第10回新千歳空港国際アニメーション映画祭レポート| ワーク・イン・プログレス:土屋萌児+矢野ほなみ 新作アニメーション トーク
北海道
新千歳空港国際アニメーション映画祭
2023年11月2日(木)〜6日(月)までの5日間、新千歳空港を舞台に開催した「第10回 新千歳空港国際アニメーション映画祭」では、文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業と連携し、過去採択クリエイターとアドバイザーを招いたトークイベントを11月5日、新千歳空港ポルトムホールにて実施しました。
過去に文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業に採択された、土屋萌児さん(『耳なし芳一(仮)』)と矢野ほなみさん(『その牛、えり(仮)』)をお招きし、本事業採択企画である各作品について、当時アドバイザーを担当した森まさあきさん、今年度より同事業のアドバイザーを務めるモンノカヅエさんを交えて、現在制作中の新作アニメーションの制作過程についてお話をお伺いました。
左から、森まさあきさん、土屋萌児さん(オンライン登壇)、矢野ほなみさん、モンノカヅエさん
文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業とは
文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業は、若手クリエイターの創作活動および発表機会を支援するプログラム。メディア芸術各分野に応じた適切な評価・助言ができる識者をアドバイザーとし、企画内容に応じたアドバイスを通じて、採択されたクリエイターが次のステップへと進む機会となることを目指すものです。
2011年からスタートした本事業は、令和5年度までの採択者も含めてこれまで120組のクリエイターを支援しています。今年度から支援事業としての規模が拡大し、以下2つの枠で、レベルアップサポート、広報協力、クリエイターとの交流、発表サポートなどの発表活動に対する支援を行っています。
・創作支援プログラムとして予算上限500万円までの応募枠
(活動歴5年以上、または国内外で受賞歴等のある概ね40代までのクリエイターが対象)
・発表支援プログラムとして予算上限100万円までの応募枠
(活動歴3年以上の概ね40代までのクリエイターが対象)
2011年からスタートした本事業は、令和5年度までの採択者も含めてこれまで120組のクリエイターを支援しています。今年度から支援事業としての規模が拡大し、以下2つの枠で、レベルアップサポート、広報協力、クリエイターとの交流、発表サポートなどの発表活動に対する支援を行っています。
・創作支援プログラムとして予算上限500万円までの応募枠
(活動歴5年以上、または国内外で受賞歴等のある概ね40代までのクリエイターが対象)
・発表支援プログラムとして予算上限100万円までの応募枠
(活動歴3年以上の概ね40代までのクリエイターが対象)
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メディア芸術クリエイター育成支援事業は、若手クリエイターの創作活動を支援することにより、次世代のメディア芸術分野を担うクリエイターの水準向上を図るとともに育成環境を整備する。
creators.j-mediaarts.jp
支援事業を受けた二人のクリエイターの今に迫る
切り絵作家の土屋萌児(ほうじ)さんは、「耳なし芳一」をモチーフにした10分ほどの短編アニメーション作品を2011年から作り続けています。
令和3年度に採択された土屋さんは、「現時点で3分と数10秒くらいまで出来ています」とその制作進捗について説明し、「ただ切り絵だけではなくて、プロジェクションを用いた表現をこのプログラムで実験させてもらい、取り入れてます。」と、ミュージシャンや音楽マスタリング、声優の採用など、支援を受けて進めたそうです。
さらにご自身でネット上で作品販売も行っていて、作品の制作過程を公開しながら作っていくスタイルをとっています。これについて、原画を購入した矢野さんは、「このクオリティでやっているのかと驚愕しました」と、手元に届いた時に感動したことを伝えてくれました。
土屋さんのプロジェクトの詳細や制作プロセスは以下のページで詳しくご覧いただけます。
令和3年度に採択された土屋さんは、「現時点で3分と数10秒くらいまで出来ています」とその制作進捗について説明し、「ただ切り絵だけではなくて、プロジェクションを用いた表現をこのプログラムで実験させてもらい、取り入れてます。」と、ミュージシャンや音楽マスタリング、声優の採用など、支援を受けて進めたそうです。
