LINE株式会社（本社：東京都新宿区、代表取締役社長：出澤 剛）は、新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的に、厚生労働省と委託契約を締結、LINEのAI事業「LINE BRAIN」が展開している自然言語処理、文字認識などの各AI技術を活用し、現在都道府県等が保健所等において実施している帰国者の健康状態の確認（以下、健康フォローアップ）を支援することとなりましたので、お知らせいたします。

現在都道府県等において、帰国日の過去14日以内に感染症危険情報レベル３の国・地域の滞在歴がある帰国者に対し、帰国後14日間、電話等により健康状態の確認を行っています。これまで帰国者の方は電話等により回答する必要があり、また、保健所等の職員は多くの方に電話等により連絡する必要がありました。

このような背景から、帰国者ご本人の負担を軽減するとともに、都道府県等の業務負担を軽減するため、同意された帰国者の方に対し、AIチャットボットを活用した「専用LINE公式アカウント」と、音声応対AIによる「電話」を活用した健康フォローアップを開始します。LINEは厚生労働省と委託契約を締結し、AI技術を活用して支援します。
※ 厚生労働省プレスリリース: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10819.html

LINEは、帰国者が手書きで記入した質問表を読み取りデータ化する「LINE BRAIN OCR」の提供と、「LINE BRAIN CHATBOT」を用いた帰国者専用のLINE公式アカウント開設・運用、音声応対AIサービス「LINE AiCall」による架電の３点において支援を行います。

まず、検疫において帰国者が記入、提出した質問票を、手書き文字（日本語）に対応したAI OCRで読み取り、構造化*2することで紙から電子データへの変換作業を効率化します。

その情報をもとに、帰国者には、帰国後にLINE公式アカウント「厚生労働省 帰国者フォローアップ窓口」から、発熱等の健康状態の確認に関する質問*1が送られます。「LINE」上で回答した帰国者に対してはその後も1日1回、LINE公式アカウントを通じて健康状態の確認を行います。
「LINE」上での回答がない場合には「LINE AiCall」による電話を通じ同様の確認を行います。

これらを通じ確認した健康状態に関するデータは、お住まいの都道府県等（保健所）に提供され、保健所は必要に応じてご本人への架電等にて、医療機関の受診を呼びかける等の対応を行います。

これらAI技術がLINE公式アカウントや架電を通じた確認業務をサポートすることで、都道府県等（保健所）の職員等の業務負担の削減につながり、より緊急性の高い、重症化のおそれのある帰国者への対応に集中することが可能となります。

LINEは、AI事業「LINE BRAIN」を通じて、人々の暮らしや生活に寄り添う「ひとにやさしいAI」のある社会を目指しております。本取り組みによって、帰国者の方の負担を軽減するとともに、都道府県等（保健所）のみなさまが緊急性の高い業務に集中できる環境と、帰国者や社会に安心と適切な対応をお届けできる環境の整備、感染拡大抑止に貢献してまいります。

*1 今回の専用LINE公式アカウント、または「LINE AiCall」からの電話において、体調以外の個人情報をお伺いすることはありません。
*2 読み取った文字列の項目を判断し、分類すること。


【LINE BRAINについて】
LINEの法人向けAI事業です。自然言語処理、文字認識、画像認識、動画解析、音声合成、音声認識など、これまでLINEが自社サービス開発向けに培ってきた世界トップレベルのAI技術を、外部企業等に向け提供しています。
https://www.linebrain.ai/

＜LINE BRAIN CHATBOT＞
最新の機械学習アルゴリズムと自然言語処理技術に基づく強力な対話エンジンによって業界最高水準の正答率*1を誇るAIチャットボットです。

＜LINE BRAIN OCR＞
国際会議ICDARで、世界No.1の認識精度を獲得※しており、斜めになった文字、歪んだ文字でも高い認識精度を誇ります。※2019/3/29時点

＜LINE AiCall＞
「LINE BRAIN SPEECH TO TEXT」（音声認識）、「LINE BRAIN TEXT TO SPEECH」（音声合成）、会話制御の仕組みを組み合わせ、まるで人と会話しているかのような、なめらかで自然な会話を可能にした音声応対AIサービスです。

◼LINEでは、新型コロナウイルスに関連する様々な取り組みを行っています。
https://linecorp.com/ja/covid19/