国際男性デーをきっかけに“男らしい”をなくす、ゲッティイメージズが提唱する新たな男性像とは?
デジタルコンテンツ(静止画、動画および音楽)を世界 200 カ国以上に提供する、世界最大級のデジタルコンテンツカンパニーGetty Images(本社:米国・シアトル、以下ゲッティイメージズ)は、クリエイティブ専門チームによる<Creative Insights>を通じて、日本におけるポジティブな男性像に関するレポートを配信しています。
今回は、先日11月19日に迎えた「国際男性デー」をきっかけに、これまで度々社会問題となっていた「アンコンシャス・バイアス」について、ビジュアルを通じた課題解決の方法を提唱しています。
この「アンコンシャス・バイアス」については、必ずしも男性に対する偏見に限らず、女性に対しても同様の問題を抱えているという。実際、昨年末に関西の女子高生らがSNSを通じてアクションを起こした、ファミリーマートの『お母さん食堂』の名称を変更する署名活動については、「食事は女がつくるもの」という性役割の固定化を促し、アンコンシャス・バイアスを助長するというものだ、という意見が多く集まった。
男性に対する偏見については、今年8月に実施した内閣府男女共同参画局の調査結果によると、「デートや食事のお金は男性が負担すべきだ」「男性は人前で泣くべきではない」「男性なら残業や休日出勤は当たり前だ」といった質問に対し、肯定的な意見を持つ男性の割合が、女性の割合を上回る結果が出ている。男性自ら、このような無意識な偏見を持つ傾向が強くなっているのだろう。
男性・女性ともに、なぜこういったアンコンシャス・バイアスに陥ってしまうのか。それには、普段の私生活においてメディアや広告などから無意識に影響されていることが多いと言えるだろう。
ゲッティイメージズジャパンのクリエイティブ専門チームにおいて、Creative Insights マネージャーを務める遠藤由理さんによると、男性像のビジュアル表現は、個々のアイデンティティだけでなく、その国の文化背景に基づいているという。メディアや広告で使用されるビジュアルでは、男性は家族の一員やレジャーを楽しむ姿ではなく、ビジネスで懸命に働く姿といった古いタイプの男性像が多く、違和感を覚える消費者が増えているそう。Visual GPS(*)の調査によると64%の日本人男性が自分に共感が持てるようなビジュアルが反映されていないと感じており、世界平均の52%よりもはるかに高くなっているとのこと。
*ゲッティイメージズは、2020 年 2 月より、世界的な市場調査会社である YouGov 社と提携し、26 カ国 13 言語で 1 万人以上の消費者と 専門家を対象に調査を行い、「今、求められているビジュアルコンテンツ」を具体的な数字とともに明らかにした「Visual GPS」と呼ばれるガイドライン を作成しています。
ではこれから先、どうすれば適切かつインクルーシブな男性像を表現することができるのか。それは、男性の幅広い表情や行動に敬意を払うこと、そして彼らが如何に思いやりを持って自分自身や他人に対して育む気持ちがあるかを示すことが重要だといえる。
ゲッティイメージズでは、そんな日本の男性のビジュアル素材を起用する際のチェックポイントを紹介している。
・男性の家庭での様子を表現していますか?
・仕事をしながら子供の世話をしたり、家事を分担したりなど、家庭内の活動を男性が担っていますか?
・男性像を前向きに表現していますか?
・男性の仕事や遊びの瞬間をとらえていますか?
・一般的な体形やスタイルで熟年層の男性を表現していますか?
・他の人と協力して作業する男性の様子を表現していますか?
・ビジネスシーンでは、様々なタイプの人たちと偏りなく一緒に仕事をしている男性を表現していますか?
・自分を大切にしている男性の様子を表現していますか?
これらのチェックポイントを踏まえ、誤った“男らしさ”の偏見をなくしていくことで、ステレオタイプを打破するようなあらゆる男性像が増えていくことを願っている。
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