グラフィック2014.12.03

東京ではできないことをこの場所から 東北の復興の一助になる仕事を 真摯に、心を込めて

仙台
株式会社アイプラン 代表取締役 岩松正巳氏
東日本大震災の後、東北は、これからどうするべきなのか、どのように暮らしたいのか、『復興』という大きな目的のもとに模索しつづけています。今回取材させていただいた株式会社アイプランは仙台の広告制作会社。不動産や通信を中心にさまざま業種の企画に携わっています。その企画の中には復興プロジェクトと冠したものも数多く、訴求する内容も多岐にわたります。代表である岩松さんに現在の東北の仕事についてお聞きしました。

ステートメントとして掲げているのは 『人と社会の役に立つための会社であり続けること』

2008年に創業されたということですが、起業までの経緯を教えてください。

私が以前勤めていた会社が、今の会社の前身です。社長が亡くなり一旦会社を整理し、ほぼ私が引き継ぐ形で改めて会社を興しました。前身の会社には15年以上勤めていましたので、プランナーとしてかなりのボリュームの仕事を任せてもらっていました。私を育ててくれた10年来のクライアントとも継続してお仕事をさせていただいています。

具体的にはどのようなお仕事からキャリアを積まれたのですか。

20歳を少し越えたくらいの頃、面接で『自分のやりたい仕事は広告かも』と感じ、入社させてもらいました。当時は、右も左も分からない状態。会社は主に不動産系の広告制作をしていましたので、当時の版下制作の作業を一から覚えました。入社半年後くらいに、コピーからデザインまで一人でつくらせてもらった新聞折込チラシに、師匠であった社長からOKをいただいたときのことは今でも覚えています。嬉しかったですね。因みにそのチラシのクライアントとは、今でもお仕事をさせていただいています。

長いお取引になりますね。 御社が大切にされていることは何でしょうか。

理念として掲げているのは『人の役に立つこと、社会の役に立つ仕事をする会社であり続けること』です。そのために全力を尽くす、という姿勢は、私が前身の会社で学び、今も変わらずに大切にしていることですね。物事にコンセプトを見い出し価値を付けるということが最もクリエイティブなことですから、クライアントからお話をいただくと、まずは対象について考察してコンセプトを練り上げていきます。根気が要りますがそれが一番楽しい時間ですね。

東北6県のさまざまな地域の価値を高め それを伝えるための仕事に力が入ります

現在進行しているプロジェクトについて教えていただけますか。

気仙沼の水産会社さんとご縁をいただいたことをきっかけに、気仙沼の復興のお手伝いをさせていただいてます。水産会社や気仙沼帆布雑貨のホームページ、Webショップ、あるいは震災で流されたまちの防災集団移転を紹介するホームページにも携わっています。最近は気仙沼発の新しい商品ブランドの取り組みにも首を突っ込ませていただいています。

震災があったことで御社の経営に変化はあったのでしょうか。

大きくは変わりません。震災の直後でもお仕事は変わらずいただけましたので、有り難いことに経営が逼迫(ひっぱく)することもありませんでした。掲げる理念にも変わりはありません。ただ、『地方の価値を見つめ直し高める』という今の時代の潮流があり、一方で東北は復興の事業がスピード感を持って進んでいますので、東北の価値を高め伝えるためのプロジェクトに、特に真摯に関わっていきたいと思っています。

そうですか。自社製品の開発はされているのでしょうか。

ええ。今は物販と広告ツールの提案をしています。まず、ECショップで販売しているのが、無臭で除菌効果の高い消臭剤です。これはクライアントの広告提案の延長線上に、メーカーとして自社で企画し製品化して販売するというスキームを体現するため、自社での商品化にも取り組んだものですね。楽天市場にショップを開いて販売しています。

また、紙上に印刷されたコードにスマートフォンをかざすだけで動画を観ることができる広告ツールアプリも展開しています。これはシステム会社が開発した製品を買い取ったもので、パンフレットやポスターなどの印刷物に特殊なコードを組み込み、そこにスマホをかざすことで動画を再生することができるので、新しい広告ツールとして期待しています。

自分で方向を定め、そこに向かって行くことができる クリエイターを求めています

岩松さんが今、スタッフに求めていることは何でしょうか。

そうですね。『エンジンを持っているか』ですね。私の会社では、スタッフの年齢は問いません。その人が自身で方向を定めているか、そして自分で考えて動くことのできるエンジンを持っているか、ですね。

エンジンとは行動力ですか。

ええ、そうですね。行動力も一つですが、それだけではなく起動するためのガソリンを持っていることが重要だと思います。自分の意思があり、起動するガソリンもあり、さらに行動力も伴っていることでしょうか。

なるほど。御社は少数精鋭ですよね。

ええ、そうです。私の他に2名ですね。私もプランナーとして最前線で動きますが、他の2名にも同じように動いてもらっています。クライアントの情報は社内で綿密に共有し、バランス感覚をもって取り組んでもらっています。

クライアントあっての広告ですが 受け身である必要はないと思っています

最後に御社の今後のビジョンをお聞きしたいのですが。

はい。広告制作というものはクライアントがあって初めて生まれる仕事です。ですが、常に受け身でいては面白くないですよね。クライアントから受注するというスタンスは変えようがありませんが、こちらからクライアントへ、私たちの魅力や企画力を発信し、仕掛けていかなければならないと思っています。それは、目前の広告を満足度高く作り上げることも一つですが、さらに自社製品を作るなどのアクションを起こすことも大事なことだと考えています。

地元、仙台への想いはいかがでしょう。

そうですね。仙台で役に立ちたいという思いは強く持っています。東北各地のお仕事をいただいておりますが、東北6県の要所である仙台に拠点を置いていますので、情報は多く入ってきます。震災から立ち上がる東北の多くの人の役に立ち、東北のためになると思える仕事に、心を込めて取り組んでいきたいと考えています。

取材日:2014年10月15日

株式会社アイプラン

  • 代表者名:岩松 正巳(いわまつ まさみ)
  • 設立年月:2008年2月1日
  • 資本金:10,000,000円
  • 事業内容:企業・商品・店舗におけるデザイン・広告制作・企画・コンサルティング・商品企画
  • 所在地:〒980-0804 仙台市青葉区大町2丁目6-14 NISSIN本社ビル2階
  • TEL:022-352-5080
  • FAX:022-352-5081
  • URL:http://www.iplan2008.jp/
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