さらにご自身でネット上で作品販売も行っていて、作品の制作過程を公開しながら作っていくスタイルをとっています。これについて、原画を購入した矢野さんは、「このクオリティでやっているのかと驚愕しました」と、手元に届いた時に感動したことを伝えてくれました。
土屋さんのプロジェクトの詳細や制作プロセスは以下のページで詳しくご覧いただけます。
アニメーション「耳なし芳一」をつくる|土屋萌児/Hoji Tsuchiya
僕は2011年から怪談「耳なし芳一」をアニメーションで作っています。途中何度も制作がストップしていましたが、その間も通り抜けたいトンネルの前にずっと立っているような気持ちを頭の隅で感じていました。 断続的に制作を続けてきた現在の地点が(2 分ほど)がここから見れます。 最終的には約 10 分の作品になる予定です。 この10年の間に自分を取り巻く環境や状況、心境など様々な変化がありました。今映像を見返すと、その時にしか出来ない様な表現や今では作り直したい箇所もあります。良くも悪くもそういった様々な時間の集積を感じます。やはり作らなけばならないという思いは依然と
note.com
HOJI TSUCHIYA
www.tsuchiyahoji.com
一方、令和4年度に採択された矢野ほなみさんは、今回、”牛”をテーマした作品を制作しています。主人公であるホルスタインのえりがジャージー牛である爽に熱烈な恋をして、試練を課しながら狂気的な片思いをしていくストーリー。自身のセクシュアリティに関して深く考えていた学生時代に出会った『ほかに誰がいる』(著:朝倉かすみ、幻冬舎、2008年)を原作・原案とする短編アニメーション作品です。
矢野さんはこの支援について、「書籍や参考資料などの購入させていただき、加えてのびのび生きる牛たちに会いたいと思い、このプログラムで支援いただき取材を重ねるなかで、山地で生きるこの牛たちの物語を立ち上げたいと思った」と言い、今回は360度カメラを導入した絵作りを試しているなど制作状況や、新たな表現方法の試行錯誤について説明しました。
また、今回の支援事業で支援される制作費について「支援されたディレクター(私)自身への報酬はでないので、向こう2年の生活費・家賃を稼ぐ時間が必要で、なかなか専心しきれないもどかしさがあった」と言い、今回の本映画祭に参加しているクリエイターたちともよく「どう生活しているのか?」という話題になると、アニメーション制作と生活の両立の厳しさについて語りました。
矢野さんのプロジェクトの今後はスタジオのページをぜひご覧ください。
矢野さんはこの支援について、「書籍や参考資料などの購入させていただき、加えてのびのび生きる牛たちに会いたいと思い、このプログラムで支援いただき取材を重ねるなかで、山地で生きるこの牛たちの物語を立ち上げたいと思った」と言い、今回は360度カメラを導入した絵作りを試しているなど制作状況や、新たな表現方法の試行錯誤について説明しました。
また、今回の支援事業で支援される制作費について「支援されたディレクター(私)自身への報酬はでないので、向こう2年の生活費・家賃を稼ぐ時間が必要で、なかなか専心しきれないもどかしさがあった」と言い、今回の本映画祭に参加しているクリエイターたちともよく「どう生活しているのか?」という話題になると、アニメーション制作と生活の両立の厳しさについて語りました。
矢野さんのプロジェクトの今後はスタジオのページをぜひご覧ください。
Au Praxinoscope
www.praxinoscope.jp
森まさあきさんは、「創作する人たちをどうサポートするかをいつも考えています。とても心配しているし、とても期待しているので、いつでも相談に来て欲しい」と二人を激励し、締め括りました。
成果発表会及び来年度事業応募のお知らせ
令和5年度に本事業で採択された企画の成果発表は、2024年2月17日(土)~2月25日(日)まで、表参道ヒルズスペースオーにて開催する予定です。
文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業は、令和6年度も実施を予定しております。クリエイターのみなさまからのご応募をお待ちしております。
文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業は、令和6年度も実施を予定しております。クリエイターのみなさまからのご応募をお待ちしております。
フォトセッションの模様
本記事に関するお問い合わせ:新千歳空港国際アニメーション映画祭
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