第40回トリノ映画祭 フィクション長編部門 特別表彰 受賞作品 2020年に佐賀県で撮影された映画『なぎさ』監督の舞台挨拶付き上映がシアターシエマで開催。
シアターシエマ」公式ホームページ:http://ciema.info/
佐賀県で撮影された映画『なぎさ』は、アメリカで映画を学び、ミュージックビデオやCM監督として活躍する傍ら、国内外の映画祭でも注目を集める古川原監督の長編デビュー作。2023年5月12日(金曜日)に劇場公開され、第40回トリノ映画祭のフィクション長編部門で特別表彰を受賞しています。
この度、主なロケ地である佐賀県での上映が決定。あわせて古川原監督の舞台挨拶付き上映が開催されることとなりました。この機会に、ぜひ会場まで足をお運びください。
【古川原壮志 監督からのコメント】
九州佐賀国際空港そして佐賀市のエスプラッツ前の繁華街、唐津市野々平トンネルなどほとんどを佐賀県内で撮影した映画です。ぜひ佐賀の景色を映画の中で見つけてくださいませ!
■映画『なぎさ』古川原壮志 監督 舞台挨拶付き上映
日時:2023年9月3日(日曜日) 15:35~17:12 『なぎさ』上映/17:20頃~ 古川原監督 舞台挨拶
料金:シアターシエマの映画鑑賞料金でご参加いただけます。参考:一般1,700円/大・高生1,200円ほか
定員:50名(※予約優先)/登壇者:古川原壮志(こがはら・たけし)監督
お問合せ:シアター・シエマ(佐賀市松原2-14-16 セントラルプラザ3F) 0952-27-5116(9:30~19:00)
参加お申込み:メール(ticket@ciema.info)「1.イベント名、2.氏名、3.電話番号、4.参加人数」をご記入の上、ご送信ください。*送信から3日以内にメールの返信がない場合は、お手数ですがお電話ください。
映画『なぎさ』作品概要
本作が長編デビューとなる古川原壮志監督はテレビCM監督として活躍する傍ら、短編映画「なぎさ」(2017)、「緑の雪(Birdland)」(2019)の製作を通じ、釜山国際映画祭、ショートショートフィルムフェスティバル国内最優秀賞、米アカデミー賞短編部門候補など国内外の映画祭で注目を集める存在。サンダンス・インスティテュートの脚本ラボやフィルメックスの人材育成プログラム「タレンツ・トーキョー」に選出され、長年にわたり長編『なぎさ』の企画・脚本を練り上げてきました。
主人公・文直を演じるのは、青木柚。近年、NHK連続テレビ小説「カムカムエブリバディ」やドラマ「きれいのくに」、映画「はだかのゆめ」(主演)、「うみべの女の子」(主演)、米映画「MINAMATAーミナマター」など話題作への出演が続き、その才能と圧倒的な演技力で作品へのオファーが絶えない、今最も注目すべき若手俳優です。妹・なぎさ役には、本作が映画初出演となった山﨑七海。若干12歳(撮影当時)ながら確かな存在感で難しい役どころを演じ切りました。共演に、三浦誠己、宇野祥平ら個性豊かな俳優陣が存在感を発揮しています。
第34回東京国際映画祭 Nippon Cinema Now部門
第70回サン・セバスティアン国際映画祭 New Directors部門
第40回トリノ映画祭 フィクション長編部門 特別表彰受賞
【あらすじ】
思い出と夢を通して喪失と向き合う・・・。
頼れる親のいない環境で育った文直(ふみなお)とその妹、なぎさ。広い世界を求めるように、成長した文直はなぎさを残し、ひとり故郷を後にする。三年後。偶然訪れた心霊スポットのトンネルで、文直はなぎさの幽霊に出会う。そこはなぎさが事故死した現場だった。トンネルの暗闇の中、文直はなぎさを探し彷徨い始める。暗闇は罪と深い喪失の時間へ、文直を誘う。
【作品タイトル】なぎさ
【上映時間】87分
【佐賀県ロケ】2020年8月17日~28日
【佐賀県ロケ地】小城市・唐津市・佐賀市
【脚本・監督・編集】古川原壮志(こがはら・たけし)
【主演】青木柚(あおき・ゆず)、山﨑七海(やまざき・ななみ)
古川原壮志(こがはら・たけし)監督について
カリフォルニア州Art Center College of Design, 映画学部卒。
