「『表紙はうたう 完全版』刊行記念原画展 和田誠さんと。」に行ってきた!

東京
ライター
来た、見た、行った!
かつらひさこ

こちらのコラムでも書いたことがあるが、私は和田誠さんが昔から大好きだった。

学校の図書室に行くたび、和田さんがイラストや装丁を担当した本に手に取って眺めた。

シンプルで無駄のない線から紡ぎ出される、独特のユーモアと色使い。

ほのぼのとした可愛らしさとほんの少しの毒。

どれをとっても唯一無二で、「挿絵の力」というのを感じたのは和田さんが初めてだったかもしれない。

 

そんなわけなので何を差し置いても行かねばと思い、今月15日まで渋谷PARCO8階「ほぼ日曜日」にて開催されていた、「『表紙はうたう 完全版』刊行記念原画展  和田誠さんと。」に行ってきた。

 

和田さんの作品に囲まれて、テンションは一気に上がった。

お馴染みの週刊文春の表紙から、はじめて観るイラスト、知らないタッチの絵。

監督された映画のポスター、演劇のポスター、ジャズ、エッセイなどなど、和田さんが残した作品の幅広さとその多才さに改めて感動した。

実際に和田さんが使われていたアクリルガッシュや、プライベートで書かれた和田さんのメモの数々に、なんとも言えない感情が込み上げた。

 

亡くなるということは、その人がこの世からいなくなってしまうことだ。

人は期間限定でこの世に降り立ち、なにかを得たり失ったり、作ったり壊したり、あれこれやって、そしてここを去る時がくる。

せっかくなので、喜怒哀楽だけでなく「ああ、いいなぁ」という感情をたくさん味わってから退場したいなと思い、家に帰った。

 

プロフィール
ライター
かつらひさこ
1975年札幌市生まれ。自分が思い描いていた予定より随分早めの結婚、出産、育児を経て、7年前からライティングを中心とした仕事を始める。毒にも薬にもならない読みやすい文章を書くことがモットー。趣味はクイズと人間観察。

日本中のクリエイターを応援するメディアクリエイターズステーションをフォロー!

TOP