その他2020.10.16

緊急事態宣言から半年、新型コロナウイルスによって変化した世界のビジュアルコミュニケーション

東京
ゲッティイメージズ ジャパン株式会社

今年で25周年を迎えた、世界最大級のデジタルコンテンツカンパニーGetty Images。
その日本法人である「ゲッティイメージズ ジャパン株式会社」の代表取締役社長を務める島本久美子による連載企画「Kumi’s EYE」。

2020年4月16日に新型コロナウイルス感染拡大で全国に緊急事態宣言が発令されてから半年という節目に際し、ビジュアルコミュニケーションがどのように変化したのかをゲッティイメージズの写真で振り返ります。更に、ニューノーマル時代を迎え多様化した人々の生活や社会のニーズにおける、最適なビジュアルを紐解いていきます。
◆コロナ禍において報道写真は何を伝えたか
ゲッティイメージズの“報道写真”は、「エディトリアル・インテグリティ」、つまり加工や補正などを行わず、社会に起きていることをありのままの真実で伝えることを理念としています。その重要性は、コロナ禍の状況だからこそ、より高まっています。現在、ゲッティイメージズを通して世界中に配信されている写真は、約100名の社員フォトグラファーと、多くの契約フォトグラファーや各地のパートナーによって撮影されています。新型コロナウイルス感染が拡大する地域でも細心の注意を払いながら、世界でいま何が起こっているのかを、リアルタイムで伝えてきました。混沌とした世の中だからこそ、世界中に瞬時に配信される報道写真の重要性が高まっています。

ロックダウン中の街の様子(中国・武漢)

1198372862/Stringer/Getty Images

◆スポーツ・エンターテイメントのニューノーマル
無観客観戦(人数制限観戦)、オンラインライブ観戦、会場の衛生管理が新常識になると同時に、取材側も人数を絞るなどの運営判断に則した撮影体制が必要となっています。限られた環境や制限にも対応できる、技術と経験のあるフォトグラファーが求められるなか、ゲッティイメージズはメジャーリーグやテニスオープン等のスポーツ大会、映画祭などのエンターテイメントイベントを確実に捉え、世界へ配信しています。 

無観客でのメジャーリーグの試合

1257907671/Harry How/Getty Images

 

ヴェネツィア国際映画祭

1270815829/Pascal Le Segretain/Getty Images


〈ニューノーマル時代のビジュアルキーワード〉
新型コロナウイルス関連で新たにゲッティイメージズのコンテンツに追加された検索キーワードは、「非常事態/緊急事態」、「パンデミック」、「ロックダウン」、「パニック買い」、「ソーシャルディスタンス」、「無観客イベント」、「N95マスク」、「非接触体温計」など。以前からあったキーワードではあるものの、検索回数が増えたものとしては「消毒」「マスク」「テレビ会議」「在宅勤務」「自宅教育」などがあります。このようにゲッティイメージズでは常に変わりゆくニーズを、世界中のビジュアルに関わるプロによる検索履歴から捉え、独自のビッグデータとして分析し、次の制作に活かしています。今年の6月には、年間 10億件を超える独自の検索履歴データに加え26か国、13言語にわたる1万人以上の消費者アンケート結果をもとに「Visual GPS」を発表し、現代の消費者のニーズに則した最適なビジュアルコンテンツを選択するためのガイドを共有しました。


◆現在の生活様式を現すクリエイティブコンテンツ
新型コロナウイルスの影響を受けて、大きな変化を余儀なくされた世界中の人々の生活様式。ゲッティイメージズが運営するフリーランスデザイナーや個人事業主の方向けストックフォトサイト「iStock」では、マスクの着用やソーシャルディスタンスなどの日常生活における感染対策、仕事や教育、レジャーや趣味のオンライン化など、新しいカタチの慣習や常識に合わせたクリエイティブコンテンツが人気を集めています。


【仕事】オンライン会議の導入

1223455516/mixetto/Getty Images


【教育】ソーシャルディスタンスでの授業

1224902548/izusek/Getty Images


【医療】保護マスクで作業している病院のスタッフ

1215243718/HRAUN/Getty Images


【レジャー】オンライン飲み会

1217041624/svetikd/Getty Images


【サービス】コロナ禍におけるワーケーション

1185263592/cokada/Getty Images

〈Kumi’s Opinion〉
■多様な時代を予測し準備するヒント
コロナ禍で露見したさまざまな人の“普通”や“違い”を受け入れ、より多様性を受け入れる社会の構築が重要だと考えています。国単位で物事を考える時代もそろそろ限界なのでは、とも思っています。情報の世界を駆け抜けるスピードはさらに増し、人々はウェブやソーシャルメディアを介して、同じ意見や共通の趣味で繋がっています。望むと望まざるとにかかわらず、私たちはそういう時代に生きているのです。私たちは未来を知ることも、時代の変化を止めることもできません。でもなにが起こるのか、どんな時代になるのか、予測し準備することはできます。世界の真実を伝える写真や時代の空気を伝える写真は、そのためのヒントになりえます。

■Kumi’s Selection
最後に、ロックダウン中にみんな同じような生活を送っているんだな、と安心感を与えてくれた2枚をピックアップしました。

1221702981/Susumu Yoshioka/Getty Images

 

1223832608/chee gin tan/Getty Images

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