ガラス作家・奥村朝美さんの海洋シリーズ 色ガラスのゆらめき
金沢
ライター
いんぎらぁと 手仕事のまちから
しお氏
金沢の観光地・ひがし茶屋街の裏をぐぐーっと上っていくと、卯辰山があります。
この春、卯辰山のギャラリーでお会いした、ガラス作家・奥村朝美さんの作品に心奪われました。
神奈川県出身で金沢卯辰山工芸工房を修了した奥村さんは、パート・ド・ヴェールという技法で海をテーマにした作品などを制作し、金沢や東京で展示を行っています。
パート・ド・ヴェールとは、まずワックスや粘土で作品の原型を作り、原型を元に型取りした石膏にガラスの粉を詰め、窯で焼いて成形する技法のこと。
型に何色も色ガラスの粉をつめるので、焼きあがると溶け合ってどうなるのか、完成までわからないのだそう。
奥村さんが「ガラスに任せた色合いが出る、予想外がおもしろい」とおっしゃっていたのが印象的でした。
作品はにじんだような色合いがまさに海の中のゆらめきのようで、いつまでも見つめていたくなるものばかり。
「さんご礁」はテーブルの上に手乗りサイズの淡い海が現れたようで、心癒されます。
深海生物たちもどことなくマスコット的な可愛さがあり、「海洋生物が大好き」という奥村さんの愛が感じられます。
寸分の色合いにこだわり完璧に作り上げるのもまた芸術ですが、熱や特質も作品のひとつとしてありのまま受け入れるのもまた、クリエイティブだと感じたのでした。
参考URL:奥村朝美さんfacebook https://www.facebook.com/profile.php?id=100010604409842
プロフィール
ライター
しお氏
ブランニュー古都。
ふるくてあたらしいが混在する金沢に生まれ育ち、最近ますますこの街が好きです。
タウン情報サイトの記者などをしながら見つけたもの、感じたことをレポートします。