【展覧会】舘鼻則孝の新作個展「RETHINK」がKOSAKU KANECHIKAにて11月26日から12月24日まで開催。伝統産業の匠の技との新たなコラボレーション作品を含む40点以上が公開される。
東京
NORITAKA TATEHANA K.K.
舘鼻則孝の新作個展「RETHINK」の会場となるKOSAKU KANECHIKAは、品川・天王洲エリアで注目のアートスポットTERRADA ART COMPLEX 5Fの現代美術画廊。
本展では、2022年3月に開催された東京都主催のオンライン展覧会「江戸東京リシンク展 −旧岩崎邸庭園で見るアートが紡ぐ伝統産業の未来−」にて発表された東京都の伝統産業7事業者とのコラボレーション作品に加え、同事業者との新たなコラボレーション作品を含む40点以上の実作品がご覧いただける機会となります。
舘鼻則孝 個展 “RETHINK”
2022年11月26日(土)〜12月24日(土)
KOSAKU KANECHIKA |TERRADA ART COMPLEX
この度、舘鼻則孝は2022年11月26日(土)より12月24日(土)まで、新作個展「RETHINK」をKOSAKU KANECHIKAにて開催いたします。
本展では、2022年3月に開催された東京都庁主催のオンライン展覧会「江戸東京リシンク展 −旧岩崎邸庭園で見るアートが紡ぐ伝統産業の未来−」にて発表された東京都の伝統産業7事業者とのコラボレーション作品に加え、同事業者との新たなコラボレーション作品を含む40点以上の実作品がご覧いただける機会となります。
舘鼻則孝が展覧会ディレクターを務める「江戸東京リシンク展」は、江戸東京の伝統に根差した匠の技や産品などを新しい視点から磨き上げ、世界へと発信していく「江戸東京きらりプロジェクト」が、2020年より継続して開催している展覧会です。東京都の伝統産業事業者を舘鼻のコラボレーターとして迎え、「日本文化の過去を見直し現代に表現する」という舘鼻の創出プロセスである「Rethink(リシンク)」を起点として、伝統産業の特質を現代に再解釈し、作品を通して古来受け継がれてきた伝統産業の匠の技や魅力を新たなかたちで提案します。
2022年、オンライン開催された「江戸東京リシンク展」の会場となったのは、1986(明治29年)に建てられ、現在は国の重要文化財に指定されている「旧岩崎邸庭園」です。この歴史的建造物を舞台として選んだのも空間を通して、過去から現在、そして未来を往来できるような展覧会の仕組みを構築したいという考えからでした。
また、作家として舘鼻が取り組む事柄の背景には、先述した「Rethink」という基本的な考えがあります。それは、江戸東京きらりプロジェクトのコンセプトである 「Old meets New」と同様に、「伝統と革新が交錯する」ことを意味する言葉でもあり、「江戸東京リシンク展」においても、最も重要な構成要素となっています。
本展では「江戸東京リシンク展」で発表された東京の伝統産業事業者とのコラボレーション作品が、ギャラリーへと場所を移し新作と合わせて披露されます。舘鼻が再解釈する視点を取り入れ、アートへと昇華された伝統産業の新たな表現を是非ご高覧ください。
Noritaka Tatehana x Kinkarakami Institute
Heel-less Shoes, 2022
オンライン展覧会の会場となった旧岩崎邸庭園 洋館2階 客室に復元された壁紙「金唐革紙(きんからかわし)」を用いた《Heel-less Shoes》。上部には舘鼻作品に多く用いられるエンボスレザーがあしらわれ、下部には金唐革紙を用いています。西洋からもたらされた金唐革(きんからかわ)の要素を汲み取って舘鼻のスタジオで制作されたエンボスレザーの表情と、明治期にヨーロッパへの輸出を目的として和紙で制作された金唐革紙の表情のコントラストが、作品が内包する西洋と東洋の文化的交流を示しています。
Noritaka Tatehana x Ryukobo
Heel-less Shoes ”Lady Point”, 2022
龍工房は、着物の帯締めなどに用いられる組紐と呼ばれる、絹糸で組まれた紐を制作してます。コラボレーション作品の《Heel-less Shoes》には、表裏の色が染め分けられた厚みのある角形の組紐を採用しています。これは、龍工房が最も得意とし、古くから継承してきた匠の技でもあります。凹凸のように見える箇所には、「ひとつ結び」が均等に施されることで表情を作っています。
