心配してくれたのは腕時計だけでした
ボーッとしながら電車に乗っていたら、乗り換えの駅に到着したことに気づくのが遅れた。慌てて電車を降り、ダッシュで乗り換えの電車に向かった(駆け込み乗車ダメ、絶対)。運よく間に合ったので気が緩んだのかも知れない。ドアの前でバランスを崩してコケた。
その時の効果音を付けるとしたら「ぼてっ……」という感じ。派手に転べたらどんなに良かっただろう。血を流したり、カバンの中身をぶちまけたら、何人が私に同情してくれただろう。残念ながら(幸いにも)いい感じの受け身を取ったので、腕にちょっとアザができた程度で済んだが、先に車内にいた乗客たちから発せられる「あの人、なんであんなところでコケたんだろう」という空気が痛い。私は身体と視線のダブルの痛みに耐えつつ、何事もなかったかのように立ち上がって空いている席に座った。
ふと、Apple Watchが振動していることに気づいたので見てみると、
「なんかめっちゃ強い衝撃感知したけど大丈夫?コケた?」と、身体を気遣ってくれる通知が。
Apple Watchは健康管理に特化しており、心拍数を測ってくれることは有名だが、それ以外にも装着者の健康を気遣う機能がいろいろ搭載されている。この転倒検知機能はSeries 4以降の機種(もちろん先日発表された新型にも)に入っており、転倒を検出してから1分間応答しないと事前に設定している緊急連絡先に通知してくれるそうだ。
恐らく脳卒中などの病気を想定して設計されているのだろう。ちなみに、先日自転車をボーッと漕いでいた時に間違って縁石にぶつかったが、それでも反応してくれることが判明した(こんな間抜けな出来事を通して知りたくはなかったが)。
それにしても、コケても心配してくれたのが時計(ウェアラブルデバイス)だけとは世知辛い。どうか皆さまも乗り換えと足元にはくれぐれもお気をつけて。