トーキョーアーツアンドスペース レジデンス2019 成果発表展「予兆の輪郭」
トーキョーアーツアンドスペース レジデンス2019成果発表展
[第1期] 2019年4月13日(土)~ 5月19日(日)
[第2期] 2019年6月 1日(土)~ 7月 7日(日)
会場:トーキョーアーツアンドスペース本郷
開館時間:11:00 - 19:00 (最終入場は30分前まで)
休館日:月曜日(4/29、5/6は開館)、5/7(火)
入場料:無料
主催:トーキョーアーツアンドスペース(公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館)
参加作家:
【第1期】アンドレアス・ハルトマン、牧園憲二、松田朕佳、三上 亮、ソーンチャイ・ポングサ、曽谷朝絵、武田雄介
【第2期】エリサ・カルダナ&長坂有希、ジャンフランコ・フォスキーノ、ルシアナ・ハナキ、リム・ソクチャンリナ、ミヤギフトシ、迎 英里子、ヘンリケ・ナウマン
提携都市/機関:アーツ・イン・レジデンス台北/トレジャーヒル・アーティスト・ヴィレッジ(台北・台湾)、アトリエ・モンディアル(スイス・バーゼル)、ケベック・アーツカウンシル(カナダ・ケベック)、HIAP(ヘルシンキ・インターナショナル・アーティスト・イン・レジデンス・プログラム、フィンランド・ヘルシンキ)、ベルリン市/クンストラウム・クロイツベルク/ベタニエン(ドイツ・ベルリン)、マタデッロ・マドリード (スペイン・マドリード)、MMCAレジデンシー・コヤン(韓国・ソウル)、ロンドン芸術大学(イギリス・ロンドン)
ウェブサイト:https://www.tokyoartsandspace.jp/archive/exhibition/2019/20190413-4454.html
▮ 展覧会について
慣れ親しんだ日常から距離を置き、海外で一定期間を生活し制作するというレジデンス滞在は、アーティストにとって自己が置かれている場所や環境を客観的に見つめなおし、現状を俯瞰して捉えることができる貴重な機会です。
常に半歩先の社会を見据えるアーティストたちは、私たちが普段気づかないような見えない何か-例えば過去に埋もれてしまっている市井の人々の歴史や、その土地や環境から必然的に生み出された社会システムなど-を敏感に掴み取り、リサーチや制作を重ねてきました。本展では、彼ら14組のアーティストがレジデンスでの経験を元に発展させた成果作品を紹介します。これから何かが起きるかもしれない予兆が、ぼんやりと輪郭を得てかたちになろうとする瞬間の表現を試みる彼らの作品にご期待ください。
▮ オープニング・トーク
※参加作家は変更となる場合がございます。予めご了承ください。日英逐次通訳あり。
【第1期】
日時:4月13日(土)16:00 -
アンドレアス・ハルトマン、牧園憲二、松田朕佳、三上 亮、ソーンチャイ・ポングサ、曽谷朝絵、武田雄介
【第2期】
日時:6月1日(土)16:00 -
エリサ・カルダナ&長坂有希、ジャンフランコ・フォスキーノ、ルシアナ・ハナキ、ミヤギフトシ、迎 英里子、ヘンリケ・ナウマン
▮ 参加作家
【第1期】2019年4月13日(土)~ 5月19日(日)
アンドレアス・ハルトマン(ドイツ)
映像作家のハルトマンは、跡形もなく消えて新たな人生を始めるというドキュメンタリー・プロジェクトの一環として、日本の「蒸発」に着目し制作を行いました。人間に共通する欲望や憧れ、恐怖について普遍的な物語を伝えるべく、蒸発した側と残された側の双方の視点から探求します。本作は映像作家/編集者の森あらたとの共同制作。
【プロフィール】
1983年生まれ。ベルリン在住。2011年ポツダム=バーベルスベルグ映画・テレビ大学卒業。近年の主なスクリーニングに「A Free Man」 (ワールドプレミア、第22回釜山国際映画祭、及び欧州プレミア、第60回ライプツィヒ国際映画祭、ドイツ、2017)、「My Buddha is Punk」(ワールドプレミア、第56回ポーポリフィルムフェス
ティバル、フィレンツェ、イタリア、2015)など。
牧園憲二
2011年以降、エネルギー産業への興味を強くした牧園は、個と社会、エネルギーと生活の関係性を考察し、そこから生み出される表現の可能性を探求しています。滞在先のソウルでメンバーを募ってロックバンドを形成し、電気問題や他者との恊働をテーマに活動を重ねたドキュメントや、映像インスタレーションを発表予定。