Noritaka Tatehana x Miyamoto Unosuke Shoten
Raiko, 2022
和太鼓やお神輿などを手掛ける宮本卯之助商店とは、雷神の持つ雷鼓(らいこ)と呼ばれる太鼓を制作しました。宮本卯之助商店の職人が制作した太鼓を円形に繋ぎ、舘鼻のスタジオで彩色を施して仕上げられました。円形に組み上げられた雷鼓の他に、置き型のオブジェクトとして大小さまざまな雷鼓も新作として披露されています。
Noritaka Tatehana x Isehan Honten
Heel-less Shoes, 2022
伊勢半本店は、小町紅と呼ばれる紅花(べにばな)の花びらから抽出した、大変希少な赤色色素を用いた口紅を制作している紅屋です。コラボレーション作品の《Heel-less Shoes》に用いた紅は、染料として使用する際には「赤い色」をしていますが革に染付けた後、表面が乾いていくと同時に「玉虫色」に発色します。これは構造色と呼ばれるもので、自然界ではモルフォ蝶や鮑貝などでも見ることができる発色現象です。紅を革に染め付けるための下地の色味や染料の濃度など、幾度も試作を重ねたうえで、玉虫色に輝く《Heel-less Shoes》が生まれました。
上記作品の他、「江戸木版画 高橋工房」との木版画作品、「江戸切子 華硝」とのガラスオブジェクト、「木目金 杢目金屋」の木目金技法を用いたヒールレスシューズのファスナートップなど、様々な技法が用いられた作品が披露されています。
Noritaka Tatehana
Descending Painting, 2022
新作絵画として本展で披露されている《Descending Painting Series》では、明治期に制作された金唐革紙の図案から着想を得た唐花文様が用いられています。西洋の装飾文様の影響を受けて国内で制作された金唐革紙の唐花文様は、舘鼻が掲げる「Rethink(リシンク)」という概念と同様に文化交流がもたらした産物とも言えるでしょう。そのような事柄に着目した舘鼻は、神仏のメタファーとして雷を描くと共に、その依代として唐花文様を添えています。
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アーティストプロフィール
舘鼻則孝(たてはな のりたか)
1985年東京生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ鎌倉で育つ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で、幼少期から手でものをつくることを覚える。2010年に東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業。遊女に関する文化研究とともに、友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。「イメージメーカー展」(21_21 DESIGN SIGHT、2014)、「Future Beauty」(東京都現代美術館など国際巡回、2012)、個展「呪力の美学」(岡本太郎記念館、2016)、個展「It’s always the others who die」(POLA Museum Annex、2019)、個展「NORITAKA TATEHANA: Refashioning Beauty」(ポートランド日本庭園、2019)、「和巧絶佳」(パナソニック汐留美術館など4会場を巡回、2020-22)等の他、ニューヨーク、パリ、ベルギーなど世界各地で作品を発表。2016年3月にパリのカルティエ現代美術財団で文楽公演を開催など、幅広い活動を展開している。作品はメトロポリタン美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館などに収蔵されている。また昨年に続き、東京都が主宰する「江戸東京きらりプロジェクト」の一環として企画され、東京の伝統産業に焦点を当てたオンライン展覧会「江戸東京リシンク展」(旧岩崎邸庭園、2022)の展覧会ディレクターを務めている。
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舘鼻則孝が推進委員を務める「江戸東京きらりプロジェクト」について
