6万件のイベントデータ、2,000人のアンケートを分析:Peatixがオンラインイベントに関する調査を公開
イベント・コミュニティのプラットフォームPeatix (ピーティックス) を運営するPeatix Inc,(本社:米国ニューヨーク州 CEO:原田 卓/以下:Peatix 読み:ピーティックス)は、オンラインイベントに関する調査結果を公開しました。
Peatixを利用するイベント主催者・参加者両者にアンケートを実施。主催者には、新型コロナウイルスの拡大を受けたオンラインイベントへの切り替えなどの対応や、オンラインイベントのマネタイズ状況など、参加者にはオンラインイベントへの満足度や参加しやすい時間帯などをヒアリングしています。2020年2月以降のオンラインイベントの課題やトレンドに関するデータ・知見を提供することで、イベントに関わる皆様の一助となれば幸いです。
調査発表ページ:https://blog.peatix.com/featured/2020_onine_event_survey.html
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年4月7日に緊急事態宣言が発令されるなど、人が集まる「イベント」の開催が難しくなっています。2011年にサービスを開始したPeatixも、一時は35%のイベントがキャンセルされ、主催者、参加者双方の問い合わせが相次ぎました。
一方で、この状況を打開すべく、早くからオンライン上での開催に切り替えた主催者も数多く、オンラインイベントは「ニューノーマル」時代の新しいイベント文化として広がりを見せています。本調査では、2020年2月以降のオンラインイベントの課題やトレンドを、データや調査を元に明らかにしています。
調査期間、参照データについて
本資料で参照するデータは、Peatixのデータベースから抽出した2019年12月6日から2020年6月2日までに日本国内で開催されたイベントのデータ(180日分)、前年同期間のデータ、及び、2020年5月26日にPeatixユーザーにメールにて配布したアンケートを元にしています。
[イベントデータ]
・イベント数:63,645 (日本国内のイベントのみが対象)
・ユーザー数:621,664
[アンケート]
・主催者アンケート:有効回答数 455
・参加者アンケート:有効回答数 1,534
(それぞれイベント参加者、主催者を対象に、ランダムに配信先を抽出、メールにて依頼)
[調査項目]
- 1.時系列に見るオンラインイベントの伸び
- 相次ぐイベントの中止
- オンラインイベントの増加
- 2.オンラインイベントの開催経験、開催/参加意向
- オンラインイベントの開催経験、今後の開催意向
- オンラインイベントの参加経験
- 主催者が感じるオンラインイベントの利点
- 参加者が感じるオンラインイベントの利点
- オンラインイベントを開催しない理由
- 主催者が感じるオンラインイベントの課題
- オンラインイベントに参加できなかった理由
- 3.利用している動画配信サービス
- 4.エリアの特徴
- エリアごとの増減
- どのエリアから参加しているのか
- ジャンルごとの変化
- 5.オンラインイベントのマネタイズについて
- オンラインイベントのマネタイズ方法
- 有料イベントの開催意向
- 参加者に聞く、有料イベントの参加経験・満足度
- 参加者に聞く、有料イベントに参加しない理由
- 有料/無料イベントの割合、価格帯について
- 6.オンラインイベントの集客について
- オンラインイベントの集客方法
- 1イベントあたりのチケット販売数
- 7.販売タイミングと開催時間帯
- いつチケットが売れているのか
- 開催時間帯
- 参加しやすい時間帯
- 参加しやすい曜日
- 8.オンラインイベントの継続意向
調査発表より一部抜粋
・開催キャンセル率が一時60〜70%程度に
リアルイベントの開催キャンセルが増加したのは2月17日頃でした。イベント主催者に与えた心理的影響として大きなもののうち、最初のきっかけは2月17日「東京マラソン」の一般枠中止発表でした。2月26日には、政府よりイベントの自粛要請が発表されます。この段階で、公開中のイベントの35%が中止となりました。
この35%は、「既にイベントページが公開されたイベント」を対象にしたものです。イベントページは公開状態のまま参加予定者個別に連絡して中止を伝えたケースも多く、また、イベント「ページ公開前」に、延期や中止を決定したイベントもありました。Peatixの昨年のイベント開催数から類推すると、実際のイベント開催キャンセル率は60〜70%程度と考えられます
・緊急事態宣言でオンラインイベントに舵
2月26日の政府による発表に「この1、2週間が感染拡大防止に極めて重要」という表現があり、イベント主催者は開催の延期や中止を決めかねていた状況であったことがデータから読み取れます。続く3月10日の発表では「急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」という表現とともに、「今後概ね10日間程度はこれまでの取組を継続」との要請がありました。
この頃から、オンラインイベントの公開数が増え始め、大きく伸びるのは4月6日の「緊急事態宣言(7都府県)」発表後です。その後、オンラインイベントは増え始め、6月17日現在では約80%がオンラインイベントです。
・首都圏ユーザーを集客する地方イベント
Peatixのイベントは元々首都圏や近畿エリアに多い一方、オンラインイベントについては、検索やレコメンデーションなどにおいて、エリアは関係なく扱われます。その結果、地方から開催されるオンラインイベントが、多くの首都圏・近畿エリアユーザーを獲得していることがわかりました。
これは、首都圏・近畿エリアのユーザーが多いPeatixの特徴が強く現れたことが大きな要因ですが、地域で開催されるイベントの主催者は、首都圏や近畿エリアなどのユーザーにアピールするチャンスと言えるでしょう。
一方で、全体的に同一エリアの参加者が多い傾向があるものの、地域性の強いコミュニティなどにとって、同一エリアの参加者を集めることが難しいことも示唆しています。
(それぞれのエリアで開催されたオンラインイベントに対し、参加者のエリアの割合を表しています)
・オンラインでも有料維持は約半数、無料化は約1割
アンケートでは、「以前に開催していたイベントは、有料・無料どちらですか?」と「これから主催する予定のオンラインイベントは、有料・無料どちらですか?」という質問をしました。それらをクロス集計したのが下記の表です。
過去に有料イベントを主催した人のうち、オンラインイベントでも有料にする、と答えたのは54.4%、と約半分でした。「無料」は12.3%と少ない一方、「どちらも」が33.3%となりました。一方、無料イベントの主催者が、オンラインで「有料」に踏み切るケースも7.9%あり、オンラインイベントでのマネタイズについて、主催者の試行錯誤が伺えます。
・有料オンラインイベントの満足度は約9割
イベント参加者に有料イベントの参加経験を質問したところ、参加経験があるのは65.4%となりました。その理由として、「学びになる」「好きな登壇者・出演者だから」が6割を超えています。満足度について、「とても満足」「やや満足」が約9割と、オンラインであっても高い満足度であることが分かりました。
・約7割が「コロナ後」もオンラインイベントを開催
今後、リアルイベントが以前と同じように開催可能となった場合の、オンラインイベントの開催意向についても質問しました。「リアルイベントのみ開催」と答えたのは5.8%にとどまり、「それぞれ開催」は71%、「リアルイベントをオンライン中継」は17.9%となり、オンラインイベントがひとつの文化として定着する可能性を示しています。
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