【プロフィール】
1983年福岡県生まれ、福岡県在住。2008年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。近年の主な展覧会に、「第18回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ2018」(バングラデシュ・シルパカラ・アカデミー、ダッカ)、「交換」(台東アートアンドカルチャーセンター、台東、台湾、2018)、「The Art of Travel」(MMCAレジデンシー・コヤン、韓国、2018)、「カルチュアル・パーク」(シャオロン・カルチュアル・パーク、台南、台湾、2017)など。
松田朕佳
用途を前提として作られた既製品や、用途が定着したイメージを無効化するように変更を加えた作品制作を目指す松田は、システムを反転させるべく、カナダの特産品メープルシロップとその樹木から着想を得たインスタレーションを発表します。
【プロフィール】
1983年生まれ。2010年アリゾナ大学大学院修了。近年の主な展覧会に「Timeshare: Reframed」(ZAHA HADID Building、ニューヨーク、2017)、「Hey, You're Home Early?」(Refinery Art Space、Nelson、ニュージーランド、2017)、「清流の国ぎふ芸術祭Art Award IN THE CUBE 2017」(岐阜県美術館、2017 ※耳のないマウスとして参加)、など。主な受賞歴に審査員・三輪眞弘賞(清流の国ぎふ芸術祭 Art Award IN THE CUBE 2017)、審査員・中村政人賞(3331α Art Hack Day 2015)など。
三上 亮
日常生活や風景に潜む物事の関係性が、無意識や偶然によって出現する瞬間を可視化させる装置の創造を目指す三上は、ベルリンを題材にしたヴァルター・ベンヤミンのエッセーやヴィム・ヴェンダースの映画で描かれるベルリンと、現在の風景が次元を超えて重なる瞬間を追い求め制作を行いました。眼前に広がる風景には過去どのような人々の思いが重ねられてきたのか、その記憶の断片をリサーチ、撮影した結果を展示します。
【プロフィール】
1983年神奈川県生まれ。神奈川県在住。2011年東京芸術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了。近年の主な展覧会に「Under Her Skin」(仲町の家、東京、2018)、「さいたまトリエンナーレ2016」(セレモニーアートビレッジ、さいたま市、2016)、「BankART AIR Open Studio 2016」(BankART Studio NYK、横浜)、「Find Default and Rename It -幻談- 第 8 回展覧会企画公募」(トーキョーワンダーサイト本郷、2015)など。
ソーンチャイ・ポングサ(タイ)
タイのモン族としてアニミズムや民族性、不可視なものに関心をもつポングサは、日本のお盆文化や先祖供養の風習、また戦没者についてのリサーチを行い、戦争遺族とのインタビューを重ねた成果をインスタレーションで発表します。
【プロフィール】
1991年カンチャナブリ(タイ)生まれ。バンコク在住。2016年よりシラパコーン大学修士課程修了。近年の主な展覧会に「HATOHANO Ancestral Gatherings」(LHONG1919、バンコク、2018)、「Le Flash」(エコール・デ・ボザール、パリ、2018)、「MONTOPIA」(Cité Internationale des Arts、パリ、2018)など。
曽谷朝絵
曽谷は、光と色彩、身体感覚を主題に、光そのものを描く絵画や、光を知覚するときの身体の様子を具現化したインスタレーションを制作しています。様々な表現方法で人間の認識や創造の仕組みを多角的に探り、人間が本来持つ感覚世界の体現化を目指します。
【プロフィール】
