めて頑張ってください」ということです。

取材日: 2017年2月8日 ライター: 加茂谷 慎治

株式会社wapon

  • 代表者名(よみがな):代表取締役社長 CEO 髙松征賢氏 (たかまつ せいけん)
  • 設立年月:2012年4月17日
  • 資本金:60万円
  • 事業内容:Webサイト制作、ITソリューション、Webアプリケーション開発、スマートフォン向けアプリケーション開発(iPhone、Android)、 インターネットサービス開発・運営、Linuxサーバ構築(Webサーバ、メールサーバなど)
  • 所在地:石川県白山市新田町85番地
  • URL:https://wapon.co.jp/
  • お問い合わせ先:メールアドレス info@wapon.co.jp
  • 電話:050-5539-6640
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