WEB・モバイル2014.02.07

クリエイターがつながる場所『TORIDE』で 人も仕事も良い循環を生み出したい。

名古屋
株式会社アドラインプラス 代表取締役 小野裕司氏
アドラインプラスは名古屋を中心に印刷・WEBなどのデザインを手がける制作会社。 特徴的なのは事務所の下に併設されたクリエイターが集まるギャラリー・バー「TORIDE」を運営していること。TORIDEのコンセプトは「本気の人を応援します」です。イベントなどの交流を通して、たくさんの人と人の「つながり」を作っています。そして熱意がある本気な人たちをどんどん応援しています。 代表取締役の小野裕司さんにお話を伺いました。 (写真左:代表取締役 小野氏/右:専務取締役兼TORIDE責任者 藤本氏)

以前勤めていた会社の渡邉社長から「そろそろ独立したら?」と温かい言葉をいただいて独立

代表の小野さんが起業したきっかけは「当時勤めていた会社の社長からのすすめがあった」ことだったといいます。

株式会社アドラインプラス 代表取締役 小野 裕司氏

株式会社アドラインプラス
代表取締役 小野 裕司氏

前職で5年ほど働いていた時に社長から打診を受けました。 僕が30歳を目前にしていたのでそろそろ自分でやってみたら?という社長の親心だったと思います。 当時は流通系の仕事をメインにやっていて、流通系の不景気が話題になっていた時代でした。その影響もあるとは思いますが、いい機会だから自分たちで会社を始めてみてはどうか?と背中を押してくれたんです。それで専務取締役の藤本と一緒に始めました。 事務所も、機材も、仕事も、すべてその会社有限会社アド・ライン(現在は業務を終了)のものを引き継がせてくれました。なので、独立したばかりなのに納期に追われて徹夜したりして仕事してました。

だから会社名が「アドラインプラス」なんですか?

そうなんです。古巣のアドラインよりもいい会社になりたいという思いと、前の会社への感謝の気持ちで名前を残して、プラスとつけました。でも実際は、独立の話をいただいてから、すぐにでも独立準備をしないといけない状況で、時間がなかったというのが本音で(笑)。わりとササッと決めた社名なんです。

トントン拍子というかものすごく急な独立だったんですね。

そうですね。話を頂いてから、ほんの2ヶ月程度で個人事業主として独立しました。2009年には法人化をして株式会社アドラインプラスとなりました。これまで順調にやってこれたのも渡邉社長のおかげですね。本当に感謝です。実はその社長に出会ったのはアドラインに入社する前の会社なんです。僕はもともとデザイン制作がやりたくて、印刷会社の制作部門に新卒で入社したのですが、営業の仕事が忙しくてなかなか制作の仕事をさせてもらえませんでした。そしてその会社をやめ、新しくデザイン会社に入りました。そこで出会ったのが、渡邉社長だったのです。社長は大阪の方ですが、たまたまのその会社のデザインを手助けするために大阪から週2、3日名古屋に来てました。何度も一緒に打ち合わせにいったり、徹夜をしたりして働いているうちに、本当に人柄がいい方だなと思ったんです。そして軽い気持ちで『名古屋にもアド・ラインの支社を作ってくださいよ』と言ったんです。 そうしたら本当に支社が作られて、いつの間にかそこで働いていて…と。 社長との出会いがきっかけで今があるんですよ。

「すべての人にとって、プラスを創る」という経営理念をスタッフ全員で作った

経営理念を伺いましたが、この理念はどうやって作ったのですか?

経営理念づくりは、今、私が所属している一般社団法人アソシア志友館の柴田理事長にご協力を頂き、スタッフ全員でつくりました。理事長は以前ホテルアソシア名古屋ターミナルの総支配人をされていてました。4期連続赤字だった会社をたった1年で黒字にされた伝説の総支配人です。理事長が、会社を立て直す為に始めに手を付けたのが、経営理念を社員とともにつくる事だったそうです。ですから、私たちの会社が経営理念を作ろうとした時に、その当時のエピソードを交えて、経営理念をスタッフ全員つくる事の大切さをお話して頂きました。そしてアドラインプラスの経営理念『すべての人にとってプラスを作る』ができあがりました。

すごく素敵な理念ですね。一緒にいるだけで楽しくなりそうな感じがします。 会社のデザインのこだわりで「プラス」している部分を教えて下さい。

<お客様の会社にあったデザイン>というものを、様々な角度で考えて提案しているという点でしょうか。 例えば、会社案内を作って欲しいという依頼があった時に、この人にあった販促ツールは「本当に会社案内なのか」という事を考えて話を聞くようにしてます。実は、営業ツールが何か欲しいというだけで「会社案内が欲しいわけではない」場合があるんです。また、営業が苦手な方に会社案内を作ってあげても、うまく使えない場合もあります。ですから、お客さんの要望や使い方に合わせた提案をするため、会社案内を求めてお話を頂いたお客様にホームページをおすすめしたりする事もします。

ホームページで売上を上げるというのは難しいのではないですか?

