第32回鮎川哲也賞優秀賞受賞作『勿忘草をさがして』が刊行!期待の新人作家・真紀涼介が贈る注目のデビュー作!
選考委員から高い評価を得た鮎川哲也賞優秀賞受賞作『勿忘草をさがして』が書籍化!注目の新人・真紀涼介のデビュー作は植物を題材にした心温まる“日常の謎”
辻真先氏、東川篤哉氏、麻耶雄嵩氏の三名による選考会ではその筆力の高さを評価され、第32回鮎川哲也賞優秀賞を受賞した『勿忘草を探して』(応募時タイトル「想いを花に託して」)が3月30日に東京創元社より刊行されました。
2022年10月に開かれた贈呈式では、改めて選考委員の麻耶雄嵩氏から受賞作を評価する選評が語られ、書籍化が待ち望まれていました。
贈呈式の模様はこちらからご覧いただけます。
「第32回鮎川哲也賞・第19回ミステリーズ!新人賞贈呈式レポート」(WEB東京創元社マガジン)
http://www.webmysteries.jp/archives/30723966.html
物語は、日々を無気力に過ごす高校生が、不愛想だが誠実な青年と出遭い、植物を通して人とのつながりを見つめなおしてゆく、全編通して温かい雰囲気に包まれた連作短編集です。
主人公の少年と青年の絆、さらにそれぞれが植物にまつわる謎を解くたびに級友や家族など周囲の人々との関係が変化していく様子を、読者は温かく爽やかな印象を抱きながら読み進めていくことでしょう。
それぞれの短編のキーになる植物として登場するのは、金木犀、ガザニア、沈丁花、勿忘草といった身近な草花。その草花が持つ性質から真相が導かれていく流れは非常に鮮やかです。何より彩り豊かな草花の描写から想像される情景の美しさも、この作品の読みどころになっています。
あらすじ
一年前、偶然出会ったお婆さんに会いたい。しかし手掛かりは、庭に良い匂いの沈丁花が咲いていたことと、その庭でお婆さんが発した不可解な言葉だけ――。思わぬトラブルによりサッカー部を辞め鬱屈した日々を送る航大。春を告げる沈丁花の香りに、親切にしてくれたお婆さんのことを思い出し、記憶を頼りにその家を探していたところ出会ったのは、美しい庭を手入れする不愛想な大学生拓海だった。拓海は植物への深い造詣と誠実な心で、航大と共に謎に向き合う。植物が絡むささやかな“事件”を通して周囲の人間関係を見つめなおす、優しさに満ちた連作ミステリ。
著者の真紀涼介氏は宮城県出身。現在も県内在住です。作中に実際の地名は書かれていないものの、物語舞台は宮城県のスポットをモデルに描かれています。宮城県内の書店では地元作家をアピールする拡材を使用しての展開も予定されています。
新たな書き手として期待を集める真紀涼介のデビュー作『勿忘草をさがして』と、著者の今後の活躍にぜひご注目ください!
■書誌情報
勿忘草をさがして(わすれなぐさをさがして)
真紀涼介
判型:四六判並製
ページ数:352ページ
ISBN:978-4-488-02890-9
Cコード:C0093
価格:1,870円(税込)
装画:sakutaro
装幀:岡本歌織(next door design)
目次:
「春の匂い」
「鉢植えの消失」
「呪われた花壇」
「ツタと密室」
「勿忘草をさがして」
■著者プロフィール
真紀涼介
(マキリョウスケ )
1990年宮城県生まれ。東北学院大学卒。
『勿忘草をさがして』(応募時タイトル「想いを花に託して」)で第32回鮎川哲也賞優秀賞を受賞しデビュー。
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