神奈川県在住。東京藝術大学大学院博士後期課程美術研究科油画専攻にて博士(美術)取得。近年の主な展覧会に「Asae Soya solo exhibition "Broken Rainbow"」(アトリエ・モンディアル、バーゼル、2018)、「高松市美術館コレクション+」(高松市美術館、高松、2018)、「DOMANI 明日展」(国立新美術館、東京、2017)、「曽谷朝絵展・宙色(そらいろ)」(水戸芸術館、茨城、2013)など。NYや中国などでパブリックアート制作。主な受賞、助成歴に「平成25年度 新進芸術家海外研修制度」(文化庁)、横浜文化賞文化・芸術奨励賞、神奈川文化賞未来賞(2013)、「VOCA展」VOCA賞(2002)、昭和シェル石油現代美術賞グランプリ(2001)など。
武田雄介
イメージの不確定性をテーマに制作を行う武田は、表層レベルで認識されない不可視なイメージの物質的環境の構成について考察し、滞在先の台北では都市の記憶とイメージ、身体的な関わりについてリサーチを重ねました。本展ではトレジャーヒル・アーティスト・ヴィレッジでの展示を再構成します。
【プロフィール】
1985年広島県生まれ、石川県在住。2014年金沢美術工芸大学大学院博士後期課程満期退学(博士号取得)。近年の主な展覧会に「2018 Season 4 Treasure Hill Residency Artists Exhibition」(トレジャーヒル・アーティスト・ヴィレッジ、台北)、「アペルト06 武田雄介」(金沢21世紀美術館、石川、2017)、「いまはすくなくとも目の前の街が利用するためにある」(WAITINGROOM、東京、2015)、「VOCA展 現代美術の展望―新しい平面の作家たち」(上野の森美術館、東京、2015)など。
【第2期】2019年6月 1日(土)~ 7月 7日(日)
エリサ・カルダナ(オランダ)&長坂有希(日本)
カルダナと長坂は、1990年代始めにおきたバブル崩壊以降、長期の経済停滞下にある東京の街の現状やそこで暮らす人々の生活についてのリサーチを共同で行いました。リサーチでは、都市構造や建築という具体的で可視化された事象だけでなく、ロストジェネレーションや東京の人々が描く未来という抽象的な概念についても理解を深めようとしました。今展覧会では、この共同リサーチをもとにそれぞれが制作した作品を発表します。
【プロフィール】
エリサ・カルダナ:1986年ポルデノーネ(イタリア)生まれ。オランダ在住。国立造形美術大学シュテーデルシューレ・フランクフルト修了。近年の主な展覧会に「That’s IT!」(MAMbo、ボローニャ、イタリア、2018)「TOPOGRAPHY OF TERROR (19.12.2016)」(ar/ge kunst、ボルツァーノ、イタリア、2017)など。
長坂有希:1980年大阪府生まれ。大阪府在住。国立造形美術大学シュテーデルシューレ・フランクフルト修了。近年の主な展覧会に「カムイワッカへ、そして私たちの始まりへ」(現代美術研究所CAI02、札幌、2018)、「クアトロ・エレメントス」(ポルト市立美術館、ポルトガル、2017)など。
ジャンフランコ・フォスキーノ
写真や映像表現を行うフォスキーノは、近年長回しの技法を取り入れた映像作品を中心に発表しています。遠景から撮影された風景は最小限の動きが捉えられ、都市と平行した次元にある牧歌的情景の中にかつて存在した無名の物語と生活を示唆します。本展では東京滞在中にリサーチを行った中銀カプセルタワービルに着想を得た映像インスタレーションを発表予定です。
【プロフィール】
1983年生まれ。チリ在住。2008年UNIACC大学卒業。近年の主な展覧会に「HUMBOLDT.」(Christopher Grimes Gallery、サンタモニカ、アメリカ、2017)、「ATMOSPHERE.」(Baeckerstrasse 4、ウィーン、2017)、TEMBLOR / 13th Media Art Biennial(Centro Nacional de Arte Contemporáneo、サンティアゴ、チリ、2017)など。
ルシアナ・ハナキ
個人と他者の記憶の重なりや差異、入れ替えをテーマに活動するハナキは、過去の巡礼者の日記を基に、彼らの行動を再演しながらサンティアゴ・デ・コンポステーラまで歩き、自分と他者の経験が混ざった日記を制作。その日記を使った映像やドローイングを中心にインスタレーションを行います。