東京都庁が主導する江戸東京きらりプロジェクトは、江戸東京の伝統ある技や老舗の産品といった「東京の宝物」に磨きをかけ、その価値と魅力を世界に発信するプロジェクトです。本プロジェクトは、 "Old meets New" をコンセプトに、伝統的な匠の技の中から新たな取組に果敢に挑戦する「モデル事業者」を「衣・食・住」の各分野から選りすぐり、新しい視点から江戸東京の伝統ある技、産品を磨き上げることでその価値を高める取組と、SNSや国内外でのプロモーション等を通じてその魅力を発信する取組を行なっています。これらの取組を通じて、東京の伝統ある産業の魅力向上と持続的発展、技の継承を目指していきます。
オンライン展覧会「江戸東京リシンク展 −旧岩崎邸庭園で見るアートが紡ぐ伝統産業の未来−」の様子は、「江戸東京きらりプロジェクト」オフィシャルウェブサイト内の展覧会特設ページにてご覧いただけます。
「江戸東京リシンク展」展覧会特設ページ
https://edotokyokirari.jp/exhibition/
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開催概要
展覧会 舘鼻則孝「RETHINK」
会 期 2022年11月26日(土)- 12月24日(土)
開 廊 11:00 - 18:00(日・月・祝は休廊)
会 場 KOSAKU KANECHIKA(https://kosakukanechika.com)
住 所 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 5F
入場料 入場無料
Noritaka Tatehana x Kinkarakami Institute
Heel-less Shoes, 2022
オンライン展覧会の会場となった旧岩崎邸庭園 洋館2階 客室に復元された壁紙「金唐革紙(きんからかわし)」を用いた《Heel-less Shoes》。上部には舘鼻作品に多く用いられるエンボスレザーがあしらわれ、下部には金唐革紙を用いています。西洋からもたらされた金唐革(きんからかわ)の要素を汲み取って舘鼻のスタジオで制作されたエンボスレザーの表情と、明治期にヨーロッパへの輸出を目的として和紙で制作された金唐革紙の表情のコントラストが、作品が内包する西洋と東洋の文化的交流を示しています。
Noritaka Tatehana x Ryukobo
Heel-less Shoes ”Lady Point”, 2022
龍工房は、着物の帯締めなどに用いられる組紐と呼ばれる、絹糸で組まれた紐を制作してます。コラボレーション作品の《Heel-less Shoes》には、表裏の色が染め分けられた厚みのある角形の組紐を採用しています。これは、龍工房が最も得意とし、古くから継承してきた匠の技でもあります。凹凸のように見える箇所には、「ひとつ結び」が均等に施されることで表情を作っています。
Noritaka Tatehana x Miyamoto Unosuke Shoten
Raiko, 2022
和太鼓やお神輿などを手掛ける宮本卯之助商店とは、雷神の持つ雷鼓(らいこ)と呼ばれる太鼓を制作しました。宮本卯之助商店の職人が制作した太鼓を円形に繋ぎ、舘鼻のスタジオで彩色を施して仕上げられました。円形に組み上げられた雷鼓の他に、置き型のオブジェクトとして大小さまざまな雷鼓も新作として披露されています。
Noritaka Tatehana x Isehan Honten
Heel-less Shoes, 2022
伊勢半本店は、小町紅と呼ばれる紅花(べにばな)の花びらから抽出した、大変希少な赤色色素を用いた口紅を制作している紅屋です。コラボレーション作品の《Heel-less Shoes》に用いた紅は、染料として使用する際には「赤い色」をしていますが革に染付けた後、表面が乾いていくと同時に「玉虫色」に発色します。これは構造色と呼ばれるもので、自然界ではモルフォ蝶や鮑貝などでも見ることができる発色現象です。紅を革に染め付けるための下地の色味や染料の濃度など、幾度も試作を重ねたうえで、玉虫色に輝く《Heel-less Shoes》が生まれました。
