WEB・モバイル2023.03.01

子育て情報サイトを通じ、ママが自分らしく生きることに誇りを!母になり気づいたこと

富山
株式会社ママスキー 代表取締役 
Erina Doi
土肥 恵里奈
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2022.01.30_富山市SDGsウィークパネラー

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2022.02.13_富山県家事シェア受付

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mamasky party 2019 抽選会

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mamasky party 2021

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成長戦略カンファレンス

富山のママの間で有名な子育て情報サイト「ママスキー(mamasky)」を運営する株式会社ママスキー。子育て情報サイトの運営や親子向けイベントの企画、親子向け商品・サービスのプロモーションを行っています。子育て情報が得られにくい地元の現状を課題に感じた、代表取締役の土肥 恵里奈(どい えりな)さんが立ち上げました。自身も子を持つ母でありながら、「ママの選択肢を増やしたい」との一心で奮闘を続け、今では全国規模にまで事業を成長させました。子育て世代が抱える課題に挑戦し続ける土肥さんに、これまでの歩みやママスキーに対する熱い想いを語っていただきました。

社風に後押しされ、地元で子育て情報サイト「ママスキー」をオープン

御社を立ち上げるまでは、普通にお勤めされていたのですね。

はい。求人広告会社や地元フリーペーパー発行会社で営業の仕事をしていました。職業柄、「どこか美味しいお店知らない?」と地元富山のお店について聞かれることが多く、友人にもおすすめのお店を紹介していました。ところが出産後、子連れで行きやすいお店や遊べる場所についてママ友さんに聞かれたときに、全然知らないということに気づきました。その当時、ネットで調べてみても子連れに関する情報が全然見つからなかったのです。
同じ悩みを持っているママさんは多いはず。そこで、産休から仕事に復帰した時に、まずは社内に子育て情報専門の部署を立ち上げられないかと、ことあるごとに社長に熱くアピールしました。

新部署の立ち上げは、会社にとってすぐに返事を出すのが難しい提案です。失敗を恐れずにプレゼンできたのはどうしてですか。

一番いいのは挑戦して成功する人、次が挑戦して失敗する人、一番評価されないのが挑戦しない人という社風だったので、失敗しても諦めませんでした。次はきっと採用してもらえると信じ、何度も社長にプレゼンすること3年。必死にアピールしたものの、新部署の創設はハードルが高かったですね。
でも「社内でできないなら違う形で動いてみたら」という周囲の後押しもあり、個人的に富山の子連れママのための子育て情報サイト「ママスキー」を開設したのが、現在の基となりました。

イベントで1万人を集客!新部署立ち上げの挫折からスタートアップへ

mamaskyparty2022

新部署を立ち上げたいという気持ちから御社の立ち上げへとシフトしたのはどうしてですか。

平日は会社員として仕事をしていたので、子育て情報サイトの更新は平日の夜と週末を使って行っていました。情報発信を続けるうちに、週末にママ向けのイベントを開催したいね、という話が持ち上がり、仕事や育児の合間で準備を進めていきました。結果、主催した屋外イベント「mamasky party 2015」には約2,000人の人が集まり、当時の富山では珍しい大きなイベントとして注目が集まりました。正直、こんなに集客できるとは予想していませんでした。
気付けば、もう片手間でできる規模でもなく、今後ママ向けイベントの開催を続けていくなら、スポンサーとして協力してくれた企業さんや、応援してくださる人にも中途半端な状態では申し訳ないという気持ちもあり、起業するか考え始めたのです。
そんななか、働きながらママスキーのイベントを手伝ってくれた松本が、ママスキー一本でやりたいと会社を退職したことが起業への思いを後押ししました。働き方を正社員からパートに切り替え、起業する準備を進めていき、2015年にママスキーを本格稼働することになりました。主催の子育てイベントは毎回盛況で、2022年に主催したイベントでは、約1万人が集まりました。

イベント企画を中心に成長。子育て情報サイトは全国展開へ

現在、御社はどんな事業がメインとなっていますか。

弊社はWebサイトの広告事業と、企業や自治体の子育て向けのイベント企画が主になっています。ママ向けのイベントの運営ノウハウを持っている企業は少なく、最近は、チラシだけでなく、SNSを利用した情報発信など告知媒体も多様化してきているので、集客するにも戦略が必要です。
タイアップさせていただいた企業さんには、本来の業務に専念してもらい、弊社はイベントの企画、告知、集客、当日の運営までをトータルサポートさせていただいています。実績を重ねることで、自治体が主催するイベントの依頼も受けるようになりました。