映画、 MV、CMのディレクターとして活動。CM作品はカンヌライオンズ、One Show, Adfestなどで受賞。また短編映画において釡山国際映画祭、ショートショートフィルムフェスティバル&アジアでのジャパン部門最優秀賞・東京都知事賞を受賞、米アカデミー賞短編部門候補選出など。2017年、 2018年と長編映画脚本「なぎさ」がサンダンスインスティテュート・NHK脚本賞日本代表に続けて選出後、同企画にて2019年フィルメックスタレンツトーキョーに選出。そして初長編映画『なぎさ』が東京国際映画祭、トリノ映画祭特別表彰受賞、またスペイン最大の国際映画祭、サン・セバスティアン国際映画祭にて上映。
映画『なぎさ』に寄せられたコメント
【ロベルト・クエト(サンセバスティアン国際映画祭選考委員)】
古川原壮志監督のデビュー作は、驚嘆すべき華麗さと精細さの作品である。観客を魅惑的な映像と音の体験へと誘う物語となっている。そのパズルのような構成は罪と欲情の混沌へ、私たちを不穏な旅に導いていく。
【市山尚三(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)】
記憶をめぐる物語なのである。説明的な台詞を極力排し、映像の力のみを信じているかのような大胆な編集で紡ぎ出されるこの物語は、これまでのどの映画にも似ていない。
【トリノ映画祭審査員一同】
壮麗でありまた独自性に富んだ映画言語。(特別表彰授与コメント)
【早川千絵監督 (PLAN 75 映画監督)】
繊細な物語を非常に大胆なやり方で描いている。そのギャップがなんとも魅力的で引き込まれた。青木柚さんと山﨑七海さんがすばらしく、ふたりをずっと見ていたくなりました。
【津田寛治(俳優)】
古川原壮志さんは「本気」の監督だ。映画の「本気」は「暴露」に似ている。古川原作品はいつも勇気をもって曝け出している。希薄な空気中にありながら高密度に閉じた世界を、粒子が震えるような勢いで暴露する。暴露系映画監督だ。作品群の中でも突出して閉じている長編「なぎさ」が暴露されるとき、観客はそこに何を観るのだろうか。目をそらしたって構わない。客席から逃げ出したって構わない。いつかそれと向き合う日が来るのだから。
【酒村ゆっけ、(作家・酒テロクリエイター)】
喪失の夏を予感させる映画『なぎさ』が頭から離れない…
どんなに悔やんでも大切な人は戻って来ない、罪を背負い暗いトンネルを彷徨うような日常と10代最後の夏。この映画の凄いところは、全員の表情を直接的に見せないの‼だから自分で小説を読んだときのように想像させようとしてくる。結末をどう捉えるかは自分次第。一緒に映画を作り上げる体験をさせてくれる人生初の作品に震えました。
【オカモトコウキ(OKAMOTO’S)】
人は、常に過去を抱えながら生きている。過去は現在の自分の立ち位置によって歪んだ鏡像のように形を変える。映画の中で「トンネル」を起点に重なる映像は、時間や現実を捻じ曲げながら私たちを答えのない迷路へ誘う。やがて、混乱した主人公のように我々の頭も混乱することになる。その先に出現するのは、炙り出されるのはあなた自身の過去?あの日感じた一瞬の感覚?見えないものを映し出す、映画のマジックがここにあった。
佐賀県フィルムコミッションについて
2005年に佐賀県庁内に設立。映画、ドラマ、CM、プロモーションビデオやWeb動画などの映像コンテンツのロケ誘致を行い、地域と一体となった映像作品づくりを支援し、また映像を通じた佐賀県の情報発信を行っています。
映画やドラマづくりに地元の方が参加し、楽しんでもらうことで地域活性化や話題づくりを促進し、その映像作品を通じて地元の方が改めて佐賀の良さを再認識したり、新たな魅力の掘り起こしにつなげたりすることも重要な目的のひとつです。
また、地域へ映像文化の定着支援として、若手クリエイターの育成のお手伝い、各種映画祭の支援など映像文化に触れる機会の創出・提供のお手伝いなどを行っています。
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