上記作品の他、「江戸木版画 高橋工房」との木版画作品、「江戸切子 華硝」とのガラスオブジェクト、「木目金 杢目金屋」の木目金技法を用いたヒールレスシューズのファスナートップなど、様々な技法が用いられた作品が披露されています。
Noritaka Tatehana
Descending Painting, 2022
新作絵画として本展で披露されている《Descending Painting Series》では、明治期に制作された金唐革紙の図案から着想を得た唐花文様が用いられています。西洋の装飾文様の影響を受けて国内で制作された金唐革紙の唐花文様は、舘鼻が掲げる「Rethink(リシンク)」という概念と同様に文化交流がもたらした産物とも言えるでしょう。そのような事柄に着目した舘鼻は、神仏のメタファーとして雷を描くと共に、その依代として唐花文様を添えています。
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アーティストプロフィール
舘鼻則孝(たてはな のりたか)
1985年東京生まれ。歌舞伎町で銭湯「歌舞伎湯」を営む家系に生まれ鎌倉で育つ。シュタイナー教育に基づく人形作家である母の影響で、幼少期から手でものをつくることを覚える。2010年に東京藝術大学美術学部工芸科染織専攻を卒業。遊女に関する文化研究とともに、友禅染を用いた着物や下駄の制作をする。「イメージメーカー展」(21_21 DESIGN SIGHT、2014)、「Future Beauty」(東京都現代美術館など国際巡回、2012)、個展「呪力の美学」(岡本太郎記念館、2016)、個展「It’s always the others who die」(POLA Museum Annex、2019)、個展「NORITAKA TATEHANA: Refashioning Beauty」(ポートランド日本庭園、2019)、「和巧絶佳」(パナソニック汐留美術館など4会場を巡回、2020-22)等の他、ニューヨーク、パリ、ベルギーなど世界各地で作品を発表。2016年3月にパリのカルティエ現代美術財団で文楽公演を開催など、幅広い活動を展開している。作品はメトロポリタン美術館、ヴィクトリア&アルバート博物館などに収蔵されている。また昨年に続き、東京都が主宰する「江戸東京きらりプロジェクト」の一環として企画され、東京の伝統産業に焦点を当てたオンライン展覧会「江戸東京リシンク展」(旧岩崎邸庭園、2022)の展覧会ディレクターを務めている。
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舘鼻則孝が推進委員を務める「江戸東京きらりプロジェクト」について
東京都庁が主導する江戸東京きらりプロジェクトは、江戸東京の伝統ある技や老舗の産品といった「東京の宝物」に磨きをかけ、その価値と魅力を世界に発信するプロジェクトです。本プロジェクトは、 "Old meets New" をコンセプトに、伝統的な匠の技の中から新たな取組に果敢に挑戦する「モデル事業者」を「衣・食・住」の各分野から選りすぐり、新しい視点から江戸東京の伝統ある技、産品を磨き上げることでその価値を高める取組と、SNSや国内外でのプロモーション等を通じてその魅力を発信する取組を行なっています。これらの取組を通じて、東京の伝統ある産業の魅力向上と持続的発展、技の継承を目指していきます。
オンライン展覧会「江戸東京リシンク展 −旧岩崎邸庭園で見るアートが紡ぐ伝統産業の未来−」の様子は、「江戸東京きらりプロジェクト」オフィシャルウェブサイト内の展覧会特設ページにてご覧いただけます。
「江戸東京リシンク展」展覧会特設ページ
https://edotokyokirari.jp/exhibition/
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開催概要
展覧会 舘鼻則孝「RETHINK」
会 期 2022年11月26日(土)- 12月24日(土)
開 廊 11:00 - 18:00(日・月・祝は休廊)
会 場 KOSAKU KANECHIKA(https://kosakukanechika.com)
住 所 東京都品川区東品川1-33-10 TERRADA Art Complex 5F
入場料 入場無料
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