週刊朝日の名連載・山藤章二さん「ブラック・アングル」「似顔絵塾」40数年の連載に幕
「最近の政治家の顔を見ると描く気にならない。未練なし」…「週刊朝日を後ろから読ませる男」ついに断筆宣言
イラストレーターの山藤章二さん(84)が1976年から週刊朝日で連載してきた「ブラック・アングル」と81年から続く「似顔絵塾」が、22日発売の12月3日号で終了となります。11月9日発売号で連載終了のお知らせを掲載しました。「ブラック・アングル」は通算2260回、読者が投稿する「似顔絵塾」は1990回が最終回となります。「ブラック・アングル」は権力者や時代の寵児(ちょうじ)を独特の視点と容赦ないビジュアルで斬り、山藤さんは「週刊朝日を後ろから読ませる男」と、評されてきました。体調に問題はありませんが、長年の孤軍奮闘の疲れもあり、連載終了を決めました。山藤さんは「自分の描き方と世間の常識がぶつかるときは、ちゅうちょなく自分を選んできました。最近の政治家の顔をみていると、あまり描く気にもなりません(笑い)。未練なしです。読者に厚く御礼申しあげます」と語っています。
突然のお知らせではありますが、山藤章二さんが長期連載中の「ブラック・アングル」、そして「似顔絵塾」が12月3日号(11月22日発売)をもって終了することになりました。(「ブラック・アングル」は2週休載後に最終回)。
山藤さんの体調に問題はありません。ただし、山藤さんも来年2月で85歳を迎えられます。「ブラック・アングル」は連載45年で2259回、「似顔絵塾」は40年で1988回を数えます。
やっぱりいろいろとお疲れではあります。最近は政治家の顔も興味がなく(大した政治家がいないからかもしれません)、阪神タイガースの応援にも熱が入りません(春先は「新人の佐藤はいいねえ」とは言っていました)。
あまり描きたくない事件も多すぎることが、山藤さんを憂鬱(ゆううつ)にもさせています。
ご自分の作品にもっとも厳しく見つめてきた山藤さんの決断に、編集部は従おうと思います。詳しくは最終回の「ブラック・アングル」で、山藤さんから作品でご説明があるかと思います。
長年、山藤ワールドをお楽しみいただいた読者の方々に深く、御礼申し上げます。
ただ、「似顔絵塾」についてはいまも毎週100本あまりの投稿があります。塾を支え続けていただいた塾生の皆さんの今後を山藤さんは心配しています。編集部としても現在、後継企画を検討中で、これは決まり次第、発表させていただきます。もう少し、お待ちください。
この決断の打ち合わせの時、山藤さんの姿を見つけた女性のファンが、
「先生、お元気ですか。毎週楽しみにしてますよ。頑張ってくださいね」
と、言っていました。
山藤さんは、
「もうね、ヘロヘロですよ」
と、笑っておられました。山藤さんへの感謝はまたあらためて申し上げるとして、山藤劇場、慌ただしいですが、ひとまず「千秋楽」のお知らせでした。
週刊朝日編集部
ロッキード事件に関連し、田中角栄の交友関係を描いた週刊朝日1976年4月30日号の「ブラック・アングル」
岸田劉生の「麗子像」を模して大平正芳首相を描いた週刊朝日1979年5月4日号の「ブラック・アングル」
<最新号>
週刊朝日 2021年 11/19号
発売日:2021年11月9日(火曜日)
定価:440円(本体400円+税10%)
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