【プロフィール】
1987年リマ生まれ。日系ペルー人の父親と日本人の母親のもとに生まれる。制作をとおして自分の中に混在する二つの国のアイデンティティの関係性を問い、探求している。バックパッカーとして世界を放浪後、リマにあるCentro de la Imagenにてビジュアルアートのマスタークラスで学び2016年修了。近年の主な展覧会に「/jama/」(屋久島、白川山、鹿児島、2017)。
リム・ソクチャンリナ(カンボジア)
世界との関係の中で、カンボジアにもたらされる様々な変化に対する関心を喚起させる作品に取り組むソクチャンリナは、各国のカンボジア人出稼ぎ労働者についてリサーチを行っています。東京ではさらにカンボジア人政治亡命者にも対象を広げ、映像や写真で表現した作品を発表予定です。
【プロフィール】
1987年プレイベン(カンボジア)生まれ。プノンペン在住。2010年ノートン大学経済学士取得。近年の主な展覧会に「Sa Sa Art Project」(シドニービエンナーレ、2018)、「The Life of Things」(Jendela、Esplanade mall、シンガポール、2018)、「サンシャワー:東南アジアの現代美術展 1980年代から現在まで」(国立新美術館/森美術館、東京、2017)、「National Road Number 5」(Art Stage Singapore、シンガポール、2016)など。
ミヤギフトシ
自身から遠い立場の人たちとどれだけ共感できるかを模索するミヤギは、男性間の同性愛行為が禁じられていた時代のイギリスを生きた人々の関係や、語る声を持てなかった女性の語りを交え、スライドショーを中心とした構成で、「消えた男」の物語を二つの視点から描きます。
【プロフィール】
1981年沖縄県生まれ。2015年ニューヨーク私立大学シティ・カレッジ美術学士号を修了。近年の主な展覧会に「小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家vol.15」(東京都写真美術館、2018)、「Closed Windows」(XYZ Collective、東京、2018)、「近くへの遠回り―日本・キューバ現代美術展」(ウィフレド・ラム現代美術センター、キューバ/スパイラルガーデン、東京、2018)など。作品制作のほか、文芸、美術媒体への寄稿も行う。第44回木村伊兵衛写真賞ノミネート。
迎 英里子
社会や自然に存在する対象をモチーフにしたパフォーマンス作品を通して、生活に密着しつつも見通すことのできない世界の体系に向き合うことを課題として制作する迎は、フィンランドの主産業である林業から着想を得たパフォーマンス作品を発表します。
【プロフィール】
1990年兵庫県生まれ。秋田県、京都府在住。2015年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。近年の主な展覧会に「かみこあにプロジェクト」(上小阿仁村、秋田、2018)、「不純物と免疫」(OPEN SITE 2017-2018、TOKAS本郷、2017)、「新しいルーブ・ゴールドバーグ・マシーン」(KAYOKOYUKI・駒込倉庫、東京、2016)、「アプローチ2(石油)」(Gallery PARC、京都)など。
ヘンリケ・ナウマン(ドイツ)
コンゴ共和国キンシャサのサプールたちが日本のデザイナーズ・ブランドに夢中になっている「日本趣味」の現象についてリサーチしました。本展では、ファッションが異なる文化的文脈の中でどのようにトラウマや記憶を伝えるのか、写真、映像、インスタレーションを用いて描き出します。
【プロフィール】1984年ツヴィッカウ(ドイツ)生まれ。ベルリン在住。2012年ポツダム=バーベルスベルグ映画・テレビ大学卒業。近年の主な展覧会に「釜山ビエンナーレ」(韓国、2018)、「2000」(Museum Abteiberg、メンヒェングラートバッハ、ドイツ、2018)、「第5回Ghetto Biennale」(ハイチ、2017)、「Aufbau West」(Gold + Beton、ケルン、ドイツ、2017)など。
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