加賀百万石・地元のフェスに想うこと
1年のうちで最も金沢が盛り上がる6月最初の週末、2つのお祭りが開催されました。
1つは市祭・第68回金沢百万石まつり。
もう1つは今年で7回目の百万石音楽祭~ミリオンロックフェスティバル~です。
私は今年も百万石音楽祭へ。
2013年の初開催時は1日のみ、出演10組だったのが、2019年現在、2日間で全84組が出演する北陸最大級フェスに進化しました。
初開催時、まだ金沢に北陸新幹線は開通しておらず、多くの石川県民が新しい風が吹く期待感と、新幹線で何か変わるの?という半信半疑を抱いていた時期でした。
金沢というところは、私の勝手な偏見ですが、音楽に対して勢いや熱量が北陸三県でも少ない地域だと思っていたんですよね。
弾けるにも弾けきらない、一歩下がって俯瞰する、プライド高めでかっこつけマン。
金沢生まれ金沢育ちの私は、金沢人にそんなイメージを持ってます、金沢大好き!!
そんな金沢で、10-FEETが!RIZEが!モンパチが![ALEXANDROS]が!(当時はまだchampagne)出演するフェスが開かれるなんて!
どうして!うれしい!と、音楽好きの私はただ単純に鼻息荒く、告知取材へ向かったものです。
ただ、当時主催者さんとお話をさせていただいて感じたことは、開催に対していろんな理由があるのでしょうけど、キーワードは「町おこし」なのだなと。
百万石まつりは金沢で最も大きなお祭りで、毎年たくさんの観光客が来てくださいます。
だけど、若い世代、10代~30代が百万石まつりのために新幹線に乗ってわざわざ金沢まで来てくれるかというと、そこまでの知名度や若者まで惹きつける誘致力があるかは分からない。(百万石まつりを毎年見に行くか?と言われるとそうではない地元民の私は、とりあえず思えない)
「京都大作戦」や「イナズマロックフェス」のように地域と絡めた音楽フェスを、金沢百万石まつり同日に開催することで、相乗効果や親世代は百万石まつりへ、子世代はミリオンロックへ、家族みんなで金沢を楽しめるようになれば。
そう話す主催者さんの言葉に、「新幹線開業を目前に控えた金沢で大型ロックフェスを開催する意味」を深く考えさせられたことを思い出します。
7年目の今年も、ミリオンロックには本当に大勢の人が詰めかけました。
ライブキッズもオトナ世代も、ひゃくまんさんもおでましに!(かわいい!)
産業展示館というアリーナタイプの施設1~4号館を借り切って行う屋内フェスのミリオンロックは、日本で最も雨の日が多いといわれる石川らしさがあります。(とはいえ、雨が降った回はあったかしら、というくらい今年も快晴!)
今年は金沢21世紀美術館前にある石浦神社も、出張ブースを設けていました。
日本全国、いまや「町おこし」を狙った音楽フェスは数多くあります。
実際は開催後の渋滞や違法駐車、ゴミ、騒音、参加客のマナーなど、音楽に興味のない地元の人は特に眉をしかめる問題も少なくないのかもしれません。
金沢でも最近、「Zepp金沢」の開業予定がニュースになりましたが、追加報道として周辺住民の反対が取り上げられています。
音楽やライブやフェスの素晴らしさ、楽しさって、音楽好きにはものすごく共感しあえるものがあるけど、音楽に興味のない方からすればなかなか伝わりにくいもの。
音楽フェスが本当に町おこしにつながることを、どれだけの人に伝えていけるのかも、地元のロックフェスの課題なのだろうなと感じたのでした。