ある製造業のお客様のホームページを作らせていただいた時の事です。 営業ツールを作るために何度も工場にかよい、取材させて頂くうちに、この会社さんの「推せるポイント」はここだと気づきました。 そのポイントをしっかりPRするようなホームページをデザイン・制作したところ、大きな会社からの受注が入り、その後も仕事が沢山入るようになったそうです。リーマンショックの時で、他社がどんどん仕事を失っていくなか、嬉しいことに「対応しきれない程の注文が来たので、一回ホームページを閉鎖してほしい」と言われたんですよ。 こんな事ができたのも、お客さんが弊社を信じて色々な事をお話してくれたからだと思います。 お客様との信頼関係を築くことがやっぱり大切ですね。

「お客様の悩みを何とかしたい」という思いで、お客様ときちんと接することで、「プラス」するのがどこなのかが、見えてくるのではないかと思います。

「プラス」が広がりクリエイターが集まる「TOIRIDE」が誕生

2012年にギャラリー&バー「TORIDE」がオープンしましたがこれはどんなことがきっかけでしたか?

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TORIDEを作った理由は、もっとデザイナーやクリエイター同士のつながりをつくって、一緒に仕事をしたり、お互い得意な部分で勝負できる仲間を作りたいと思ったからです。 人が集まるといい環境が生まれて、アイデアが浮かんだり、視野が広がったりしますよね。 たくさんの人とつながってお互い協力する事で、今までできなかった大きな案件も受注することもできるんです。

実際にオープンしてからはたくさんの作家さんの展示や、ロゴやイラストのコンペから餃子8耐、クリエイター向けの経営塾などさまざまな事が行われていますね。

展示に関しては、個展から企画展まで幅広くおこなってます。作家さんの個展の資金をためるために、「夢の総選挙」と題して、作家さんの以前からの夢を達成させる事もできました。その後に行なわれた「色鉛筆だけで壁一面に絵を描くという個展」もすばらしかったです。最終日は感動でしたよ。 餃子8耐、カレー対決などのイベントは楽しいからやっているだけですが(笑)、ロゴ・イラストのコンペはみんな真剣にエントリーしてくれていつも力作揃いですよ。 経済大学の講師の先生と一緒に経営塾をスタートしました。経営塾に関しては、TORIDEに集まるみんなが、ビジネス感覚をもってクリエイティブな活動をしていく事に、何か協力できればと思って始めました。 本当の人脈というのは何回も顔を合わせて、おしゃべりするうちに築かれるものだと思います。人柄を知ってもらって「この人だから頼みたい」と思ってもらえれば、自然と仕事につながるじゃないですか。そんな人とのつながりをTORIDEは演出したいんです。仲間同士になると、楽しく仕事ができますよね。楽しく仕事しているとそれが伝染して、結果的には人にも仕事にもいい流れができるのではないかと思います。

TORIDEの課題を教えて下さい。

毎月15日にはデザインの関係者(デザイナー、イラストレーター、カメラマン、印刷会社、代理店など)や作家などのクリエイターが集まるイベント「十五夜会」を行って、同じ業界の人同士で交流しています。今はかなり人が集まるようになったので、今後はTORIDEに来てくれるみなさんと企業とのマッチングをいままで以上に増やしていきたいですね。そしてTORIDEに集まるみんなで幸せになるような環境を作っていきたいです。

今後アドラインプラスで一緒に働きたいと思う人を教えて下さい。

素直で真面目な方がいいかなと思います。あとは私達の経営理念に共感してくれる方で、自分以外の人に何かのプラスを与える事に喜びを感じる人がいいですね。

 

取材日:2014年1月29日

企業名:株式会社アドラインプラス

  • 代表:代表取締役 小野裕司
  • 設立年月:2009年3月
  • 事業内容: デザイン制作業務全般/企画・マーケティング業務/ホームページ管理業務/ホームページ制作業務/写真・動画撮影業務/企業情報 BOX/ギャラリー・飲食店経営
  • 所在地:〒460-0007 愛知県名古屋市中区新栄2丁目8-1 TORIDE
  • URL:http://adlineplus.com/
  • お問い合わせ先:上記HPのお問い合わせフォームより
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