経産省史上初、アートに関する報告書を取りまとめました!
概要
アートと言えば文化庁とお考えになる方が多いと思いますが、近年、アートは文化的な価値のみならず、企業の成長や地域の活性化などの経済産業的な価値も確認されています。そこで、経済産業省でも、まだまだ世界シェア1~4%程度の日本のアートシーンを活性化させるため、総勢35名の有識者からなる研究会を史上初めて設置し、議論を積み重ねてきました。今般、その結果が取りまとまりましたので、公表いたします。
アートの中身について解説しているわけではなく、企業や地域などの方々がアートに取り組む上でのポイントや、課題と対策についてまとめているものです。これまでアートとは十分な接点がなかった企業や地域、個人の方々にも是非ご覧いただきたい内容です。
・アートと経済社会について考える研究会 報告書
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/art_economic/pdf/20230630_1.pdf
各有識者のコメントの一部を御紹介
大林 剛郎
(研究会座長)(株式会社大林組代表取締役会長)
-これからの時代には「やりたいことをやる」、「人と違うことをやりたい」ということも大事であり、このような要素がアートや人文知にあるのではないかと考えています。
-企業においては、不確実性が高まる中でステークホルダーを束ねる求心力、グローバル化の中での差別化、AIに代替されない創造性あふれるイノベーション人材の育成等が求められる中で、アートが貢献できる余地があると考えられます。
日比野 克彦
(東京藝術大学学長)
-(アートの持つ力とは)一人一人違っているということを受け入れることができる力だと思います。
-「多様性を持つ社会をどうやってつくるのか?」「ダイバーシティとは何なのか?」「誰一人取り残さないためにはどうすればいいのか?」そういう問いが立ちはだかった時に、多様な個性を否定せず受け入れる力、アートの特性である分からないものを引き受ける力が必要です。
武田 菜種
(Plugin+代表/Art Basel VIP レプレゼンタティブ日本/アートウィーク東京VIPリレーションズ)
‐現代アートは人や社会に新しい考え方や視点、自由な発想を提供し、受け手側に考察する機会をもたらし対話を生みます。
齋藤 精一
(パノラマティクス主宰)
‐よそ者としてのアーティストの活動は、作品としてのアウトプットだけではなく、作品制作の過程に起こる様々な摩擦や文脈を作り出し、鑑賞者と作品、土地と鑑賞者、地域と鑑賞者、地域同士の会話等、結果として様々な会話を創発することができます。
報告書の概要
報告書では、アートを取り巻く4つの視点に分け、課題や対策について整理しています。
●アートと企業・産業
アーティストの思考を学び創造性を高める取組や、創作や鑑賞等を通じた人材育成、組織活性化の取組などを踏まえ、企業・産業からアートへの継続的な需要創出のための課題等についてまとめています。
●アートと地域・公共
地域活性化や観光需要獲得などの効果と、地域におけるアート導入に向けた工夫や留意点、活用可能な制度等についてまとめています。
●アートと流通・消費
より多くの人がアートに親しむために必要な取組や、近年登場している新たなアート・スタートアップの革新的なサービスなどを踏まえ、アーティストの活躍機会やマーケットを拡大していくための環境整備についてまとめています。
●アートとテクノロジー
アートの可能性を広げるテクノロジーの重要性や、テクノロジーの社会実装・イノベーションを促進するためのアートの重要性についてまとめています。
アートと社会経済について考える研究会についてはこちら
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/art_economic/index.html
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