社内ではデザイナーやライティングを担当するクリエイターさんはいらっしゃるのですか。

弊社では、特に専門の集団を置いていません。デザインソフトが使えるメンバーがいるので、できる人がやっています。また、社員は子育て中のメンバーも多く、子どもの体調不良などで急に休むこともあるので、一つの仕事についても1人で抱え込まず、複数のメンバーで仕事を回してリスクを最小限に抑えるようにしています。
社員は私を含めて7人。全ての業務を網羅するのは限界がありますので、Web関係は専門の会社に依頼していますし、外注でフリーのママさんデザイナーに頼むこともあります。また、子育て情報サイトはアップする頻度も多いので、それぞれ地元のママさんにサイトの更新作業を委託しています。さらに富山と石川には、イベント運営をサポートしてくれるメンバーもいるので心強いですね。こういった、ママスキーをサポートしてくれるメンバーを「ママスキーキャスト」と呼んでいます。

2022年からママスキーは全国へと拡大していますね。きっかけはありましたか。

コロナ禍で外出制限がかかったことは影響しています。事業の柱であるイベントの仕事が次々と中止となってしまいましたが、逆に良い意味で、これまでのママスキーの活動について立ち止まって見つめ直す機会になりました。これから何をやっていこうか、スタッフと話し合いを重ねていくうちに、ママスキーを全国展開するという話が具体的になっていきました。
次の世代のことを考えると、自分の子どもたちが成長して、富山に住み続けるとは限りません。どこに住んでいても子育ての悩みは共通ですし、そもそもママが子育てを楽しめる国でなければ、将来、子どもを産むという選択をする人がさらに減ってしまいますよね。日本の明るい未来を描くためには、ママスキーを地元富山や隣県の石川だけでなく、全国に展開していくことは必須条件でした。

子育てに自己肯定感を!ママの選択肢を増やすために挑戦し続ける

店内

ママスキーの今後の展望について、教えてください。

うれしいことに富山県が推進する成長企業の発掘・支援に向けたスタートアップエコシステム形成プロジェクト「T-Startup」に弊社が選定されました。このプロジェクトのおかげで今後の事業展開や課題について、改めて自分たちが何をしたくて、子育て世代が何を求めているかを考えたり、ヒアリングしたり、データを取るチャンスがありました。
その過程で、特に子育て世代のママの自己肯定感が低いということが見えてきました。子育てしている私たち自身も幸せで、自分を認められる社会であったなら、「子育て」をもっとポジティブに受け止めることができると思います。ママが子育て期間が終わったときに「子育てって最高に楽しかった!!」と振り返ることができるよう、「ママスキー」を通じて子育て世代が抱える課題に向き合って解決していくことに、挑戦していきたいと思っています。

創業からずっと挑戦を続けている土肥さんですが、今も昔も変わらないところはありますか。

どんなに挑戦を続けていても、私の中で今も昔も変わらないのが「ママの選択肢を増やしたい」という想いです。赤ちゃんは周りまで幸せにしてくれる愛しい存在です。ところが子どもがいて幸せなはずなのに、ママであることを理由に諦めていることも多くあります。ママが我慢をするしかない現状を、子育て情報サイト「ママスキー」が多くの選択肢を届けて、子育てママが生活する上で「楽しい」と思える環境をこれからも作っていきたいです。

人に思いを伝えることが夢への第一歩。「チャレンジしたい気持ちを大切に」

最後に、子どもがいても仕事を続けたいと考えているクリエイターへのメッセージをお願いします。

2022年は一緒に働くスタッフが増えました。採用面接のときに必ず「将来やりたいことはありますか?」と質問しています。これは私が前職で経験したことが大きく影響しています。残念ながら新しい部署を作ることは叶いませんでしたが、別の形で子育てサイトを運営できたのは、挑戦することにストップをかけないでくれた環境があったからです。失敗して落ち込むことはありましたが、自分にとってマイナスになることは決してありません。
やりたいことについては、大きいビジョンでも小さいチャレンジでも何でも大丈夫です。どんな小さなことでも形にできるタイミングが必ずあると思っています。そのためにはまず、人に自分の想いを伝えること。口に出すことで実現に向けての小さな一歩につながります。それぞれのやりたい、チャレンジしたい気持ちを大切にしてほしいです。

取材日:2023年1月13日 ライター:高井 寧香 

株式会社ママスキー

  • 代表者名:土肥恵里奈
  • 設立年月:創業 2015年7月、設立 2019年4月
  • 資本金:975万円
  • 事業内容:未就学児ママのための情報サイト「ママスキー」の運営、親子向けイベントの企画・運営、モニタリング、サンプリング、親子向け商品・サービスのプロモーション
  • 所在地:〒930-0952 富山県富山市村195-4
  • URL:https://mamasky.jp/
  • お問い合わせ先:076-461-3689または上記URLお問い合わせ

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