映像2025.04.01

映画ソムリエ/東 紗友美の“もう試写った!” 第45回『ゴーストキラー』

vol.45
映画ソムリエ
Sayumi Higashi
東 紗友美
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『ゴーストキラー』

▶体感レオン?キック・アス?洋画アクションが好きな方におすすめ

髙石あかり、堪能度100

<INTRODUCTION>
主演 髙石あかり × 監督 園村健介 × 脚本 阪元裕吾という座組で至高のアクション映画で世界に挑む日米共同制作の映画。

ごく普通の女子大生がある日拾った薬莢。その瞬間から彼女には【伝説の殺し屋】の幽霊が憑りついた―
園村健介が監督、阪元裕吾が脚本、「ベイビーわるきゅーれ」の制作チームが放つ!
幅広い分野で活躍している黒羽麻璃央が作品を盛り上げる。本作は、『ベイビーわるきゅーれ』や『BAD CITY』等のアジアン・アクション映画を日本から世界に送り出してきたライツキューブが、アメリカにおけるアジアン・アクション映画配給のリーディングカンパニーである Well Go USA Entertainment と共同制作。世界に通用するアクション映画を生みだした!

<STORY>
ごく普通の女子大生がある日拾った、一発の薬莢(やっきょう)。

その瞬間から彼女には【伝説の殺し屋】の幽霊が取り憑いた―
とある日の朝、大学生のふみか(髙石あかり)は帰宅途中に足がもつれ倒れ込んでしまう。立ち上がろうとした時、転がっている薬莢を見つけ、拾う―。
帰宅したふみかは、自分にしか見えない男を見つけパニックに陥る。元殺し屋だという男の幽霊・工藤(三元雅芸)に嫌悪感を抱くが、その後ふみかは工藤の手を握ると力が乗り移り、戦えることが判明。
工藤を避けていたふみかだったが、自分を助けてくれた工藤に徐々に心を開き始める。
ふみかは工藤の成仏の為に協力することとなったが…。

アクションの神が見守る、斬新でエモーショナルな一作!

無駄のない構成と圧倒的な牽引力。観る者をグイグイと引き込むアクション映画が誕生しました。

高石あかり演じるふみかは、洋画ファンの心を震わせる存在です。
『レオン』のマチルダのような雰囲気、
『キック・アス』のヒットガールのような強い意志、
『キル・ビル』のゴーゴー夕張のような圧巻の強さ——。
これらが見事に融合し、唯一無二のキャラクターが生まれました。

全編を通して感じるのは、「ジョン・ウィック」シリーズのようなスピード感と、「イコライザー」シリーズのような静かなる強さ。
特に、ガンフー(銃+カンフーを融合したアクション)を思わせるアクションは圧巻で、「ジョン・ウィック」不在の今、その喪失感を埋めてくれるかのよう。
ノワールな世界観の中に、ふみかの持つコメディエンヌ的な可愛らしさが絶妙に混じり合い、
“魅せるバイオレンス” という新たな魅力を生み出しています。

「洋画しか観ない」なんて言っている人にこそ、ぜひ観てほしい。
きっと、その固定観念を覆す一本になるはずです。

女子大生 × 殺し屋 × ゴースト? 斬新な設定がもたらす新感覚!

高石あかりが演じるのは、成仏できない殺し屋・工藤の幽霊に取り憑かれてしまう女子大生・ふみか。
この難役を、彼女は驚くほど自然に演じ切っています。

ふみかと工藤、まるで正反対の二人を、一瞬で切り替えながら演じ分ける。
その演技力の高さに、ただただ圧倒されるばかりです。

「ふみかと工藤を交互に演じるというお芝居としての難しさに加え、これまでにないアクションの量。
役について何度も監督と話し合い、三元さんの演じる工藤の落とし込み方や台詞と身体の瞬発力など、意識し考え挑戦し続けることのできる充実した撮影期間でした」

そう語る彼女の言葉通り、これはまさに挑戦の連続だったはず。
それを違和感なく、まるで当たり前かのように演じ切るその才能に、改めて息を呑みました。

一人二役の映画は、その”ギャップ”が大きければ大きいほど面白い。
今回はまさに、その振り幅が尋常ではありません。

“自分とはまったく別の誰かが自分の中に入ってくる”
“最初は違和感だらけなのに、次第に心が溶け合っていく”
“共通の目的のために、体も心も一つになっていく”

——この感覚、どこか「ヴェノム」を思わせます。
けれど、本作のギャップはそれ以上。
女子大生と殺し屋という、決して交わるはずのなかった二人が、
戦いの中で次第に心を通わせていく。
この過程が、アクションの疾走感の中にあっても、驚くほど丁寧に描かれているのです。

本物のアクションが生む”痛み”のリアリティ

幽霊の殺し屋・工藤を演じるのは、三元雅芸。
俳優として数々の主演作を持つだけでなく、モーションキャプチャーやアクション監督としても活躍する実力派です。

学生時代からアクションチームに所属し、ヒーローショーで技を磨き上げた彼。
映画『ベイビーわるきゅーれ』(21)や、ゲーム『龍が如く』シリーズのモーションキャプチャーなど、そのキャリアは多岐にわたります。

そんな彼のアクションは、まさに”本物”。
動きに無駄がなく、技一つひとつに重みがある。
観ているだけで、痛みが伝わってくるような迫力に満ちています。

 

ゴースト× アクション= こんな映画、観たことない!

幽霊が登場する映画といえば、ホラーやオカルトが主流。
けれど本作には、怖さはほぼなし。

“アクション”
“一人二役”
“幽霊”

これらが組み合わさることで、かつてない新鮮な映画体験が生まれました。
ふみかにしか見えない工藤という存在を、アクションに見事に活かした演出も秀逸。
敵に立ち向かうための戦略に、この”憑依”の設定が組み込まれているため、
「今までにない!」と声を上げたくなるようなシーンの連続です。

”圧倒的な悪”が生み出すカタルシス

そして、何より素晴らしいのが”悪役”の描き方。

最近の映画では、善悪の境界が曖昧な敵キャラが増えました。
正義とは何か? そんな問いかけを投げかける作品も多い。

でも、この映画は違います。

敵は、どこまでも”悪”。
容赦なく、非道で、言い訳の余地もないほどに最低。

だからこそ、ふみかと工藤の正義が、より際立つ。
だからこそ、戦いが終わったとき、心の底からスカッとする。

単純明快な悪の存在が、こんなにも気持ちいいなんて!

ノワールな雰囲気が醸し出す退廃的な侘しさ、切ない音楽、戦いの先にある、静かなる余韻——。

運命を変える”たった1日”を描く映画は数多くありますが、本作の変化の振り幅は圧倒的。

ふみかと工藤が出会ったことで、何が変わるのか?
戦いの果てに、彼らはどんな未来を手にするのか?

日本のアクション映画の新たな可能性を示す一本。ぜひ、劇場で味わってください!

『ゴーストキラー』
4.11(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー

キャスト:
髙石あかり
黒羽麻璃央
井上想良 東野絢香 川本直弘 アベラヒデノブ/本宮泰風(友情出演)/山口祥行(友情出演)
三元雅芸

監督・アクション監督:園村健介
脚本:阪元祐吾
音楽:森野宣彦

共同制作:Well Go USA Entertainment
制作プロダクション:MinyMixCreati部
配給・宣伝:ライツキューブ
配給協力:ティ・ジョイ 

© 2024「ゴーストキラー」製作委員会

公式サイト:https://ghost-killer.com/
SNS:X(@gk__movie

プロフィール
映画ソムリエ
東 紗友美
映画ソムリエ。女性誌(『CLASSY.』、『sweet』、『旅色』他)他、連載多数。TV・ラジオ(文化放送)等での映画紹介や、不定期でTSUTAYAの棚展開も実施。映画イベントに登壇する他、舞台挨拶のMCなどもつとめる。映画ロケ地にまつわるトピックも得意分野で2021年GOTOトラベル主催の映画旅達人に選出される。 音声アプリVoicyで映画解説の配信中。

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